2006年5月31日

ゴースト・ドッグ

Amazon.co.jp:ゴースト・ドッグ: DVD 武士道を論じた"葉隠"の翻訳を愛読し、サムライとして生きようとする凄腕の殺し屋"ゴースト・ドッグ"。自分の命を救ってくれたマフィアの幹部ルーイを主(あるじ)とし、ルーイのために仕事をしていた。ルーイのファミリーのボスの娘に手をだした幹部を殺すが、それは"ゴースト・ドッグ"とルーイの命を危うくする。

 日本映画が好きで、サムライの映画を撮りたかったというのが、この映画を製作するきっかけになったようです。日本でも武士道精神などなくなっており、アメリカでも義理堅さはもうずっとまえから古くなっている。その感覚を、すっかり時代に取りのこされた人間として"ゴースト・ドッグ"とルーイを描くことによって表現しています。("葉隠"も江戸時代中期にできあがっていて、サラリーマン化というか完全に組織に組み込まれもはやサムライではない武士のための精神論であったり、英訳されたものが日本に逆輸入されてもてはやされ、旧日本軍の精神論に組み込まれたりと、事情が複雑だったりもします)。

 クールに抑えたテンポで物語は進みます。殺しのストーリーなのですが、マフィアの幹部連中がふざけてるんだかまじめなんだかわからないやりとりをしていて笑えたり、公園で出会うちょっと生意気なことをいう少女と友だちになり、その公園にいるアイスクリーム屋が親友というのですが、こちらは英語だけむこうはフランス語だけとたがいに相手のしゃべってる言葉がぜんぜんわからないままに会話していたりとユーモラスで、なごむシーンが随所に盛りこまれていて、全体として殺伐としたイメージは感じられません。

 映画トップ10をつくるならぜひ入れたい作品。

"ゴースト・ドッグ"
監督 ジム・ジャームッシュ
出演 フォレスト・ウィテカー ほか
4170円
Amazonアソシエイト

2006年5月30日

デッドマン

Amazon.co.jp:デッドマン スペシャル・エディション: DVD 1870年ごろのアメリカ、南北戦争が終わり、大陸横断鉄道が開通してすぐのころ、ウィリアム(ジョニー・デップ)は、列車にのって終点の西部の田舎町にやってくる。そこで会計士の職がもらえるはずだったが、すでにべつの会計士がはいっていて、やとってもらえなかった。あてがはずれたウィリアムはうさばらしにでた夜の町で花売りの女と知り合うが、彼女と以前つきあっていた男があらわれ、撃ちあいになる。男が撃った弾は、女の体を貫通し、ウィリアムの胸に当たる。ウィリアムは女が護身用に持っていた銃をなれない手つきで撃つ。三発目は男の首を撃ちぬく。深手を負ったウィリアムは町をぬけだし、気を失っていたところを、インディアンの大男にたすけられる。ウィリアムが殺した男は、町の大立て者の末息子で、復讐のために殺し屋がやとわれ、ウィリアムを追うことになる。

 致命傷を負い、死から逃れられなくなったウィリアムを、太っちょインディアンの"ノーバディ"が人間の魂が戻っていく場所への旅へ送りだします。
 死はたしかにこのようなものであろうなと感じる映画で、理不尽にあるいは当然のようにこの身にふりかかってくるのだけれど、いざそのとき、導き手がいれば、ひどく穏やかに受け入れることができるのかもしれないと思いました。

 太っちょインディアン"ノーバディ"を演じるゲーリー・ファーマーが笑顔がかわいくて、すっとぼけた応対がこれまたいいキャラをだしていて、とてもよく、好きになりました。(ちなみに、彼自身、ネイティブ・インディアンだそうです)。

"デッドマン"
監督 ジム・ジャームッシュ
出演 ジョニー・デップ、ゲーリー・ファーマー ほか
4170円
Amazonアソシエイト

2006年5月29日

ブレードランナーの未来世紀

Amazon.co.jp:〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀映画秘宝コレクション: 本 まえに紹介した「映画の見方がわかる本」の続編にあたります。今回は、はまった人が多いカルトムービーが続出した80年代のアメリカ映画を、制作者側の実情を通して解説してくれます。

 とりあげられるのは「ビデオドローム」「グレムリン」「ターミネーター」「未来世紀ブラジル」「プラトーン」「ブルーベルベット」「ロボコップ」「ブレードランナー」。80年代のハリウッドは、築きあげてきた映画作家の時代が終わり、ふたたびお気楽映画の時代が舞い戻ってきました。これらの映画はどれもハリウッドの中心から締めだされた映画作家たちの作品です。
 これらの映画が共通してもつルーツは40年代の「素晴らしき哉、人生!」だそうです。アメリカではクリスマス時期になるとかならずテレビで放送される映画で、田舎町でローン会社を営む主人公ジョージは貧しい人々のために低金利のローンを組んだり、安い住宅地の開発などをして、立場の弱いひとを助けています。それをおもしろく思わないのは大地主のポッターです。高い金利で金を貸し、家賃をどんどん上げてもうけを増やしたいので、ジョージがじゃまでしょうがありません。ポッターはジョージの事業の妨害をくりかえし、ついにはジョージを破産に追い込みます。ジョージは悲観して「僕なんか生まれてこなければよかったんだ」と自殺しようとするのですが、そこに見習いの天使が現れ、「ジョージが生まれてこなかった世界」を彼に見せます。街はポッターが支配し、酒場やキャバレー、ストリップが建ちならび、ギャングが幅をきかせ、町のひとびとはすさんだ生活をしています。親友や妻の不幸なすがたをみて「生まれてこなったほうがよかったなんて二度といいません!」と叫ぶと、ジョージは元の町にもどっていて、家には彼の世話になっていたひとたちがお金を持ちよって集まっていました。そのお金で負債をすべて返すことができました。みんなで幸せに歌をうたいました。めでたしめでたし。......と思われている映画なのですが、じつは本当の意味においては、映画をみているひとたちの実生活においては、ジョージがみた彼のいない世界のほうが現実なのでした。ハッピーエンドは実際にはなかった甘い夢なのです。

