2005年6月 4日

ちーちゃんは悠久の向こう

4797495588.09.MZZZZZZZ.jpg「僕」と「ちーちゃん」の物語。
ちーちゃんはオカルト好きで小さなころからよく怖い話をして僕を怖がらせ、高校生になった今も僕をかんたんに振りまわせてしまう強引な女の子。
高校の七不思議をいっしょに調べさせられることになったその日から、ちーちゃんはのぞんでいた幽霊がみられるようになったが、現実での居場所を失いはじめる。
そして、みてみぬふりをしてごまかしてきた「僕」の日常も最後の時をむかえる。

僕とちーちゃんの関係、僕の現実、ちーちゃんの現実が、崩壊の瞬間へむかっていく緊張の高まりがみごとに描かれています。軋む音がきこえてくるようです。
それも、ジュブナイルのライトな文章で、ラブコメの雰囲気を最後までたもちながら、ですよ。
すごい、すごい。

ラストは、さすがちーちゃんという感じ。
それはバッドエンドなんですよ、ちーちゃんといってあげたい。
それを乗りこえさせちゃうのが若手作家のいいところです。

乙一にしろ、日日日(あきら)にしろ、若手がでてきてうれしいです。
もう、小説も、ばばあのたわ言・じじいのうわ言といわれる俳句みたな存在になっちゃうのかなーと心配していましたが、自分が死ぬまではなんとかなっていそうです。

新人がもてはやされると、年寄りはよく、若手は経験がないから、ってばかにして、やっぱりなによりも経験がだいじみたいにいって、経験がある自分の方が偉いと暗に自慢するけど、長く生きてりゃ経験あってとうぜんで、そんなんじゃ、学生時代、先輩だからってそれだけでいばってたアホなやつらといっしょでしょ。
それに経験だって、誰も彼もいっしょじゃあないよね。してきたこと、それを生かせるかどうか。やりなおしがきかないし、それは生まれつきの才能と、じつはなんの変わりもない。そういうのわかっていってるのかなー。ベテランも経験にあぐらかいてちゃダメだよねー。
傲慢な経験よりは、傲慢な才能の方が、おもしろいものができそうだし。

"ちーちゃんは悠久の向こう"
日日日
新風舎文庫
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