血まみれの月
ハイスクールのとき詩を愛し、そして、詩を愛していたカリスマ的女生徒を崇拝していた男子生徒は、不良生徒に屈辱的暴行をうけ、心に傷を負い、大人になって殺人鬼になった。彼の殺人はこれまですべて未解決になっていたが、ひとりの刑事によってやがてその存在がかぎつけられる。刑事の名は、ロイド・ホプキンズ。ロサンゼルス市警強盗殺人課の部長刑事で成績は抜群だったが、エキセントリックな言動が目立ち、偏執的に事件を追うくせがあった。彼もまた幼少時に心に傷を負っていたのだった。
エルロイが描くトラウマを負った男は、一方はモンスターであり、もう片方には致命的な異常におちいるほどであってもなお正義感や、光を求めることをやまない魂をもっていて、この人間の描き方がわたしには新鮮で、エルロイの小説に惹きつけられる理由のひとつです。
この作品は、ロイド・ホプキンズが活躍する3つの小説のひとつめです。
ストーリーの構造は後半になってシンプルになりますが、最後の対決にむかっての盛りあがりは読みごたえあります。