 このなかの「ロボコップ」は意外でした。いままではふつうのSF娯楽作品だと思っていたんですが、この映画の監督ポール・ヴァーホーヴェンはもともとはオランダで映画を撮っていたんですが、それがセックスと暴力、反モラルでスキャンダラスなテーマのものばかり。そういう監督が「ロボコップ」をつくったのですから、これまでとはちがう意味がみえてきそうじゃないですか。
 しかもこの監督は映画制作時に「キリスト学会」に出席していたそうです。この学会は考古学的見地から実在した人間としてのイエスを明らかにしようというものです。反モラルな作品をつくるひとに共通するのは、きれいごとだけじゃない、汚いこともするのが人間だ、ありのままの人間をみようとすることです。たしかに「ロボコップ」にはそういう面がありましたよね。

"〈映画の見方〉がわかる本 80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 映画秘宝コレクション"
町山智浩
洋泉社
1680円
Amazonアソシエイト

2006年5月28日

嫌われ松子の一生

 「ダヴィンチ・コード」はまだすいていないので「嫌われ松子の一生」をみてきました。
 でも、松子も、ほぼ満席でした。老若男女、客層はばらばらでした。

 ストーリーは、バンドをするために東京にでてきたけれど、そのバンドもやめ、やる気なく生活している笙(瑛太)のもとに父親(香川照之)がやってきて、死んだ伯母、松子(中谷美紀)が住んでいたアパートを片づけるようにいいつける。笙は、松子という伯母のことはしらなかった。父親も松子はもうずっと実家ではいないことにしてきたのだという。笙がそのアパートにいくと、松子は住人から嫌われていて、しかも死因は撲殺だという。やがて笙は松子の生涯を知ることになる。

 なんだかうまくいかない、愛してもらいたいのに父親は病弱な妹を愛し、男はみんな裏切っていく、どうしてどうして、と悲しむけれど、それでも強くたくましく生きていった松子の一生をコミカルタッチに描いていきます。

 エピソードがとにかく多いんで、ラスト手前ぐらいにはちょっと時間を確認したくなってしまいます。いま上映時間をたしかめてみたら130分、いまの映画にしては、長いですね。

 それでも、まー、なんでしょうね、この楽しさは。めまぐるしく、いろんなことが起きていきます。笑えるし、泣けるし、松子のうまくいかなさかげんは、自分の今までと比較してしまうし、松子を通してみる深い人生観にも心打たれます。

 いい映画でした。

2006年5月26日

メールフォームを修正しました。

 メールフォームがうごかなくなっていたのをいそいで修正しました。
 ドメイン shimakuma.comを設定した絡みで、フォームのスクリプトが定義ファイルをうまくさがせなくなっていました。

 あと検索結果を表示するページも若干、手を入れました。

 自分がふだん使っていないページは放置気味です。

2006年5月25日

エレファント

Amazon.co.jp:エレファント デラックス版ELEPHANT: DVD コロンバイン高校銃乱射事件をモチーフに、銃を乱射した男の子をふくめ、高校生の日常を描いています。

 事件直前までは、何人かの生徒の短いエピソードをつなぎあわせて構成されています。かならずしも時間にあわせたならび順ではなく、あとのほうのエピソードの生徒が、まえのほうにあった場面を、その生徒の視点でくりかえすこともあります。
 恋をしていたり、悩みがあったり、いじめがあったり、趣味にうちこんでいたり、どこにでもありそうな風景です。みんな殺してしまうと思うこともあるでしょう。そんなことをいってるひとがひとりぐらいはいたでしょう? 自分がひとを殺すことがあったなら、たぶんそれは10代に起こっていただろうと思います。

 事件の最中は、まるで夢の中に入りこんでしまったようです。音楽の効果も高いのでしょう。それまではクラシックあるいは不安げな音楽で予兆と内に秘めた感情を表し、事件の場面では水の音や鳥の声など自然音をとりいれたサイケデリックなテクノな音楽が流れます。

"エレファント"
監督 ガス・ヴァン・サント
出演 ジョン・ロビンソン、アレックス・フォロスト ほか
3990円
Amazonアソシエイト

2006年5月24日

Sparkling Cafe(炭酸入り珈琲)

sparklingcafe.jpg エルエルさんのところで知った炭酸入りコーヒーがコンビニにあったので、さっそく飲んでみました。
 ひとくち飲んでみると、炭酸がひろがって、素朴なソーダの甘みを感じました。コーヒーっぽい味はありませんでした。飲みこむとにコーヒーの香りが鼻腔を抜けます。ふたくち、みくち、ゆっくり味わっていくとコーヒーの味がまったくないわけじゃないのがわかります。しかし、匂いのせいかなと思うくらいに、ほとんど感じられません。
 1/3をのこしたところで、炭酸でおなかがいっぱいになり、もう、いいやって気になりました。炭酸の量が多すぎるのかもしれません。
  あらかじめ「毒」じゃないかときいていたので、まずいという先入観があったので、第一印象は「思ったよりもおいしい」でした。でも、また飲みたいというほどではないんですよね。インパクトに欠けます。

