日本共産党の戦後秘史
著者の兵本達吉氏は、もと共産党員で国会議員秘書をつとめ、北朝鮮による拉致事件を調査、解明のさきがけとなりましたが、それが原因で警察のスパイのぬれぎぬをきせられ共産党を除名されています。
雑誌連載をまとめたものだそうで、そのため、多少の内容の重複や、前半に意味のとりづらい文章iがみられますが、全体としては読みやすく書かれています。
日本共産党のことだけではなく、日本の共産主義活動(軍事闘争、学生運動、革新系の地方自治の実態)や、ソ連・中国の共産主義についても書いてあるので、共産主義がなんであったのかがわかるようになっています。
とにかく他の意見をまったくみとめないのが印象にのこりました。ソ連、中国では虐殺です。革命時にもともとの権力者、有力者、富者をことごとく抹殺し、国ができてからも異端者として殺しまくる。わかっていたつもりでしたが、こんなにすごいのかとびっくりしました。
もともとの考えが歴史からの推論、つまり王様が処刑されて有力者たちの国ができたように、今度は有力者が処刑されて労働者たちの国ができあがる、ということだろうから、まったく理解できない、ということではないのですが、思いこみとは本当に恐ろしいものです。
共産党はよく民主主義を口にしますが、彼らにとっての民主主義は共産主義を信じてそのとおりに生きること、それ以外の考えは民主主義ではありません。異なる意見はみとめません。また「民主集中制」という考え方があって、それはリーダーを選んだらあとはリーダーに絶対にしたがうことです。もちろん、リーダーの選び方から、もう問題ありです。どうしようもありません。
選挙のとき、いれるところがどこにもないと、良心に訴えるようなきれいなことをいう共産党候補に投票するひとがよくいますが、この本を読んだら共産党は批判票の受け皿には適さないとわかると思います。



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