2006年10月29日

父親たちの星条旗

 昨日、「父親たちの星条旗」をみました。

 硫黄島での戦いを、アメリカの青年たちの視点から描いた作品です。日本側からの視点で描いた「硫黄島からの手紙」は12/9から公開されます。

 何人かの兵士が岩山に星条旗を立てようとしている一枚の写真が、アメリカ国内で注目を浴び、政府は戦費を稼ぐための手段として、旗を立てていた兵士たちを国家の英雄として帰国させ、国債を買わせるためのキャンペーンのスターとして利用します。

 星条旗を立てにいく最初のシーンがアメリカ国内でのショーであったり、衛生兵が傷の手当てをしているところに日本兵が急襲してきて、衛生兵はそれを倒し、手当を受けているアメリカ兵のすぐ横で、倒された日本兵が助けを求めながら死んでいく場面があったりと、映画の序盤から、戦争には裏表があるということが表明されます。

 国家の英雄にされ、戦費獲得のキャンペーンを回っていく青年たちの姿と、彼らが体験した硫黄島での戦いが並行して語られていきます。

 戦闘は、アメリカ軍の圧倒的有利で行われました(Wikipedia:硫黄島の戦い、Googleマップ:硫黄島)。空も海もアメリカ軍が支配しています。しかし、日本も、地下道を掘り、コンクリートで地面を厚く覆い、島全体を要塞(ようさい)化していました。戦闘は地獄の様相をみせます。

 戦闘場面はすごいです。アメリカの艦船が居ならび、海を進んでいる場面からもう今までになかった映像です。アメリカ軍の上陸後の戦闘はまさに地獄絵。戦闘場面は、映画全体の、1/3とか1/4ぐらいしかないと思いますが、もし全編が戦闘の映画だったら、たぶん見ているこっちの神経がやられてしまうと思うぐらいのすさまじさです。

 現在、過去、過去でもいくつかの筋が代わる代わる入ってくる構成になっているし、登場人物が多いため、顔と名まえが覚えられないと、たぶんよくわからない、全体の話はわかっても、こまかい場面場面がよくわからなくなってしまう可能性が高いです。見る前にパンフレットを読んでおくのがいいかもしれません。

 クリント・イーストウッドは、物事に裏表があるがわかっている世代の映画監督ですよね。善と悪で描いていてもしょうがないのをよく知っている。昔だったら、きれいな表舞台に隠された裏側を暴きたてればよかったのですが、今のひとたちは、そんなことはもうとっくにわかっているから、かえって、しらけてしまう。裏側の悪に怒りは感じるけれども、あきらめてもいる。けれど、それでも、そんな中にも、なにかをする自分がいて、情熱を注ぐことを望んで、生きている。そんな人々をイーストウッドは映画にしているんだと思います。

 日本編もたのしみです。

2006年10月28日

フィツカラルド

Amazon.co.jp: フィツカラルド: DVD: ヴェルナー・ヘルツォーク,クラウス・キンスキー,クラウディア・カルディナーレ 19世紀末、植民地の時代。アマゾンの入植者フィッツジェラルドは自分の住むアマゾン奥地の町にオペラの劇場をつくり、本場イタリアのオペラを呼ぶことを夢見ている。そのための資金を稼ぐために、ゴムの農場を持つことにした。川の上流にまだ手がつけられていないゴムの木の密生地があった。川の途中に"ポンゴの瀬"とよばれる急流の難所があって、船が通れなかったのだ。フィッツジェラルドは、その川にべつの川が近づいている場所を地図に見つけた。そこを越えさせればいい! 数100トンある船に山を越えさせる前代未聞の計画が実行に移された。

 強烈な情熱を形にした映画です。撮影そのものも難航し、狂気にも近い情熱が最後にはこの映画を完成させる力となっています。

 主役フィッツジェラルドを演じるクラウス・キンスキーは顔が怖くって、しかし笑顔に魅力があって子供っぽさも感じさせ、ぴったり役にはまっています。3人目の主役ということだけれど、それまでは誰にするつもりだったんでしょう?

 オペラは、主人公のモチベーションですが、最初はそれだけのことで、物語の組み立てとしてはべつの物にも変えられるような要素にすぎませんでしたが、事をなした後、物語の終盤では、もはやなくてはならないものになります。オペラの荘厳な色と一体になります。神話的であり、グロテスクでもあり、とても魅力があります。とり憑かれます。

"フィツカラルド"
監督 ヴェルナー・ヘルツォーク
出演 クラウス・キンスキー、クラウディア・カルディナーレ、ホセ・レーゴイ、ミゲル・アンヘル・フェンテス、パウル・ヒットシェル、ウェレケケ・エンリケ・ボボルケス ほか
- 円

統一教会の生みの親

 10/16のNHK梨元放送協会「安倍政権の闇と民主党のグズグズ」で、統一教会の始まりについての話がありました(18分57秒あたりから)。

 いまはあんなんなっちゃってますが、もともとは、朝鮮戦争の後、共産化の拡大を防ぎたいアメリカがキリスト教をもとに資本主義思想を植えつけていこうとして作ったものだそうです。

 なるほどね。だから政治家や評論家との関係があるんですね。

 植民地政策でも、心の支配のために、キリスト教の布教がつかわれていたけれど現代でも変わらずということですね。

2006年10月26日

日本怪談大全 第2巻 幽霊の館

Amazon.co.jp: 幽霊の館: 本: 田中 貢太郎 日本怪談大全として復刊されるまえのこの作品集のタイトルは「日本怪談全集」だそうで、自分の作品集に「怪談全集」と名前をつけるというのは、やはり執筆活動のほとんどの期間を怪談に注いできた自負のあらわれなのでしょう。

 この第2巻には、幽霊の館として39作品、水妖の館として6作品、山妖の館として3作品、交通怪談の館として6作品がおさめられています。

 ざっと作品紹介してみると、古典的怪談を題材にした「牡丹灯籠 牡丹燈記」「四谷怪談」「皿屋敷」「累物語」がこの巻に入っています。

 地方の伝説をもとにした「八人みさきの話」は、田中貢太郎の故郷、高知に伝わる"七人御先(みさき)"の伝説のおおもとの事件です。よくわからぬ原因でおこった病気や死亡を"七人御先に往き逢うたから"とその怨念のせいにしていたのだそうです。伝奇物のマンガの題材になったこともあります。御先というのは首のことです。豊臣秀吉の時代、この地方の領主、長宗我部元親の世継ぎをめぐって元親に注意をした家臣たちが、元親に気に入らねえとぶっ殺され、その怨霊が祟って、死ぬは狂うはの大騒ぎとなります。

