親切なクムジャさん
「宮廷女官チャングムの誓い」という、日本の料理アニメのようなノリで展開する宮廷料理人のドラマがNHKでやっていますよね。わたしはちょうどテレビをつけたときにたまたまやっていたぐらいしか観たことがないのですが、ちょっとみただけでもわかる清純派・正統派の誰からも愛されるお姉さんチャングムを演じているのがイ・ヨンエです。丸顔で、ちょっと幼げな風貌が愛らしく、ほんとうに清純派が似つかわしい彼女が、この映画では、冷酷な復讐の鬼を演じます。
主人公クムジャは、男の子を誘拐して殺した罪で刑務所に入っていました。出所するとすぐに刑務所に入るまえから計画していた復讐にとりかかります。「親切なクムジャさん」というのは刑務所でのあだ名で、いばりくさって好き放題やっている古株の囚人をやっつけたりするところからつきました。また模範囚としての彼女の仮面でもありました。
主人公や脇役のエピソードが断片的に挿入されていく見せ方をしているものの、ドラマ自体はわりとシンプルに進んでいきます。そして、事情がすべてわかるようになった終盤に複数を捲きこんでの大団円をむかえます。
暴力をみせるだけではなく、かといって、感情の爆発をみせるだけでもなく、バランスをとりながらのドラマ展開がとてもうまく、アクション映画だったらただ派手な見せ場にしかならない、殴る、撃つ、血が飛び散るといったシーンで、それをする登場人物の怒りや悲しみがつたわってきます。クールにみせているのにもかかわらず。
クムジャさんは復讐を果たしたものの救われません。自分が刑務所に入ることになった誘拐殺人の子どもへの罪の意識もあります。それを彼女自身の子どもが救ってくれます。恨みは忘れらないし、自分の罪も消えはしないけれど、そういったものが自分の子どもにはつながっていかず、その未来に希望が託せれば、魂は救われるのかもしれない、そう思いました。
(うーわ。吹き替えがチャングムとおなじひとだ)。



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