ゴースト・ドッグ
武士道を論じた"葉隠"の翻訳を愛読し、サムライとして生きようとする凄腕の殺し屋"ゴースト・ドッグ"。自分の命を救ってくれたマフィアの幹部ルーイを主(あるじ)とし、ルーイのために仕事をしていた。ルーイのファミリーのボスの娘に手をだした幹部を殺すが、それは"ゴースト・ドッグ"とルーイの命を危うくする。
日本映画が好きで、サムライの映画を撮りたかったというのが、この映画を製作するきっかけになったようです。日本でも武士道精神などなくなっており、アメリカでも義理堅さはもうずっとまえから古くなっている。その感覚を、すっかり時代に取りのこされた人間として"ゴースト・ドッグ"とルーイを描くことによって表現しています。("葉隠"も江戸時代中期にできあがっていて、サラリーマン化というか完全に組織に組み込まれもはやサムライではない武士のための精神論であったり、英訳されたものが日本に逆輸入されてもてはやされ、旧日本軍の精神論に組み込まれたりと、事情が複雑だったりもします)。
クールに抑えたテンポで物語は進みます。殺しのストーリーなのですが、マフィアの幹部連中がふざけてるんだかまじめなんだかわからないやりとりをしていて笑えたり、公園で出会うちょっと生意気なことをいう少女と友だちになり、その公園にいるアイスクリーム屋が親友というのですが、こちらは英語だけむこうはフランス語だけとたがいに相手のしゃべってる言葉がぜんぜんわからないままに会話していたりとユーモラスで、なごむシーンが随所に盛りこまれていて、全体として殺伐としたイメージは感じられません。
映画トップ10をつくるならぜひ入れたい作品。



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