 まんが日本昔ばなしみたいな風合いがあるのが「ある神主の話」。漁師の男が素性のわからぬふしぎな男と飲み友だちになります。この漁師があんまり物事に頓着しないタイプなので、気にせずつきあってきたのですが、ある日、酔った拍子に、そのふしぎな男が自分の正体を話します。人間じゃない、と。そして、俺は人間になりたいんだ、ともいいます。漁師が、どうやって、と訊くと、通りがかった旅人を水に引き込んで体をもらう、と怖いことをいいはじめます。それなりにハッピーエンドには行き着きますが、ちょこちょこ残酷が顔をだすのが昔話っぽいんです。
 
 精神にぐらぐらっとくる上質のモダンホラーが「黄燈」「藍瓶」「雀が森の怪異」「萌黄色の茎」などの諸作品。静かな狂気がもりこまれ、幻想文学の味わいがあります。1巻目からそうでしたが、この系列の作品は強烈です。
 モダンホラーだけを集めて一冊にしたいなあ。

"日本怪談大全 第2巻 幽霊の館"
田中貢太郎
国書刊行会
2447円
Amazonアソシエイト
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2006年10月23日

代車で

 車検で、代車として日産のサニーを借りました。
 帰り道、信号待ちで停まっていると、この代車のエンジン音がゴポゴポと妙な音を立て始めました。スタートするとエンジン音はもとにもどったので、たまたまかなと思っていると、つぎの信号でもゴポゴポ。
 何度目かの信号待ちで、青に変わり、スタートした瞬間、あれ? ……動かない。……エンジン止まっちゃいました。エンストだ。オートマなのに……。
 わー、エンジンかかんねー、かかんねーと、あわててキーを回すもうんともすんともいいません。ハザードだして停止。後ろの車がクラクション鳴らさないでくれただけありがいことです。さてさてどうしたものかと思案。あ、レバーをPに入れるの忘れてた。オートマなんてひさしぶりだったし、オートマでエンストなんてしたことがなかったから、すっかり忘れていましたが、オートマ車はPにレバーを入れないとキーを回してもエンジンがかからないんです(かかるところまで回らない)。
 さて、再始動。(かかったよー)。

 まあ、しかし、どうしたもんかねー、こいつは。
 交換してもらえばいいんだけど、まだ、そのまま乗ってます。
 整備・修理の見積もりの電話もらったら言おうと思ってたけど、すっかりわすれて、見積もりのチェックだけで電話を終わらせちゃったし。
 今日も、仕事終わりに乗っていたら、信号待ちでゴポゴポいいはじめました。エンストまでは至らず。家に車を停めるとき、バックしていたら、エンジン止まっちゃったけど。

 マニュアルだったら、初心者のとき、エンストの経験値いっぱい稼いだから、あわてずさわがず再スタートできるけど、オートマはなんだかドキドキです。オートマ車がエンストすることがすでに異常だからか。

 このままなんとかやりすごして、なにもいわずに返却、つぎのひとにわたしてしまったら、自分は悪魔でしょうか?

2006年10月22日

16ブロック

 「16ブロック」をみてきましたが、これはいいですねえ。おもしろい。

 もう、ただいるだけのようなへっぽこ刑事(ブルース・ウィルス)が裁判所へ囚人を護送する仕事をたのまれる。かんたんな仕事のはずが、囚人を消そうとする謎の男たちがあらわれ、事態は最悪の方向へ進んでいきます。

 その囚人は、警察の汚職に絡んだ事件の証人だったので、同僚の刑事たちから追跡を受け命を狙われます。

 人混みと渋滞している車。舞台となるニューヨークの雑踏のできばえがとてもすばらしいです。そういうごっちゃりした場所でのアクション、カーチェイスは迫力満点です。

 主人公のかつての相棒で、いまは敵方のリーダーである刑事(デヴィッド・モース)が渋くてかっこいい。
 囚人役にはモス・デフ。おしゃべりで、おもしろく、ここまではだめだったけどこれからはちがうぞと、まだまだ希望に充ちている男を演じます。

 ストーリーがよく練られていて、これはバッドエンドしかないかというところから起死回生を狙ってきますし、追々あきらかになっていく人物同士の関係が、展開のおもしろみだけではなく人物描写に深みをあたえてくれています。シリアスに収斂していくドラマは、かなり日本人好みだと思います。もっと宣伝すれば、ロングランを狙える作品です。
 おすすめです。なにかないかと思っていて、これがやっていたら、迷わず選びましょう。

2006年10月20日

蜷川実花カレンダー2007

ninaamika_calendar2007.jpg
 オフィシャルサイトのオンラインショップで注文した実花さんの来年のカレンダーが届きました。
 毎月の写真はこんな感じ(オンラインショップにもっときれいな画像がアップされています)。サイズも2006年のものといっしょ。大判のものもだしてほしいですね。

ninaamika_calendar2007_omak.jpg
 おまけとして、実花監督の映画のちらし、蜷川組の千社札タイプのシール、撮るのをわすれたけど携帯サイトのポストカードがついてきました。(つねについてくるのかどうかは不明です)。

2006年10月19日

いつかギラギラする日

Amazon.co.jp: いつかギラギラする日: DVD: 深作欣二,萩原健一,木村一八,荻野目慶子,多岐川裕美,石橋蓮司,八名信夫,安岡力也,原田芳雄,千葉真一 過去に数々の銀行強盗を成功させてきた神崎(萩原健一)、井村(石橋蓮司)、柴(千葉真一)の三人が、柴の誘いでひさしぶりに仕事をすることになった。ネタの提供は、柴の若い恋人麻衣(荻野目慶子)の知り合いで角町(木村一八)という男。金を奪うことには成功したが、二億円入っているはずのジュラルミンケースには五千万しか入っていなかった。角町は銃を乱射。井村は殺され、柴は重傷を負った。神崎は奪われた金をとりもどす行動にでる。