2006年5月23日

大日本天狗党絵詞 1

Amazon.co.jp:大日本天狗党絵詞(エコトバ) 1 (1)アフタヌーンKC: 本 現代の天狗は街角でひっそりと暮らし、ゴミをあさって食事にありつくか、コンビニのバイトをして期限切れのお弁当にありつくか、みじめなものでした。主人公のシノブは小学校のときに、いま師匠と呼ぶメガネの中年男性(アニメのうる星やつらにでてくるメガネが大人になったような)についていった成り立ての(15年)の天狗。ある日、自分の弟と、師匠が身代わりに置いていった"どろ人形"の自分に会ってしまう。

 絵の特徴は、筆だけで書いたような古い昭和のカルトマンガ風の絵柄と、大胆なアングルを連続で使用しての大きなうごきです。大仕掛けで場面が一気に展開していく舞台のようです。

 会話にみられる特徴は、したいこともなく漠然と生きているシノブの、なにかものがつかめないでいて、それが葛藤になり憂鬱になる青年期っぽいぼんやりした曲線のセリフと、断言型の青少年の主張っぽい師匠の直線のセリフが交錯します。
 
 ストーリーは、やがて、親のいないシノブの弟と"どろ人形"のしのぶを援助している"おじ"が登場。この"おじ"があぶないことにたいそう"しのぶ"を気に入っていて、さらに天狗に特別な力を発揮する"眼"を持っていることがわかります。この"おじ"と現代の天狗たちがともに、伝説上の大天狗"Z氏"をめぐって攻防を展開していきます。

 幻想文学の空気とおなじものがあって好きなマンガです。

"大日本天狗党絵詞(エコトバ) 1"
黒田硫黄
講談社アフタヌーンKC
530円
Amazonアソシエイト

2006年5月22日

1日で通常の原発から出る1年分の放射能がたれ流されている

 坂本龍一さんのラジオ番組のPodcast(iPodやパソコンで聴ける音声ファイル。番組のおまけみたいなものです)を聴いていたら、「六ヶ所村核燃料再処理施設が試験稼働されている、ここからは1日で通常の原子力発電所から出る1年分の放射能がたれ流しされている」ということがいわれていて、それが本当だったらたいへんなことだとびっくりしました。

 Podcastの内容は、『六ヶ所村ラプソディー』というドキュメンタリー映画を撮った鎌仲監督のインタビューでした。
 六ヶ所村の核燃料再処理施設が3/31から試運転され、Wikipediaによれば「17ヶ月をかけて本物の使用済核燃料からプルトニウムを抽出し、施設の安全性および環境へ放出される放射性物質の量を確認する。430トンを処理して4トン前後のプルトニウムを抽出する予定」だそうです。
 この核燃料再処理施設は、放射性物質の含まれる気体と液体をそのまま大気と海に流します。これが問題点の1。
 2つめの問題点は、この施設がいま反対しようと思っても反対できない状況に置かれてしまっていること。
 3つめは、核燃料の再処理が不要であるという点。プルトニウムを抽出してもそれをつかって発電するシステムが存在しない(この計画にあわせて九州電力でプルサーマルの計画が実行されるようです)。
 そして4つめの問題点は、現在だけではなく未来へも問題をのこすような重要なできごとが、マスメディアによってまったく報道されず、国民に知らさせなかったことです。

 たしかに重要です。鎌仲監督の指摘はもっともだと思いました。

 坂本龍一さんのブログをみると、このことについての記事に六ヶ所村核燃料再処理施設についてのリンクがいくつかありました。

わからないこと
 原発からでる1年分の放射能がどれだけ危険なのか、これがわかりませんでした。坂本さんのブログのリンクからグリンピースの記事「資料 再処理工場からの放射能は1日で原発1年分」へ行くと「六ヶ所再処理工場事業許可申請書」からの引用とされる数値がのっていますが、単位はTBp/年です。Tはテラ(兆)で、Bpはベクレルだそうです。  単位については、「ぼくとはかるの夏休み(放射線を計ってみよう)」がわりとわかりやすいです。  ベクレルは放射線がどれだけでているかの単位なのですが、これだけでは、どれだけ危険なのかはじつはわかりません。人体へどう関係してくるかが物質によって異なるし、放射線の種類によっても影響が変わってくるからです。
もっと信頼が
 それから、グリンピースのサイトにある関連記事を読んでいて思ったのは、根拠をはっきりとさせないで非難しているところがあると思います。危機感ばかりを煽り、ふつうのひとはそれで納得もするのでしょうが、それでは実際の問題解決には役に立ちません。

 環境保護の活動をする団体・個人は、もっと信頼性を重視しないといけないと思います。この問題もかなり活動しているようですが、一般に知られていないのは、マスメディアのせいだけではなく、グリンピースなどの環境保護活動をしている団体が信頼を得られていない部分もあるはずです。もったいない。

2006年5月21日

狂乱家族日記 弐さつめ

Amazon.co.jp:狂乱家族日記弐さつめファミ通文庫: 本 伝説的な怪物"閻禍"のDNAを宿しているかもしれない者たちが家族となって生活する「なごやか家族作戦」は本日も進行中。
 今回は、新婚旅行というものがあることをしったネコミミ少女(粗暴)凶華が、家族そろっての新婚旅行を強行します。家族そろってといえば、サザエさん一家なら、ワカメちゃんの新婚旅行に全員ついて行くんじゃないかと思うんですよね。あれも狂乱家族なんじゃないかな。さて、この旅行も平穏にはいかず、飛行機は凶華のハイジャックごっこによって海に墜落、近くの島へとたどり着きます。ここでなにか異様な者たち(サザエさん一家ではない)に狙われることになります。
 今回は、ロボットじゃなくて人工生物の雹霞(うんか)の過去が語られます。

