2006年4月11日

サイキック・マフィア

 初対面の相手の過去を言い当てることは? "できますよ"
 封をされたカードの透視は? "かんたんです"
 なにもない空間から物を生みだす、物質化現象は? "できます"
 空中に物を浮かべるのは? "かんたん、かんたん"
 霊を呼びだすのは? "エクトプラズムが霊のかたちをはっきりとうかびあがらせます"

4872335678.09._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg すぐれた霊能力で無数の奇跡を起こし、人々を魅了してきた男。——しかし、すべてがインチキだった。
 スター級の元霊能者が心霊業界の裏側を暴く内部告発書です。

 内容がどれぐらい充実しているのかわからなくて購入をこれまで見送っていたのですが(図書館にもなかったし)、思いきって買ってみました。けっこうな内容でした。霊能者がどれだけいかさまを意識しているかについては、本気で霊能力があると思っているひとというのもいて、このひとたちは業界のイメージアップにつながるので業界の周辺にうろつくのをゆるされているそうで、わかっているひとのなかにも、いかさまをしているけれどこれは霊の手助けなんだと自分を納得させているタイプと、完全にわかってやっているタイプの2種類があるそうです。心霊業界を形成するは完全にわかってやっているタイプです。

 ちょっとまえに、相手の情報をそれとわからせずに聞きだす話術、コールド・リーディングを紹介しましたが、心霊業界のひとはそういうのは、ほんとうに困ったときにしかつかわないようです。交霊会に訪れるひとたちの情報をファイルしていて霊能者たちのあいだで交換している。これをつかって言い当てています。全米と外国の一部にひろがるスパイ網ができてるわけです。

 日本の宗教法人もやばいですが、アメリカもかなりやばいようです。教会組織をつくるのに弁護士がひとりいればよく、あとはいうことをききそうな信者をあつめて理事会をつくればオーケー。好き勝手にどんな権限でも権威でも肩書きをつけてもいいそうです(学位だっていい)。信教の自由で守られ、国の調査はまず入らない。犯罪者天国です。

 著者は、超能力や心霊に興味をもつのはいいけれど(本人も信じている)、霊能者にかかわるのは絶対にやめたほうがいいと忠告しています。

"サイキック・マフィア"
M・ラマー・キーン
太田出版
1680円
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