 萩原健一演じる神崎のかっこよさ。とにかく強い。そしてクール。金を奪って逃げた角町はディスコ(というかライブハウス)を開くための資金が必要で先にヤクザから金を借りています。それを知った神崎はヤクザの事務所に怒鳴りこむ。このヤクザが、神崎にやられっぱなし。まだ角町が金を返しにきていなかったのを知ると、あの五千万は俺の金だ、と言いすてて退場。かっこよすぎです。
 ここからこのヤクザも金をめぐる戦いにかかわってきます。原田芳雄が殺し屋として登場。脇役なんですが、別格の存在感を示します。

 ダサいと思う場面もちょこちょこあるんですが、全体の流れがいいんで、しらけることなく見ていけます。

 この映画は元気がでます。自分は栄養剤にしています。
 今回ひさしぶりにDVDをひっぱりだしてきて、最初は何回かにわけて見るつもりでいたんですが、始まったら最後までそのまま見つづけてしまいました。

"いつかギラギラする日"
監督 深作欣治
出演 萩原健一、木村一八、荻野目慶子、多岐川裕美、原田芳雄、樹木希林、石橋蓮司、千葉真一 ほか
3990円
Amazonアソシエイト

2006年10月18日

2chで学ぶ民主主義

 ディズニーのスキャンダル記事をのせたブログが、ディズニーの圧力でつぶされたという話がこのあいだ一斉にひろまりました。そのブログは一時はたしかに閲覧できませんでしたが、いまはふつうに見ることができます。ただの噂だったのか、それともブログのサービスを提供しているライブドアがディズニーに文句をいわれてあわてて該当のブログを閉鎖したが、反響がものすごかったので、またあわてて再開したのか、実際どうだったのかわかりません。

 2chは煽動を受けやすく、大勢が一斉に同じ方向へ動くことが多々見られます。ディズニーの記事の件も実情がどうであるかは知らないまま話をひろめていったひとがたくさんいました。郵政解散・総選挙のおりには、小泉陣営の戦略にまんまとひっかかって、小泉独裁のお手伝いをしていました。

 テレビや新聞を無批判に見ているひとたちをよくあげつらっている2chのひとたちも別の部分ではおなじように物事をあまり考えず流れにのまれてしまっています。

 多数意見だからといって正しいとはかぎらないということを2chをよく利用しているひとなら身をもってわかっているでしょう。

 だから発展途上国や元共産圏の国が民主化されるということになっても、それ以前の政治体制より、状況が悪くなってしまうことがあるのも不思議ではありません。

 国家権力の恐ろしさを批判するひとはよくいますが、われわれも恐れたほうがいいんです。

 2chでみられる欠点は(利点は)、民主主義にもあります。
 よーく、肌で感じてみましょう。

日本怪談大全 第1巻 女怪の館

Amazon.co.jp: 女怪の館: 本: 田中 貢太郎 巻末の解説によれば、大正末から昭和初頭にかけての1920年代は、怪談が文学の表舞台にたちあらわれ、芥川龍之介、谷崎潤一郎、佐藤春夫、室生犀星などの文壇の旗手、江戸川乱歩、小酒井不木夢野久作など探偵小説誌「新青年」で活躍する鬼才、自然主義、白樺派、新感覚派、プロレタリア文学、児童文学にいたるまでさまざまなジャンルの作家が筆をとっていたそうです。(リンクは青空文庫。田中貢太郎も読めますよ)。田中貢太郎もその時代に活躍した怪談の名手です。

 田中貢太郎の小説は、事が進むにつれ、心理描写が減り、巻き起こる事態のみ視点が集中するようになります。描写がざっくりとしてくるほどに、なまなましさ、奇怪さ、違和が強調されてきます。
 
 ネットで怖い話のサイトへいったことがあれば、たくさんある怖い話を読んでいるうちに、本当に体験したであろう話と、それらしく作られた話の違いがわかるようになってくると思います。本当に体験したであろう話は、うわ、変だ、という感覚をそのまま書こうとしているので、違和感、説明のつかない感じがあるんですよね。ジグソーパズルのピースがたりない、あわない、というよりもともとあるはずのないピースがむりやりはめ込めたような構成を持っています。一方の作り話は怪奇現象を話しているんだけれど、ピースがぜんぶ合うんですね。説明がついちゃっている。田中貢太郎は、体験談の感覚をうまくつかんで書いているんですね。だから、読んでいて、うわ、と思う。

 さて、このシリーズは、日本怪談全集としてまとめられてかつて出版されていたものを、テーマごとに再構成して復刊したものです。テーマごとというのには悪い面がひとつありまして、それは似かよった話ごとにまとめられてしまっていることです。
 それでもこの1巻はバラエティに富んでいるのでおすすめです。

nihon-kaidan-taizen-1.jpg

"日本怪談大全 第1巻 女怪の館"
田中貢太郎
国書刊行会
2447円
Amazonアソシエイト

2006年10月16日

シン・レッド・ライン

Amazon.co.jp: シン・レッド・ライン: DVD: ジェームズ・ジョーンズ,テレンス・マリック,ジム・カヴィーゼル,ショーン・ペン,ニック・ノルティ,エイドリアン・ブロディ,ベン・チャップリン,ジョン・キューザック,ミランダ・オットー,ジョン・サヴェージ Thin Red Line、勇敢な少数者、細い赤い線。

 日本敗走のターニングポイントであるガダルカナル島での戦いを舞台に、アメリカ兵たちのそれぞれの想いが語られていきます。

 南の島の青い海、風にゆれる緑。とても美しい自然の映像に対比して、冷酷な戦闘風景が描かれます。カマキリが獲物をつかまえて頭を囓るように、ひとの命はさっくりと奪われていきます。

 一般のアメリカ人にとって加害者である日本兵がアメリカ人の被害者のように描かれるのも特徴のひとつです。狂った人間ではなく、とてもか弱い人間です。登場人物のだれも口にはしないものの、なんで戦っているんだかわからなくなってきます。

 主な登場人物のひとり、ふしぎな魅力を持った青年ウィットは映画の冒頭で現地のひとたちと平和で夢のようなひとときをすごしています。彼は仲間と脱走していたのでした。戦いとはべつの世界がこの場所にあるのに、というところから映画は始まります。
 そんなふうに、自分を見つめなければならない瞬間がくりかえし、くりかえし、なんども訪れ、この映画は形づくられていくのです。