"狂乱家族日記 弐さつめ"
日日日
エンターブレイン(ファミ通文庫)
609円
Amazonアソシエイト

ピンク・パンサー

 きょうは「ピンク・パンサー」をみてきました。

 ベタなドタバタギャグを繰りひろげるフランスのおバカ刑事クルーゾー警部が主人公です。警部役にはスティーヴ・マーチン。おバカっぷりの演技はあきれるほどなのですが、見た目がにくめない感じなのでバランスがとれ、いいキャラクターに仕上がっています。ほかにはジャン・レノが警部の部下として、ビヨンセが殺された男の恋人として登場します。

 全体的にほのぼとして昔風の伝統的なコメディの雰囲気を持っています。いまのお笑いが好きだとちょっとテンポがのろく感じるかもしれません。

2006年5月20日

ジーンズの色

 ジーンズを新しく買いました。
下が新しいもの
 おなじメーカーのおなじ製品なのにくらべてみるとぜんぜん色がちがいました。そういえば古いのも最初は黒っぽい色だったよなーと買った当初のことを思いだしました。

2006年5月19日

ヘル・レイザー

hellraiser.jpg ホラー、ダークファンタジーの作家クライブ・バーカーが自ら監督をつとめてつくりあげた名作「ヘル・レイザー」です。

 寄木細工の四角いパズルボックスを開くと異世界から魔道士があらわれる。白い顔に縦横に切り込んだ線を引きその交点に釘を打った異形の魔道士が有名になりました。1988年に日本公開だそうですから、そろそろ30年くらい前の映画になってしまいます。特殊効果が古いために映像は、ちゃちさも感じさせるところがありますが、アイデアがよいことと、ストーリー展開のバランスがよく、いまでも充分に楽しめる作品です。

 DVDがずいぶん前から品切れになっているため、レンタル落ちのビデオをオークションで購入しました。再発売を心待ちにしています。
 ヘル・レイザーは、シリーズ化されていますが、これ以外はあまりよくありません。とくにストーリーが「あれあれあれ?」と思うほど平凡になっていきます。なお、オークションでヘル・レイザーの名まえで売っていてもシリーズの別作品だったりするので購入時にはよく注意しましょう。

2006年5月18日

ライトノベルのイラスト

 ライトノベルのイラスト(挿絵)は、絵として弱い気がします。
 吹き出しぬきのマンガの一コマのようで、不安定で、力に欠けています。その絵一枚だけとりだしたら、とてもひとりだちできそうもありません。 
 これはライトノベルという名称がでてくるまえからそういう傾向がありました。
 文章の引き立て役と考えるとこれは悪いことではないといえるのですが、ひかえめにしようという意識が強くて、絵が弱くなりすぎているんじゃないかと心配になります。
 絵自体はきれいだし、絵柄も現代の日本スタイルいえるものを完璧につくりあげていてよいものだと思います(オタクっぽくっtr嫌いというひともいるのでしょうが)。一枚の絵としても強く、かつ、挿絵としてもいい、というむずかしい条件をクリアできるまで育っていってほしいなと思います。

2006年5月17日

セクシーボイスアンドロボ 2

Amazon.co.jp:セクシーボイスアンドロボ 2 (2)BIC COMICS IKKI: 本 ひとに興味がありテレクラのサクラのバイトをしている中学生の女の子ニコは、街の顔役の老人から探偵のような仕事を依頼されるようになった——セクシーボイスアンドロボの2巻目。でも2巻目でずっと止まっちゃってます。

 たすけだそうとしたひとをたすけきれず、そのひとが始末されてしまう話が中心になっています。その死によって、裏の世界にたずさわっていることをあらためて実感し、世界をリセットしたりセーブしたところからやりなおせるぐらいの神さま級の超越的な力でもないかぎり、結末から逃れられず、手をだしたらもうそのひとの死に関係してしまう(原因のひとつになってしまう)部分にかかわっていることを痛感します。

 1話だけのストーリーでは、本のさいしょに入っている、青空理髪店(美容院)のお兄さんがでてくるお話が好きです。スクーターを椅子にして、さすがにミラーをお店のような鏡にはつかえないらしく、木の枝から鏡をつっている。ニコがこのお兄さんに恋心をいだいているんですね。常連のお客さんに「つきあってるの?」ってたしかめているところがかわいらしかった。
 あと、べつの話で気に入っているのはのは、年配の女性の話し相手をしにいくものがあるのですが、話し始めてちょっとしたところでニコがおばあさんに「わざと老人ぶっていません?」と訊く場面。外連味(けれんみ)あるセリフが、うまくアクセントになっています。

"セクシーボイスアンドロボ 2"
黒田硫黄
980円
Amazonアソシエイト

エリザベスタウン

Amazon.co.jp:エリザベスタウン: DVD スポーツシューズのデザイナーとして働いていた青年ドリュー(オーランド・ブルーム)は社運をかけた新製品のプロジェクトを大失敗させてしまう。会社を首になり、自殺でもしようかと考えるドリューのもとに父が死んだと知らせる電話がかかってくる。ドリューは故郷エリザベスタウンにむかった。

 シリアスな設定ですが、全体にコメディタッチで笑ってみられます。

 エリザベスタウンにむかう飛行機のなかで出会う、妙に人なつっこくて、おもしろいおしゃべりをつづける、変わったフライトアテンダントさんにキルスティン・ダンスト。なんやかやと関係していきます。彼女に完全にオーランド・ブルームはくわれちゃっています。ハンサムさんじゃなかったら影もなかったでしょう。よかったね、美形で。オーランド・ブルームが女性にリードされる男というキャラクターなので、しょうがないといえばしょうがないんですけど、これからもどんどんメインをはっていく俳優なんだからもっとがんばってほしかったです。

