2004年8月23日

誰かが知っていてくれたので(誰も知らない)

誰も知らない」を観てきました。

母親が帰ってこなくなり、子どもたちだけで生活していかなければならなくなった4人の兄弟姉妹の物語です。
お母さん役はYOU。惚れっぽくて、でも男には捨てられてきて、子どもたちの父親はおそらくみんな別々らしい(少なくともふたりはいる)。そんな彼女がまた男に惚れて、家に戻らなくなってしまう。子どもたちをまったく突きはなしているわけではなく、とにかく恋に夢中で、まわりに眼がいかなくなっているかんじ。
月日がすぎていくとお金は底をつき、電気も水道も止まり、子どもたちは公園の水道で水をくみ、のどをうるおし、洗濯をし、親しくなっていたコンビニ店員のお兄さんに期限切れのおにぎりをわけてもらってなんとか空腹を満たすような生活になる。
そんななかでもそれなりに楽しげにやっていくのだけれど、母親がいたころから、みんな学校へ通っていないので、遊び友だちがいないのが悩みのタネ。
ひとの暖かさに飢えています。
誰も知らないのは、この生活が誰からも知られていないという意味よりも、かれらが誰も知らないという意味あいが強いのかもしれません。
映画全体はおだやかで、悲しい感情、泣きの場面はかなり抑えてつくられています。押しつけがましさはありません。
それでも、なんだかしれないけれど、ぐおーっと涙がこぼれてきます。たのしげで微笑ましい場面でふしぎと泣いていました。
制作者の怨念を晴らすような作り方はしていないんですね。社会批判でもない、人間は汚い、冷たいのだと主張しているわけでもない。心にはしっかり残る。
私は、やさしい気持ちをとりもどした気分になりました。


映画のなかで兄弟と親しくなる高校生(中学生?)。どこかで観た記憶があり、エンドロールのクレジットの「韓英恵」という名まえにも覚えが。……帰りの車のなかで思いだしました。江角マキコが殺し屋をやっていた「ピストルオペラ」(鈴木清順監督)にでていた女の子だ!

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