"シン・レッド・ライン"
監督 テレンス・マリック
出演 ジム・ガヴィーゼル、ショーン・ペン、ベン・チャップリン、エリアス・コーディアス、ニック・ノルティ ほか
2500円
Amazonアソシエイト

「われ巣鴨に出頭せず--近衛文麿と天皇」

Amazon.co.jp: われ巣鴨に出頭せず--近衛文麿と天皇: 本: 工藤 美代子 いままで見えなかった昭和史----先の戦争を、戦争以外の方法で解決しようとしていた人々がいたことがよくわかります。

 近衛文麿は、アメリカとの戦争が始まる前まで首相であった人物です。中国大陸での戦線不拡大を模索、外交によってアメリカとの問題解決を計ろうとするが、自体はそれを上回るスピードで進行していきました。

 中国大陸での戦争は拡大しない、早急に和平に努める(平和主義というよりは、ソ連の領土拡大を脅威とみなしていた)、アメリカと戦争になったら負ける、と考えているほうが、日本の上層部では多数をしめていたのにもかかわらず、それとは逆の方向へ進んでいきます。

 われわれがイメージする旧日本軍の姿、天皇を頂点にした国家をめざす右翼的な思想をもった陸軍のグループ「皇道派」が、戦争の不拡大を支持していて、どうにか和平に努めようと行動していた人物で、本来ならそのような右翼思想とは相容れないはずの自由主義者である吉田茂と協力するようにもなったという皮肉なねじれがあったこともわかります。

 また、自分は昭和天皇は戦争責任を回避したと思っていて、昭和天皇を描いた映画「太陽」の感想でもそう書きましたが、実際はそうではなかったようです。
 開戦に極めて批判的であったし、自分が責任をとれないかと側近にも提案しています。
 臣下を大切にしていて、A級戦犯が合祀(ごうし)されているから靖国の参拝をやめた、というのは、この本に書かれている発言をみるかぎりではありえなさそうです。
 戦前より、イギリス式の立憲君主をめざしていて、政治には口出ししない、決められたことは拒否しないよう努めていました。いまの象徴天皇となんら変わりありません。変わったのは、われわれの方です。
 昭和天皇に戦争責任を問うとするなら、専制君主として振る舞わなかったことにあるのでしょう。
 天皇制というのはやはり左翼の用語にすぎません。そんなふうには天皇は存在していませんでした。

 これまで戦前、戦時中のことはひたすら隠され、戦争反対の思想ばかりを植えつけられてきました。暗黒と悪ばかり描かれ、なにが本当にあったのかは知らされてきませんでした。
 なんという時代でしょう。
 戦時中は、大本営発表というウソが教えられて、戦後になったら、立場だけが変わり、おなじことをしているのです。
 やっとそれも終わります。

 右傾化が進んでいると揶揄されるけど、ちがうよね。本当のことが知りたいだけだよね。

"われ巣鴨に出頭せず--近衛文麿と天皇"
工藤美代子
日本経済新聞社
2310円
Amazonアソシエイト
bk1ブリーダー

2006年10月15日

ブラック・ダリア

 「ブラック・ダリア」を観てきました。

 ちょっとノリきれないところもありますが、原作のジェイムズ・エルロイの絡みあうプロットをうまく盛りこんでいたと思います。シリアスにやっていてもなんだかコミカルなブライアン・デ・パルマの映像がたっぷり味わえます。とってもデ・パルマ丼です。エルロイは暗黒を描き、デ・パルマは悲劇と喜劇の表裏一体を描いたといえるでしょう。

 女優志望の女が無惨な死体でみつかり、ロス市警の刑事リー・ブランチャード(アーロン・エッカート)は事件の捜査に病的にのめり込む。相棒のバッキー・ブライカートはやや距離をおきながら捜査にのりだすが、謎の糸がときほぐれていくにつれ、事件の真相にある悪夢にどっぷりと体を沈めていくことになります。

 ころころころころと話が進んでいくので、もしかすると、誰がなにやってるんだか、犯人が誰なんだかわからなくなっちゃうってことになるかもしれません。登場人物のかかわり合いが多いんですよね。

2006年10月14日

Dさんの長押しIME起動2

aaaあ

 キーをちょいと押しっぱにしておくとIMEがon/offする、「Dさんの長押しIME起動2」が公開されました

 これまでは「半角/全角」キーで切り替えしていたけど、手を浮かして小指でポチっとやらなくてもよくなるわけですよ。
 。最初はやっぱりこれまでのくせがでてしまうんで煩雑になりますが、なれるとこれが便利でしょうがない。

 英語キーボードをつかっているひともいいんではないかと思います。


 Dさんのソフト、自分は「お忍びランチャー。」を愛用しています。このところずっと活動がみられなくなって残念に思っていましたが、復活のご様子です。どんなソフトがでてくるのかたのしみですね。

2006年10月12日

コールマン ダブルステンレスマグの把手がとれる

Amazon.co.jp: コールマン ダブルステンレスマグ300 170A5023: スポーツ 夏に買ったコールマンのダブルステンレスマグ。熱い飲み物が冷めにくい、冷たい飲み物が温まりにくい、というマグカップ。
 自分は、冷たい飲み物を入れたときの結露が防げればと思って買いました。アイスコーヒーとか、机の上がびしゃびしゃになりますよね。
 効果としては、まったく結露しないわけじゃありませんが、陶器のものよりはずっとよく、なかなか気に入っていましたが、先々週、洗ったときに、把手がミシッと音を立てました。すこしずれたような気がします。うわ、やば、と思っていたら、ついに今日、メリッといきました。ドアの把手のように回転してポロリ。
coleman_double_stainless_mug.jpg
 あうー、ひと夏ですか。
 小さい三点で溶接されています。一点でもだめになると、後はもろい構造のようです。改良を期待します。

核実験後

 反核団体や反原発の団体は、北朝鮮の核実験にはなんにもいわないんだって。
 へー、すごい。
 そういうことですか。

 グリーンピースは抗議の声明文をだしてるけど、なんだが北朝鮮擁護ともとれるおまけつき。それとこれとはべつにしなきゃいけないと思う。

2006年10月11日

Outpost v4.0でUDが動かなくなった

 ファイアーウォールソフトのOutpostを4.0にバージョンアップしたら、パソコンの空き時間にガン治療のワクチンの分析のお手伝いをするソフトUD(United Devices Cancer Research Project)がちゃんと動かなくなってしまいました。