 エピソードがたくさんありすぎてちょっと飽きてくる時間帯もあるんですが、笑いどころははずしていないし、ロマンティックなシチュエーションも多く、たのしめる映画になっています。長く感じるところもDVDでちょこちょこ細切れに観るんだったら、それもちょうどいいかな、と思います。

"エリザベスタウン"
監督 キャメロン・クロウ
出演 オーランド・ブルーム、キルスティン・ダンスト ほか
4179円
Amazonアソシエイト

2006年5月16日

初夏の庭

 五月も中ごろとなるともう夏のはじまり。
niwa2.jpg
 さて、これが夏の花なんだかというと、さっぱり名まえもわからないのですが。
niwa1.jpg
 だんだんとこの庭はジャングルめいてきます。

2006年5月14日

映画の見方がわかる本

Amazon.co.jp:映画の見方がわかる本—『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで映画秘宝COLLECTION: 本 監督の意図、時代背景など、制作者の視点に立って映画を読み解いています。
 たしかに観る側が自由に観ていいものですが、町山さんはしかし個人的な思いこみや誤読からくる意味のない解説や評論を注意しています。個人的な感想ならいざしらず、そういったものが権威をもったりするのが世の常です。しかも、えてして難解なものになりがち。でも、いちいち制作者側の資料をさがしてまで映画を理解しようとすることなんてめんどくさくってやってられませんよね。そこで登場するのが町山さん、それは「映画に関する文章でメシを食うもの者の仕事です。試写室で観た映画の感想文を書いているだけじゃバチが当たります」。

 とりあげられる映画は「2001年宇宙の旅」「俺たちに明日はない」「卒業」「イージー・ライダー」「猿の惑星」「フレンチ・コネクション」「ダーティハリー」「時計仕掛けのオレンジ」「地獄の黙示録」「タクシードライバー」「ロッキー」「未知との遭遇」です。 

 難解といわれる「2001年宇宙の旅」が、もとは非常にシンプルにつくられていたのがまず意外なところ。冒頭に科学者や宗教家による10分ほどの話がありそれが映画の解説になっていて、ああ、これはさっきいっていたことだなとわかるようになっていて、また随所にナレーションがほどこされていたそうです。それを最後にばっさりと切り捨てたのは、"マジック"のため。モナリザがなぜ微笑んでいるのかをダヴィンチが書き添えていたら、あの作品はこんなに褒めたたえられていただろうか?とキューブリックは説明したそうです。

 また、個々の映画だけではなく、ここ半世紀のハリウッドの歴史もわかるようになっています。60年代当時ハリウッド映画は保守的で安心して楽しめる(楽しくないけどね)作品しかありませんでした。しかし時代はベトナム戦争、黒人デモを警察が暴力的に鎮圧、マリファナの流行。ハリウッドは現実に眼をそむけていたために凋落していきます。かわって、若手の素人同然の映画が観客の人気に支えられて台頭。世代交代を余儀なくされます。資本主義、キリスト教、戦争、人種差別、家族、親、大人にNOを突きつけたカウンターカルチャーの流れを受けたニューシネマの時代です。勧善懲悪めでたしめでたしのいつも通りの映画は終わり、アウトローや落ちこぼれが主人公になり、勝てるはずのないものに立ちむかっていくようになります。わかりやすい、あらかじめ答えがわかっているような映画ではなくなっていきます。答えをあたえてくれるものではなくなるのです。あれはいったいほんとうにそうなのかといっしょに確かめに連れまわします。どちらを選ぶ? あなたならどうする? と問いかけてきます。映画はここではじめて「作品」と呼ばれるものになりました。
 
 とてもわかりやすく書かれた、おもしろい映画本でした。

"映画の見方がわかる本—『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで映画秘宝COLLECTION"
町山智浩
洋泉社
1680円
Amazonアソシエイト

ナイロビの蜂

 きょうは「ナイロビの蜂」をみてきました。先週、ラジオで話題になっていたので脇目もふらずこれにしました。

 主人公は英国外交官のジャスティン・クエイル(レイフ・ファインズ)とその妻テッサ(レイチェル・ワイズ)。テッサの死から物語ははじまり、その現在と、ここまでのふたりの過去がフラッシュバックしながら同時進行していきます。
 ふたりのなれそめはちょっと奇妙でテッサはいわゆる"活動家"で出会いはなにかの発表会で講演するジャスティンを質問の時間に徹底的に非難するところから。ジャスティンはもともとおとなしくて冷静、テッサは情熱的。ジャスティンを非難したあと、感情の爆発がおさまるとジャスティンの紳士的な態度に好感をいだいたのかすぐに仲良くなります。ジャスティンがアフリカのケニア(首都ナイロビ)に移ることになるとアフリカにつれていってとたのむことになります。ジャスティンはうれしいんだけど、外務省の関係者ではないテッサをつれていくことはできないのでとまどいます。テッサはジャスティンの奥さんになる〜、と、もうマンガのように一直線です。
 ナイロビでは、テッサは慈善活動に従事。現地で活動する医師アーノルドとつねに活動をともにしており、ジャスティンは疑いはしないものの内心どこかに隠しきれない疑念をいだいています。やがてテッサはなにかの企みを嗅ぎつけ、その解明に熱中。それは映画頭の死へとつながります。
 ジャスティンはテッサがしていたことを追いかけ、真実をつきとめることになります。

