2006年4月 9日

リバティーン

 「リバティーン」をみてきました。

 リバティーン(Libertine)は放蕩者という意味で、この映画はその放蕩者、酒におぼれ、女におぼれ、若くして死んだ17世紀のイギリスの詩人ジョン・ウィルモットのストーリーです。主人公をジョニー・デップが演じます。

 当時の貴族の生活ってけっこう汚かったんだなと思いました。屋敷の中はきれいに整っているものの、外にでれば道はどろどろ、酒場は貴族が通うといっても庶民がいくのとかわらないおんぼろで薄暗くって汚いところのようです。

 主人公は伯爵で、国王とも親しく、冗談っぽい内容のものばかり書いてはいるものの詩の才能があることはみとめられており、また演劇にも一家言を持ち、ロンドンにでてきたばかりの女優を育てることに熱心になります。この女優は初舞台はさんざんで観客のほとんどからブーイングをくらいました。どうやら主人公は他人にだめといわれたひとを助けてあげようとする傾向があるようです。
 さいしょに指導をしようとする場面で主人公にたいして女優がいらつきはじめ、なんで自分に演技指導などしようとするのかと問いただします。頭に血がのぼり、喧嘩腰です。私は才能がある、あんたに指導されたら、将来、私が成功しても、手柄はぜんぶあんたがうばってしまう。どうせ自分が育てたんだと自慢したいだけだろう。私は自分の力で観客を感動させ、また観に来てもらうときも演劇ではなく私を観に来てもらいたいのだ、と主張します。この白熱する口論の場面でぐーっと映画に惹きつけられてしまいました。それまでは、もしかしていわゆる文芸的な映画なのかな、それだったらたいくつだなとちょっとがっかりしていたのですが、ここでのめりこみました。

 芸の肥やしといって日本でも芸能ごとをするひとは酒、女、博打はゆるされているところがありますが、この主人公の場合は度がすぎて才能をつぶしているほうが多いように思います。(しかし、まじめだったら才能は開花しなかったことでしょう)。それでも、そういう生き方しかできなかった人間として描かれます。愛すべき人物です。いい映画でした。

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