 検索してみましたが、アンインストールしてバージョンを戻す以外に解決策はまだ見つかっていないようです。

 前のバージョンをとっておいていなかったので、その方法はとれません。

 しばらく、UDはおやすみです。

オーウェル「一九八四年」のフリーの翻訳

 山形さんがオーウェルの「一九八四年」のフリーの翻訳をはじめてますね。(→プロジェクト杉田玄白)。いまのところ第I部が読めます。近未来の全体主義国家を描いた小説の古典的名作です。

 昔からなぜか掲示板では「一九八四年」って読んだひとがいばってるんですよね。おまえら知らないだろうみたいな見下した態度をとる。
 おなじたぐいの作品は「指輪物語」。長いからかな。ファンタジーの話をするとかならずでてきます。虎の威を借り、これを盾に自分の論を押しとおします。

2006年10月 9日

マインドマップをつかってみる

 マインドマップは、関連ある物事に枝のように線ををのばしていって発想や考えの整理をする方法です。

 FreeMindというフリーソフトで図を描いてfreeMindFlashBrowserというツールでWebに公開することができます。

Flash plugin or Javascript are turned off. Activate both and reload to view the mindmap

 図が右に寄っているのは、さいしょの点(好きのところ)の右側だけにしか枝をのばさなかったからです。

 FreeMindの使い方は、FreeMind活用クラブの説明がわかりやすいと思います。

ブログにのっけちまえ

 ブログで公開するときは、freeMindFlashBrowserをダウンロードしてきて、なかに入っている flashobject.js と visorFreemind.swf を自分のサイトにアップロードして、以下のようなスクリプトを書き込めばOK。
 freeMindFlashBrowserはMINDMAPSにあります。みつけにくいと思うので直リンも。


 自動で改行がはいるような設定にしていると、スクリプトの間に改行コードがはいってエラーがでて表示されなくなってしまうので、みっちりつなげた形にしてあります。


<div id="flashcontent"  style='height: 350;'>
Flash plugin or Javascript are turned off.
Activate both  and reload to view the mindmap
</div>
<script type="text/javascript" src="/flashobject.js"></script>
<script type="text/javascript">var fo = new FlashObject("/visorFreemind.swf", "visorFreeMind", "440", "350", 6, "#9999ff");fo.addParam("quality", "high");fo.addParam("bgcolor", "#ffffff");fo.addVariable("openUrl", "_blank");fo.addVariable("initLoadFile", "/archives/favorite.mm");fo.addVariable("startCollapsedToLevel","5");fo.write("flashcontent");</script>

これだと説明しづらいので改行してあるもので変更箇所を説明します。


<div id="flashcontent"  style='height: 350;'>
Flash plugin or Javascript are turned off.
Activate both  and reload to view the mindmap
</div>
<script type="text/javascript" src="/flashobject.js"></script>
<script type="text/javascript"><!--
var fo = new FlashObject("/visorFreemind.swf", "visorFreeMind", "440", "350", 6, "#9999ff");
fo.addParam("quality", "high");
fo.addParam("bgcolor", "#ffffff");
fo.addVariable("openUrl", "_blank");
fo.addVariable("initLoadFile", "/archives/favorite.mm");
fo.addVariable("startCollapsedToLevel","5");
fo.write("flashcontent");
// -->
</script>

 赤い字で示してあるのが必要なファイルの名まえです。アップロードした場所を指定してください。favorite.mmはFreeMindでつくったマインドマップのファイルです。
 青い字で示してあるのが表示サイズです。隠れちゃってるので横にスクロールさせていってね。440がこのブログでの横幅、350が高さです。好きな大きさに変更してください。ここをすべて100%と書き換えるとつかえるだけめいっぱいのサイズで表示してくれます。

 ブログの狭い領域に表示させるよりは、別ページに広く表示させた方がいいと思います。

回路

Amazon.co.jp: 回路 デラックス版: DVD: 黒沢清,加藤晴彦,役所広司,麻生久美子,小雪 まわりから、ひとが消えていく。最初は同僚の自殺だった。やがて、鬱にとらえられたように、ひとり、またひとり、生きる気力をなくし打ちひしがれ、いつまにか、いなくなってしまうようになった。
 そのころ、ネットでは、孤独に部屋にひきこもったひとを映しだす映像とともに、開かずの間をこしらえて幽霊を見ようとする方法が広まっていた。

 大雨が降り水があふれだして大きくなり濁流となってついには街へ流れ込み、ひとや家を押し流していくような、大きな力。もはや最初の原因ががなんであったか知ったところで止めることはできない。それを「回路」と呼んでいます。
 幽霊がどんどんこちら側にあらわれ、ひとびとを飲みこんでいく連鎖を起こす回路ができあがってしまった。そういう映画です。

 自殺するひとは、いまの絶望から逃れようとして命を捨てるわけですか、だがしかし、死んでも救いがないのだとしたら? ずっとこのままがつづくのだとしたら? という恐ろしいメッセージも発しています。作品性はネガティヴだけれどもネガティヴなひとの腹をもえぐるようなところがあります。

 相変わらず、説明すっとばしたり、いきなりいそいで説明したりとわかりにくいところが多いのですが、
この「回路」のようにストーリー性が強い作品だと、詩のようなギザギザ、ぎらぎらした感じがでてきて、頭ではわかりにくいなと思うけれど、感覚としてはとても気持ちよさがでてきます。官能にうったえる部分に自分は魅力を感じます。

 ちなみにジャケット写真は内容と合っていません。貞子みたいのがいるんですけれど、そういう面をうったえるのは違うと思います。センスありません。いまだに見るたびにがっかりします。

