ロッキード事件「葬られた真実」
事件解明に努めたはずの国会および検察によって隠されてしまったこと。当時、国会職員で衆議院議長の秘書だった著者による"舞台裏"で起こっていたできごとと、現在になってようやくわかってきた事実によるロッキード事件の総括。
ロッキード事件の真相解明につとめたといわれる当時の首相、三木武夫も、事件の真相よりも、関わった政治家の名まえを表に出すことを求めていた、つまり、事件の追及は権力闘争のカードであったようです。それをめぐって検察との"正義の味方"にどちらがなるかの競争がおこなわれ、検察も法を犯して田中角栄の首を狙いにいきます。野党の動きも真相究明からはほど遠く、へたな自己アピールにしかなりませんでした。
田中角栄の収賄は、この事件のほんの一部でしかなく、政界の黒幕、フィクサーと称された児玉誉士夫ルートは解明されることなく終わりました。田中角栄の収賄は5億、全日空への旅客機の売り込み30億円分が解明されましたが、疑惑の民間航空機導入の総額は800億円、児玉誉士夫へのロッキード社からの金銭授受21億円、まったく解明されなかった自衛隊へのロッキード社の対潜哨戒機P3Cの導入3000億円は闇に葬られることになりました。
田中角栄だけに焦点をしぼりこませ、逮捕で一件落着、幕を引いてしまいました。
助かった政治家が何人もいるでしょう。
また児玉誉士夫はCIAのエージェントであったことも知られています。米国の工作が行われていたわけです。
スケープゴートにされた田中角栄はこれを恨みに政治を裏から操る「闇将軍」となっていきます。
このロッキード事件の真相解明の顛末が、政治家が罪を逃れ、検察の捜査が政治権力によって左右される悪い前例となって、いまに至っていると、著者の平野貞夫さんは指摘しています。リクルート事件、ライブドア事件、村上ファンド事件などがそうです。政治家や上級官僚はのうのうとしています。
平野貞夫さんのブログ記事
→第22回『ロッキード事件 葬られた真実』の刊行について
→第24回「ロッキード事件の総括をすべきだ」



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