失踪HOLIDAY
乙一さんの「失踪HOLIDAY」。
短篇「しあわせは子猫のかたち」と中篇「失踪HOLIDAY」による作品集です。
「しあわせは子猫のかたち」は、ひとづきあいが極端に苦手な青年が大学進学の際、ひとり暮らしをはじめた家でそこで強盗に殺された女の子の幽霊にあう。言葉が交わせるわけでもなく、すがたもみえない。でもいるのはわかる。爪切りをさがしていると、いつのまにかテーブルの上においてあったりする。そのうちいたずらをしかけられたりしだす。ほのぼのムードで進行します。ひとのぬくもりにはじめてきちんと接したのに、あいてはもう生きていないというのがやっぱり切ないです。
「失踪HOLIDAY」は、猪突猛進な女の子が主人公。母親の再婚で大金持ちの娘になったけれども、その母親が病死。義理の父親はそんなことになっても本当の娘のように接してくれる。やがて父親は再婚。血のつながりがぜんぜんない主人公の女の子は不安感からとても居心地が悪い。父親の再婚相手とは衝突。ある日のケンカのあと、むかっぱらおさまらず衝動的に家をとびだす。家出さきはおなじ敷地にある使用人たちが住んでいる建物。近くから観察をつづけていたが、家族団らんな光景をみて、さらに暴走。自分が誘拐されたことにして脅迫状を送りつけた。
うってかわってドタバタコメディ。きっちり、仕掛けつき。ここぞというところで一気にシリアスに収束するところはみごとです。
犯罪がおこなわれているんですが、あまりふれられずに終了します。きみ(主人公)はそれでいいのか、とつっこみをいれたくなりましが、この子の性格からすればいいんでしょうねー。



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