"回路"
監督 黒沢清
出演 麻生久美子、加藤晴彦、小雪、有坂来瞳 ほか
- 円
Amazonアソシエイト

2006年10月 8日

ザ・センチネル 陰謀の星条旗

sentinel.jpg 「ザ・センチネル 陰謀の星条旗」をみてきました。

 アメリカ大統領を警護するシークレットサービスに裏切者が!という映画。
 主な登場人物はふたり。大統領夫人を警護するベテランのピート・ギャリソン(マイケル・ダグラス)と調査担当のエース、デヴィッド・ブレキンリッジ(キーファー・サザーランド)。
 ピートの親友でもあるシークレットサービスのエージェントが何者かに殺害され、デヴィッドが調査にあたります。ピートとデヴィッドもかつては親友でしたが過去に遺恨があり現在は決別しています。
 前半はこのふたりによる調査です。大統領暗殺計画があることがわかり、シークレットサービスに内通者がいることが判明します。ふたりがべつべつにおなじものを調査しているのでややゆるめの展開。
 ですが、後半にエンジンがかかってきます。ピートがあることが原因で裏切者として疑われ、逃亡(内通者にたぶん殺されてしまうから)。追いつ追われつしながらも、大統領暗殺計画は進んでいきます。

 サスペンスとして、とんとんとんと進んでいく話を楽しむ映画です。
 後半はけっこう快感があります。
 犯人がもっと慎重で計画バカじゃないや頭がよかったら、もっと身をよじるような快感があったかもしれません。エージェント側ができすぎです。でも、悪くは描けませんから、やっぱり犯人がもっとよくなくっちゃいけません。

2006年10月 7日

パソコンのグラフィックボード交換

 しばらく前から、パソコンの画面に紫や青などの横線のノイズが入るようになり、やがてはアイコンをドラッグすると(カーソルを押し当てて移動)移動した道筋に紫色の跡が残るようにもなりました。状況は日につれてどんどんひどくなっていきます。
 どこが悪いのか。メモリーか、グラフィックボードか、もしくはディスプレイか?
 ノイズで汚れた画像も、ほかで表示させると綺麗に表示されました。そうするとメモリーではなさそうです。メモリーが悪かったら、画像そのものが乱れてしまうでしょうから。
 画面の表示の色数を落とすと(32ビットから16ビットへ)、多少、乱れが改善することがわかりました。その辺をいじって状態が変わるということはディスプレイではなさそうです。
 グラフィックボードを買い換えることにしました。

 新しく買ったのは、GALAXY製のGF P79GS-Z/512D3。なんだか英数字が入り乱れてよくわからない製品名です。コストパフォーマンスに優れた話題のGeForce 7900GS搭載です。

 さてさて交換、と思ったら、あ、う、入らない。

 以前交換したチップセットファンのヒートシンクがグラフィックボードの電子部品(コンデンサー)に当たっています。

kd_mg47.jpg 右はそのチップセットファン。高速電脳ってところで買ったKD-MG47です。左側奥の高いほうの爪が当たります。

 どうしたもんかい。

 そういえば、チップセットファンを交換するときに参考にしたサイトさん(場所不明)に、グラフィックボードにさわっちゃうから、青い爪を何本かニッパーで切り落としたって書いてあったのを思いだしました。

 挑戦です。

 翌日、ニッパーとラジオペンチを借りてきて、じゃまな爪の先端を、ぼき、ぼき。短くします。青い爪はアルミの細い棒なんで簡単に切り落とすことができました。

 グラフィックボードの装着後、パソコンの電源をさしこみ、スイッチオン。みごと、きれいな画面がもどってきました。

 あ、でも、電力不足のメッセージが・・・。

 調べてみると、追加電源を、グラフィックボードにさしこまなければいけないタイプでした。電源コードも買った箱に入っていました。さしこんで、ふたたびパソコンをオン。こんどは電力不足のメッセージはでてきません。ぶじ交換できました。

2006年10月 4日

スパゲティのゆで方

 かなり以前に伊東家の食卓でやっていたやり方です。ここ数年はずっとこれです。


 1. ふつうのゆで方と同じように鍋に湯を沸かします。塩を適量(これは実際どれくらいがいいんでしょう。入れる理由として沸点が上昇するというのがありますがそれがゆで具合にプラスするかどうかはあやしいと思います。パスタ自体のベースの味になっているのが正解じゃないかなー)。

 2. スパゲティをいれる。

 3. 1分間、沸騰状態でゆで、ふたをして、火を止める。

 4. のこりのゆで時間そのまま放置。

 5. できあがりです。うまい具合にアルデンテ。

 ふたをして放置する時間は、鍋の大きさ、パスタの量、湯の量で多少変わってくると思います。ちなみに、自分の鍋だと1分ぐらいプラスです。

 アルデンテの状態に茹でるには、湯温を80度にキープしておけばいいんですね。だからこの方法でもちゃんと茹でられるわけです。

 最初の1分間のうちにスパゲティをちょろちょろっと箸でうごかしてやります。くっつかないようにです。スパゲティを細く麺に精製するときに表面に細かい粉が付着します。これが溶けてスパゲティ同士をくっつけてしまうんですね。ちょっとやわらかくなったところで軽く混ぜてやればオッケーです。

 このやり方は火を止めていられるんで、ガス代が節約できるし、夏場は暑さをちょっとでも軽減できるのでいいんですよ。

 マカロニでもなんでもこれで大丈夫です。


後藤繁雄「五感の友」

Amazon.co.jp: 五感の友: 本: 後藤 繁雄 モノをつくり、素敵に生きるひとたちの、その感覚に触れるインタビュー集。後藤さんの本はほんとうにすばらしい。たくさんの智慧を眼にして、なんだかどこからかまた力がわいてきました。ちょっとしたことでやっぱり人間は強くなったり弱くなったりしますね。


 いちばん最初はよしもとばななさんとの対談。出産の後(2003.9)、赤ちゃんをつれてのインタビューだそうです。終わりの方にある、ばななさんのお姉さんの話がすごい。"またぎ"のようになっちゃってるんだそうで、ばななさんがお姉さんに、食べたものがおっぱいとして出るってことは、私の食べ物に気をつけた方がいいのかなえって訊いたら、「あんた、そういう世の中に蔓延してるくだらない話をきかない方がいいよ」ってきっぱりと言われたそうです。すごい。

 つぎはポール・スミス。イギリス生まれのデザイナーです。老いた父親たちをみていると、常になにかに興味を持つことが、狭量ならず、孤独にもならず、アクティブでいられるポイントだとわかったという。そして、自分に対してリラックスすること。そうすれば、疲れていてもハードでも、それまでの力で進むことができる。