 ジャスティンとテッサはおたがいに踏み込まない領域をつくっていてどこか他人行儀なところがあった夫婦でした。ジャスティンはテッサの死の直後にはやはり彼女は浮気をしていたんじゃないかという思いを強めました。しかしテッサがしていたことを調べていくうちにだんだんと彼女が自分のことをどれだけ愛してくれていたかを知るようになります。

 それまでうまく見えていなかった愛情を知るストーリーと同時に進行していくのは、きわめて緊迫感の高いサスペンスです。そのハラハラドキドキは一級品です。そこで起こっている陰謀もリアリティがあります。ボディのある映画です。
 こんなにラブストーリーとサスペンスがみごとに融合した作品は見たことがありません。超おすすめです。

2006年5月13日

〈天才〉を批評しよう

 映画でも本でもスポーツでもなんでも、そういうものになにかいうとき、「天才」っていう言葉をつかって判断するのを終わりにしちゃっているケースがよくあります。
 "天才だ!"、"これぞ天才!"、"さすが天才"、"天才を前にして言葉がでなくなった"などなど。
 いやいや、そこでやめちゃだめでしょう。
 素人が気軽にブログでちょろっと感想を書くのならそれでもいいんだけど、プロが金をとってやる仕事でそれはないでしょう。

 その天才で、なにをしたのか、なにをつくりあげたのか、それがどれだけすばらしいものであるか、語るべきことはまだたくさんあるはずです。
 その天才が好きであるなら、なおさらそういうことを書く苦労はなんでもないはず。

 天才は凡人には理解できない、という常套句もあるけど、理解できないんじゃなくて判断をやめちゃってるだけです。そんなのは手抜きの愛情です。天才をだしにしている寄生虫です。

パンダ虫

panda-mushi1.jpg
 「モリゾーとキッコロ」のキャラクターデザインでおなじみのアランジアロンゾのオリジナルグッズ、「パンダ虫」。
panda-mushi2.jpg
 枕みたいだけどたぶんクッション。
panda-mushi3.jpg
 だいぶ前に買ったもので未開封ですがそろそろ開けるつもり。

 やっぱりどうも江戸川乱歩の「芋虫」を連想してしまいます。

2006年5月11日

bk1

 bk1(ビーケーワン)というオンライン書店があります。
 →http://www.bk1.co.jp/
 商品のページに直接トラックバックが張れるんで、これはけっこうおもしろいかなーと思っています。書評ブログさんにはおすすめじゃないでしょうか。
 「ブリーダー」とよばれるアマゾンアフリエイトと同様のシステムもあります。ここは自分でリンクを踏んでもポイントをくれるんですよ。

 自分は、アマゾンの画像やアフリエイトのリンクがある記事からトラックバックしてもいいのか問い合わせ中。
 商品情報や書評のない本の紹介を書いたらトラックバック張ろうかなと考えています。

 また、問い合わせっていうのはオンラインショップの質を知るのにいちばんいい方法です。ちゃんとした答えが返ってこないところはかならずあなたとの間でトラブルが起こります。ネット通販の第一歩は問い合わせからです。はじめてのところはなんでもいいから質問をしてみましょう。

付記
 13日にお返事いただきました。

お問い合わせの件でございますが、
弊社サイトにトラックバックを送信していただいたブログに
他社アフィリエイトのリンク・画像がございましても問題はございません。
どうぞご安心くださいませ。

 ぜんぜん問題なしーということです。
 みなさまもトラックバックしてくださいませ。本を買うときの参考にしますので。

2006年5月10日

セクシーボイスアンドロボ 1

Amazon.co.jp:セクシーボイスアンドロボ1BIC COMICS IKKI: 本 中学生の女の子ニコはテレクラのサクラのバイトをしている。男を呼びだして喫茶店から待ちぼうけをくらっている男のようすを観察しているところを、近くの席にいた老人に疑問に思われる。ニコは人間観察が趣味なのだといい、将来、スパイか占い師になりたいと答えた。老人は若いころからずっと街の顔役でいまでもたくさんの相談事をもちこまれており、そのいくつかをニコに仕事として依頼するようになる。

 探偵もののストーリー展開をします。話の組み立てがとにかくうまく、ニコがこんな探偵みたいなことをするようになるところからちゃんと組み立てます。いまだとふつう最初から少女探偵だったりするじゃないですか。うむをいわさず。古い昭和の、探偵とか悪漢が登場するような映画のテイストを好み、その味つけがここにあるようでない幻想的な風景をつくりあげます。とりあげる題材が現代的なので、ノスタルジックなものとはまたちょっとちがっています。

"セクシーボイスアンドロボ 1"
黒田硫黄
小学館
980円
Amazonアソシエイト

2006年5月 9日

韓国のメディア統制

 最近ネットでは、日本のことにとりとめもなく文句をつける韓国メディアに、やたらヒートアップして噛みつくようになってきたけど、いまの韓国メディアは政府を批判していたところがすべて現政権によってつぶされて事実上のメディア統制が確立していることを知らないんだろうか?
 知っててからかっているのかな? そうだとすると不満を反日にぶつけている韓国人とやってることはかわらないと思う。表にでるものだけでは韓国人の実際は読み切れない。

2006年5月 7日

狂乱家族日記 壱さつめ

Amazon.co.jp:狂乱家族日記壱さつめファミ通文庫: 本 「狂乱家族日記壱さつめ」題名をみて思ったのは「さつめ」ってなんだろう、表紙の女の子の名まえかなー、でした。そう思っているうちに「狂乱家族日記弐さつめ」「 狂乱家族日記参さつめ」「狂乱家族日記四さつめ」と発売されていきました。そのたびに「さつめ」ってなんだろうと思いつづけていたのですが、ついに、やっと、「さつめ」の意味がわかったのでした。「冊目」。「壱冊目」「弐冊目」「参冊目」「四冊目」だったのです。わー、やっとわかったー。その日「狂乱家族日記壱さつめ」を買いました。

