バロウズの妻
のちに作家となりその時代と後世に多大な影響を残したウィリアム・S・バロウズ。彼が妻を射殺したエピソードを題材に、バロウズ自身とその友人たちのミューズとなったバロウズの妻、ジョーンを描いた作品です。
この射殺事件は、バロウズを語るときにかならずとりあげられるエピソードで、ウィリアム・テルごっこをしていての事故、つまり妻ジョーンの頭のうえにグラスをのせそれを狙って撃ったのが誤って当たってしまったといわれています。それが本当に事故なのかそれとも故意なのかが話のネタによくなるわけです。
この映画が愛を描いた物語だけだとするとやや退屈です。とりたてて強いメッセージやテーマもなく、ほかに求心力のある要素がありません。ただ人物が描かれ、彼らの日々を送るだけです。
でも、監督の強い愛情が映画を成り立たせます。彼が愛してやまなかった作家・詩人たちの物語です。
映画が記憶になり、ラストで表示されるバロウズたちの実際の文章を眼にしたとき、ぞくっとさせられることになります。



コメントする