 そして、柳美里。後藤さんの「彼女たちは小説を書く」にも登場しています。それ以前の時点のインタビューです。

 ユーリー・ノルシュテイン。切り絵アニメのアニメーション作家。大人になろうとも精神の中には赤ちゃんの面影が秘められているという。赤ちゃんの特徴は驚くこと。驚きを失わないかぎり、やわらかく、フレキシブルでいられる。また、赤ちゃんのようにやわらかく触れることのできないひとたちが犯罪者のようになってしまうのではないか、と。

 それから、加藤晴之。イタリアでカーデザインをし、日本でソニーのプロダクトデザインをやり、そのあと、八ヶ岳で自然農法にうちこみ、蕎麦打ちの修行もし、現在は東京に戻ってきてオリジナルのオーディオ制作をしているそうで、すごいひとです。

 志村ふくみ。織物の制作者です。目に見えないものに触れるには、目に見えるものに厳密でなければならない、後藤さんの印象です。志村さんの言葉はやわらかでやさしいのですが、刃物にじかにふれるようなやばさがあって魅力的です。

 ヤノベケンジ。芸術家。

 是枝裕和。映像作家、映画監督。映像にかかわることで、はじめて他人とかかわれるようになったといいます。そして、さいきんやっと、カメラを間にはさむことででてくる自分の喜怒哀楽の感情を前向きとらえられるようになってきたそうです。

 ジェームズ・ラブロック。生物学者。「ガイア仮説」のひとです。しかし、過激な自然主義者に苦言を呈します。現実的な生を考えています。

 ヘンリ・ミトワ。禅僧。

 甲野善紀。武術家。自分が在るということをコトバや信仰によらず、実感するための手がかりとしての武術だそうです。

 ブライアン・イーノ。音楽家。"アートと人生は切り離せない。一つのものだと皆考えるのが好きだけど、私は嫌いだね。「アート」は、自分の人生や生活の中でできないことをするための場所だと思う。危険で反社会的かもしれないが、感情や直感、五感のための実験室なんだよ"。

 内藤礼。芸術家。フェルメールのある絵をみたとき、はじめてわかったと思ったことがあるという。その絵はなにも教えてくれなかった。「ある」、存在していること以外なにもない。答えだとか、役に立たなきゃいけないとか、ためにならなきゃいけないとか、そういうのがいかに間違ってるか、わかったそうです。

 岩松了。劇作家、演出家、俳優。演劇に仮に才能があるとしたら、しらけつづける才能だという。なにか失敗したひとがいて、それを喜劇とみる。それだけじゃなくて、失敗したひとをたまたま見ていたひとがいて、あのひと可哀想と心で笑っているのを、さらに喜劇としてみる。そんなふうにつねにしらけたひとが一人いることを想像する、それが演劇の才能だそうです。

 デズモンド・モリス。動物行動学者。意味を超えてリアルを感じることが大切。

 ダグラス・クープランド。作家。"未来について一番不思議に思うのは、僕らがそのことを気にするのに、僕らはもうそこに生きていられないってこと。未来に何が残されて、何が失われているか、誰も教えてくれないんだよ。だからとにかく「さあ、行こう!」って感じさ"

 木村二郎。造形作家。

 ピーター・ガラシ。MoMA写真部門チーフキュレイター。ドキュメンタリー写真が、広告写真や映画のシーンのようにみられ、セットアップのほうもいかにもドキュメンタリー写真のような日常光景をとるようになり、なにかするまえに、もうすでに、現実と虚構、リアルとアンリアルの関係があるのをみたそうです。

 橋本治。作家。

 阿部和唐。陶人形作家。

 ロドニー・アラン・グリーンブラッド。造形作家、イラストレーター。

 柴田元幸。東京大学文学部助教授、翻訳家。"木の中に彫刻作品というのは実は隠れていて、こっちはそれを掘り出すだけ、とよくいわれますが、翻訳もそれに似ている"

 チューチョ・バルデス。ジャズ・ピアニスト。

 照屋林助。漫談家。"緊張する者に、「緊張しないようにしっかりしなさい」って言ってもそれは絶対に治らない。こういうときには、わざとおまじないの文句として「緊張してみせてやれ」と言いながら芸をしろって言います"

 大橋歩。イラストレーター。昔、先生が形は練習すればよくなるけど、色は天性のものだからダメなものはダメといわれたそうです。それで、がんばってやってきたが、形には限界があった。色は時代の中で善し悪しが変わる。先生の言葉はいまでは間違っていると思うとのこと。出てくるもの(ものの考え方・見方)はその人そのもの。

 小熊英二。評論家。"戦前、戦中の思想にしても、文章にしても、それだけ読んでいてもそれはある種の「ミイラ」みたいなものであって、最初は一見すると「何を馬鹿なことを言っている」としか思えないかもしれない"

 堀江敏幸。作家。"ある作家を継続的に読んでみて、くもりのない声が聞こえて来た時、この人は信用していいんじゃないかと考えるんです。作者に会いたいということではなくて、あくまで作品を読み続けていこう、世間の評価はどうあれ、捨てないでおこう。そう心に誓うんです"

 フィリップ・ワイズベッカー。イラストレーター。

 今井俊満。芸術家。

 島村菜津。作家。スローライフ、スローフードを日本に紹介した。"よく、「スローフード」っていう食べ物があると思っていたり、グルメの新しいスタイルみたいに思っているひとが多い。ようは頭の切り替えなのに。そう言うと「それだけですか」といわれたりします"

 野坂昭如。作家。"本来、詩とか小説とかっていうのは、一つしか書けないもんなんだよ。もちろん社会的な意味での言葉を考えれば、言葉は磨いたほうがいいと思うし、相手に伝えるための努力はした方がいいけど、だけど本来出てくる言葉は、赤ん坊の泣き声みたいなもんで、それは一つっきゃないんだ。訓練してできるものでもない。磨き立てて洗練されるものでもない。文章って、だかからかいたらそれでおしまいで、書くことの方に意義があるわけだよ"

 リカルド・ボフェル。建築家。"なぜ我々が見るようなものだけで、他の可能性はないのだろうか?"