 さてこの物語は、閻禍(えんか)とよばれる神か悪魔か邪悪の化身がひとの手によってようやく滅ぼされようとするそのときに未来にむけてのこした子供ではないかと思われる者たちがひとつに集められ家族となって生活するようすを描いています。
 かれらは、ロボット?、おかま、ネコ耳少女と外見もそれぞれなら生まれ育ちもそれぞれ、でもやっぱり世界に深い恨みを持つ閻禍の血をひいているのかもしれないものたち、そんなにみんな幸せではありませんでした。荒唐無稽なドタバタストーリーであるにもかかわらず、ぎしぎしとしたほんとうに深い悲しみを描いているところがすごいですね。

"狂乱家族日記 壱さつめ"
日日日
エンターブレイン(ファミ通文庫)
672円
Amazonアソシエイト

13F

Amazon.co.jp:13F コレクターズ・エディション: DVD ホールは、社長とともにコンピュータで1937年のロサンゼルスの仮想空間を構築していたが、ある日、社長が何者かに殺されれてしまう。しかも、自分の部屋には血のついたシャツが捨てられていた。しかし、自分には殺人を犯した記憶はなく、動機すらなかった。調べていくと、殺された社長は仮想空間のなかへ入り、"ここ"と"むこう"との二重生活をおこなっていたことがわかる。ホールは事件の真相を追うため仮想空間へ入り込む。

 同時期に、おなじ仮想空間をあつかった「マトリックス」が公開され、完全にうもれてしまったらしいです。

 謎解きものということで、やはり、いまいる現実も、もしかして仮想なんじゃない? という入れ子構造の展開を思いうかべてしまいます。この映画は、しかし、そこからラストの勝負にでています。

 うーん、オチはやはり2段、必要なのかな。
 それから、アイデアだけじゃなくそこにほかの要素も盛り込んで描いていかないと、展開がばれたらそれでおしまい、薄っぺらい映画になってしまいますね。頭(アイデア)だけじゃなく肚(はら)で書く。アイデアは他人と共有(交換)できるけど、肚(はら)は個人のものでゆずってもゆずられてもどうにもならないものだから、アイデアばかり語られてしまいますが。しかも、肚(はら)だけだとたいくつな作品(=芸術的?文芸的?)になってしまうから、なかなかたいへんです。

"13F"
監督 ジョゼフ・ラズナック
出演 クレイグ・ビアーコ、 グレッチェン・モル ほか
1481円
Amazonアソシエイト

2006年5月 5日

映画Myトップ10で自己紹介できるかな?

 映画評論家の淀川長治さんがインタビューで「政治家が月に三本映画観て、ベスト・テン発表してくれたら、その人はどんな人かということが僕、よくわかるな。そんなことをして欲しいね。天皇陛下もして欲しいね」といっていました(後藤繁雄編『独特老人』筑摩書房)。
 そういうのはあるでしょうね。映画好きなら、ブログにどんな映画がならんでいるかをみれば、どういうひとか一発でわかるでしょう。

 じゃあ、つくってみよう。トップ10の候補を選ぶだけでもたのしそうです。好きな映画をもう一回観て、ついでにレビューもしよう。うん、いい目的ができました。

 こういう、好きなのを順に選ぶのって、いちばん最初に選んだのは、こんなふうに観られたいという見栄がでるとかよくいいますよね。下の順位に本性がでるって。
 そういうのをしっていて、トップにわざとべつな映画をおいても、見るひとには姑息さが透けて見えたりするんですよね。素直に一位は見栄をはっちゃったほうがいい。隠せてると思っているのはいつも当人だけです。

日本古典文学幻想コレクション1 奇談

Amazon.co.jp:奇談日本古典文学幻想コレクション: 本 日本の古典の中から、実際にそれがあったかはともかく、こんなことがありましたよと語られている不思議なできこと、怪しいできごとが収められています。この奇談、須永さんのあとがきによれば、中国の文芸用語でいうところの「志怪」に近く、これより虚構の色合いが濃くなると「伝奇」となるそうです。

 漢文に仮名をおぎなって読みやすくするのを書き下しといいますが、須永さんの訳も、その書き下しに近いやり方で、原文を現代語でおぎなう形をとっています。また、もともとが仏教説話なので説教臭い部分は大幅に省いて、物語中心の訳にしています。

 今昔物語集の一角仙人の話を訳の例にあげます。原文は、京都大学電子図書館のものです。

一角仙人、被負女人、従山来王城語第四

其ノ時ニ、諸ノ龍王、喜ビヲ成シテ水瓶ヲ[クヱ]破テ空ニ昇ヌ。昇ヤ遅キト虚空陰リ塞ガリテ雷電霹靂シテ大雨降ヌ。女、立隠ルベキ方無ケレドモ還ルベキ様無ケレバ、怖シ乍ラ日来ヲ経ル程ニ、聖人、此ノ女ニ心深ク染ニケリ。

須永朝彦訳(p.27-28)
その時、諸々もろもろの竜王達は喜び勇んで水瓶を蹴破り、空に昇った。忽ちにして虚空は暗雲にとざされ、稲妻が閃き雷鳴が轟く中、豪雨が降り注いだ。女は、目的は達したものの、立ち隠れる所もなく、また還るべき手だてもないので、怖いと思いつつも仙人のもととどまらざるを得なかった。仙人は、この女に心から惚れてしまった。

