2006年2月 2日

エレニの旅

B000BFLABM.09._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpgテオ・アンゲロプロス監督は、もしかすると文芸作品のような退屈で飽き飽きする映画になってしまいそうなドラマを、その場の情景を一転させる、きわめて効果の高い演出で、すくい上げています。わたしはいつも、とりつかれたように観てしまいます(映画館で観る機会がえられていないのでこう主張するのは恐縮なのですが)。

革命勃発のロシアから母国ギリシャへとのがれてきた難民のなかにエレニはいた。リーダー格の一家の養女として育てられ、一家のひとり息子アレクシスと恋に落ち、双子をさずかるが、一家の長、アレクシスの父スピロスはエレニを自分の妻とすることをきめていた。子どもたちは一家の女たちの手でひそかに子どものいない資産家の養子におくられる。スピロスとの結婚の日、エレニはアレクシスとともに逃げた。スピロスはしかし執念深くふたりを追いかけるのだった。

前半は、逃亡生活。義理とはいえ父親に結婚をせまられたり、義理とはいえ兄と愛しあったり、こういう神話にありそうな設定を、アンゲロプロス監督は好んでつかいます。
後半は、時代に翻弄され、再会した子どもたち、夫アレクシスと離ればなれになっていきます。時代に翻弄されるさまを描くのもこの監督の特徴です。
ギリシャの歴史の概略は、ギリシャへの扉というサイトの歴史のページがいいかと思います。第二次世界大戦、第二次世界大戦以降、をみてください。さらにくわしくはWikipediaのイオアニス・メタクサスギリシャ内戦などを参考にしてください。しかし、そういうことは映画を見終わってからの方がいいですよ。

"エレニの旅"
監督 テオ・アンゲロプロス
出演 アレクサンドラ・アイディニ, ニコス・プルサニディス ほか
6300円
Amazonアソシエイト

コメントする