 トニー・ガトリフ。映画監督。"我々は往々にして間違っているのさ"

 福西英三。バーテンダー。

 秦早穂子。映画評論家、エッセイスト。「勝手にしやがれ」など1950年代後半から60年代までのヨーロッパ映画を輸入紹介している。

 大橋力。情報環境学者、生物学者。山城祥二の名まえで芸能山城組をひきいる。

 伊藤キム。舞踏家。"アーティストは自分で実践するものをつくるんじゃなくて、見る人や世間と共有する何かをつくる。そうやってギャラが入って生活できる、社会的に機能する存在なんだと思うんです"

 やなぎみわ。写真家。"それに、少なからず私たちの世代は虚構の肉親に育てられてますよ。マンガやアニメや小説の中に自ら見出した「親」たちにね。"

 ブルース・マウ。デザイナー。"何かを見て、「これは完全にポジティブである」と単独で切り離してとらえることができるものは、実は、まずない。たいていの物事にはポジティブな面とマイナスの面が同居している。だからエンゲイジメントと続け、関わり合いを続けることを通して、「ポジティブとはなんであるのか」を理解し、ネガティブを緩和することを常に考える"

 石毛直道。批評家。食文化の研究。

 塩野米松。作家。

 妹島和世。建築家。

 ストーム・トーガソン。デザイナー。

 山極寿一。霊長類学・人類学者。"類人猿と言われるテナガザル、オラウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボは、それぞれ全然違う社会を持っている。比較してみると、その両極にテナガザルとボノボがいある。テナガザルはほとんど永続的なペアで縄張りをつくるから、人間みたいに複数の男女の出会いはないし、排卵日以外はほとんどセックスしない。一方、ボノボは日常的に発情し、「挨拶」としてセックスをする乱交社会。面白いことに、その両極の社会には「暴力」も「子殺し」もない。でも、その中間にあるチンパンジー、ゴリラ、ヒトの社会にはこれがある"

 石岡瑛子。ファッションデザイナー。

 辻信一。文化人類学者。

 ゲーリー・スナイダー。詩人。"想像力は、自由とヴィジョンにとって重要だからこそ、イギリスのシェリーは、「詩人は非公認の立法者」だと言いました。詩や絵画は、政治よりも社会を変える大きな力を持っているんです"

 東松照明。写真家。

 美輪明宏。歌手。"女"優。"宗教は企業に過ぎない、と美輪さんは切って捨てる。いかに信仰するか、それが問題なのだ"


 書いてないところはなにも感じなかったわけではなく、全部書きたい(でもむり)か、秘密にしておきたいからです。

"五感の友"
後藤繁雄
リトル・モア

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2006年10月 2日

ひさしぶりに取りだしたDVDに

 ひさしぶりに観ようと思ったDVD。パッケージを開いてディスクをとりだしてみると、こまかい傷のような物がたくさんついていました。
dvd_x.jpg
 再生してみましたが、メーカーのクレジットが流れ、"複製とかしちゃ駄目よ"の警告文面がでたところでストップ。その先が読み込めないようです。
 擦り傷とはちがうし、カビによる浸食はいくつか見てきましたがこういうふうではありません。
 むー、どういった理由でこうなってしまったのでしょう?

 拡大するとこんなかんじ。
dvd_xx.jpg
 白っぽいのが表面についている擦り傷です。
 内部からやられていそう。

鮫肌男と桃尻女

Amazon.co.jp: 鮫肌男と桃尻女: DVD: 石井克人,望月峯太郎,浅野忠信,小日向しえ,鶴見辰吾,真行寺君枝,島田洋八 ヤクザの金を持って逃げる男と、変態な叔父による監獄のような生活から逃げる女が出会い、運命を共にする。

 黒い皮のコートで全身をつつみ特殊ナイフを投げる男(バスの停留所近くによく張ってあったオロナミンCなどのホーロー看板をあつめるのが趣味)、髪を白く染めてつんつんにとがらせウルトラマンのようなアイウェアに真っ白い革の上下くるくると拳銃のようにライターを回す男、ヤクザはもうぜんぜん日本のヤクザじゃなくて、コミックタッチというか、アメコミのキャラクターのような個性ある悪人がぞろぞろとならびます。

 雪崩れ込むような勢いのあるオープニングにすっかりやられました。
 このテンポで追いかけっこは展開。
 それをベースに、旨味を増す要素がくわえられます。
 出だしで表示される文章——三歳の娘がかけよってきて、パパ、わたしはパパのことを四千年も前から愛しているのよ、というエピソードは「前世療法」という本をだしているひとのものです。逃げている男(浅野忠信)の兄貴分である男(寺島進)は不思議な夢を見ており、前世観念がちょっぴり匂わされます。一瞬で強烈に結びついてしまう、出会いの不思議さ、恋の不思議さについての隠し味となって、セリフや、登場人物たちの命のやりとりに深みがでてきます。
 さらには、我修院達也(若人あきら)という怪人が、その持てる力を存分に発揮。マニアの際物好きといって、とにかく妙なところばっかりに反応し、ほめちぎる、味にうるさく口うるさいマニアの心もばっちりととらえています。

"鮫肌男と桃尻女"
監督 石井克人
出演 浅野忠信、小日向しえ、我修院達也、鶴見辰吾、寺島進、岸部一徳 ほか
4935円
Amazonアソシエイト

2006年10月 1日

夜のピクニック

yorupic.jpg 「夜のピクニック」をみてきました。

 昼夜かけて80Kmを歩きつづけるという高校の行事でのできごとが描かれます。

 好きなひとに告白するだとか、前年あらわれ写真に映っていた幽霊だとか、エピソード満載でたのしませてくれます。軸となるのは、主人公の女の子のストーリー。転校してしまった友だちからの手紙に「おまじないをかけておいたよ」という謎かけがあって、どうなるのかな、とこれもたのしみのひとつ。

 よくないのは序盤かな。校庭に集まっている生徒をみせようとカメラが勢いよく横にうごいて眼がまわってきます。あと、本編のストーリーが動きだす前に、はやいとこ説明しちゃおうというセリフが多いです。うー、いらないのにー、と思いました。本編はちゃんと必要に応じて状況がわかるようになっているので、うざいのは最初だけです。それだけにもったいない気持ちがします。

 まー、しかし、とっても青春でした。
 また、でてくる生徒たちのキャラが立っていて、それだけでも、たのしんでいられます。(そういえば元?モーニング娘。の飯田圭織さんがでていましたよ)。
 これがずっと終わらないでつづけばいいのに…、と思うのも青春ですよね。