 須永さんの文章はリズムがとてもよくって漢字が多くても読みやすいんですよね。この文章を体得できたらなどと大それたことを考えたりするんだけど、そううまくはいきません。

"日本古典文学幻想コレクション1 奇談"
須永朝彦 編訳
国書刊行会
2854円
Amazonアソシエイト

ユダの福音書を追え

Amazon.co.jp:ユダの福音書を追え: 本 ユダの福音書の内容自体にはほとんどふれていないので注意しましょう。内容については6月に発売される「原典 ユダの福音書」を買いましょう。それでもちょっとでも内容を知りたい場合は、この本の後ろのほうにある章でふれられているので、そこだけを立ち読みするといいでしょう。

 本書は、ユダの福音書を含むパピルス製の写本の発見から復元まで紆余曲折を描いたものです。復元についても、あっさりとした記述で終わっており、1970年に発見されてから内容が発表されるいままでこれだけ時間がかかったのはキリスト教教会がじゃましたわけじゃないんだよというのを知らせたい意図があるのではないかとも思われます。

 古美術商についてのくわしく書いてあるのでファンタジーや冒険ものの創作をするひとにはいいヒントになると思います。

 ユダの福音書については後日「「原典 ユダの福音書」」を読んでから書きますね。

"ユダの福音書を追え"
ハーバート・クロスニー
日経ナショナル ジオグラフィック社
1995円
Amazonアソシエイト

アンダーワールド:エボリューション

 吸血鬼と人狼の宿命の対決が繰りひろげられる、と思わせつつ、吸血鬼の一族の不正と権力闘争を描いた「アンダーワールド」の続編をみてきました。
 前作が、導入部はかっこいいものの本筋のストーリーがもりあがらずがっかりした記憶があったので、見るのを迷っていたのですが、今回はなかなかよかったです。

 いちおうつづきものですが、前作にはなかった新事実があきらかになりそれに基づいてストーリーが展開しはじめるので、これから見始めてもだいじょうぶです。前作見ていても、オープニングは、なにがなんだかわりません。
 でも、前作のあらすじを書いておきますね(ねたばれ)。

続きを読む "アンダーワールド:エボリューション"

2006年5月 3日

ドメイン取りました。

 このサイトが借りているロリポさんとおなじ会社がやっているムームードメインでshimakuma.comのドメインを取得しました。
 年額808円とおこづかいレベルの値段だったので、遊び感覚で取りました。

 サーバーレンタルの更新手続きを忘れ、サイトを消失しそうになるというミスをくりかえしているので、万が一サイトがなくなってしまったとき、のまますぐにもとの場所を借りられることができなくて、ほかのアドレスになってしまっても、おなじshimakuma.comで接続できるのが利点です。

 これまで通り、panda.strippier.jpもそのままつかえます。

 ドメインってもっと高いものだと思ってましたが、こんなに安かったんですね。800円ぐらいだったら出せるってひとは取ってみるのもいいかも。ただし、サイトを置いているところが独自ドメインに対応していなければそこでは利用できないので注意しましょう。

2006年5月 2日

毎日かあさん3 背脂編

Amazon.co.jp:毎日かあさん3 背脂編: 本 毎日かあさん第3巻発売。
 どちらかといえば、というより、まちがいなく、バカ組の男の子だった自分。引っ込み思案だったので、バカ炸裂の度合いが低かったんだけれども、してればよかったといまでは思います。

 なんもしていないのに白い目でみられるコンビニ前ですわっている中高生の男子。おっきくなっちゃうと家にはいられないし、かといってお金はないし、女の子はおしゃれになって口もきいてもらえない。少ないおこづかいでなんか食べるんだったらみんなで食べっこしたい。食べるときは座りたいわけじゃないと、かれらの気持ちがわかる西原センセー。
 やっぱ、信用しちゃうわけだ。

"毎日かあさん3 背脂編"
西原理恵子
毎日新聞社
880円
Amazonアソシエイト

2006年5月 1日

イーオン・フラックス オリジナル・アニメーション

Amazon.co.jp:イーオン・フラックス オリジナル・アニメーション コンプリートBOX: DVD 映画化された「イーオン・フラックス」の原作アニメです。映画はアニメのアイデアと人物設定の一部を借りた別物でした。映画もそれなりにできのよいSFでしたが、このアニメのファンのひとがみたら味わいがまったくことなるのでけなすしかないでしょう。

 イーオン・フラックスはモニカという国の特殊工作員で、ブレーニャ国を支配する独裁者トレヴァーの計画を妨害します。絵柄はいかにも外国人ぽいアメコミ風のもの。あまりうまいとはいえないが挑戦的なアングル・うごきが描かれています。シリーズは10作品で、4作目あたりから急激におもしろくなります。SFっぽい舞台設定で、幻想的な世界をつくりあげ、詩的な感慨が胸に生じるようになります。エヴァンゲリオンとか押井守作品とか好きなひとならはまる可能性大です。

 とくに印象にのこったのは、5作目の「浄化」。細長い針金のような骨組みの人型の機械を人体に入れて人格を矯正するプログラムをめぐるお話で、こいつの出し入れ、そして自分にも入っているんじゃないかという不安が、シュールに語られます。

 特典ディスクのパイロット版とショートフィルムもかなりすごいのでお見逃しなく(わたしが特典をほとんどみないタイプなので同類さんにいちおう注意)。

"イーオン・フラックス オリジナル・アニメーション コンプリートBOX"
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
7140円
Amazonアソシエイト