父親たちの星条旗
昨日、「父親たちの星条旗」をみました。
硫黄島での戦いを、アメリカの青年たちの視点から描いた作品です。日本側からの視点で描いた「硫黄島からの手紙」は12/9から公開されます。
何人かの兵士が岩山に星条旗を立てようとしている一枚の写真が、アメリカ国内で注目を浴び、政府は戦費を稼ぐための手段として、旗を立てていた兵士たちを国家の英雄として帰国させ、国債を買わせるためのキャンペーンのスターとして利用します。
星条旗を立てにいく最初のシーンがアメリカ国内でのショーであったり、衛生兵が傷の手当てをしているところに日本兵が急襲してきて、衛生兵はそれを倒し、手当を受けているアメリカ兵のすぐ横で、倒された日本兵が助けを求めながら死んでいく場面があったりと、映画の序盤から、戦争には裏表があるということが表明されます。
国家の英雄にされ、戦費獲得のキャンペーンを回っていく青年たちの姿と、彼らが体験した硫黄島での戦いが並行して語られていきます。
戦闘は、アメリカ軍の圧倒的有利で行われました(Wikipedia:硫黄島の戦い、Googleマップ:硫黄島)。空も海もアメリカ軍が支配しています。しかし、日本も、地下道を掘り、コンクリートで地面を厚く覆い、島全体を要塞(ようさい)化していました。戦闘は地獄の様相をみせます。
戦闘場面はすごいです。アメリカの艦船が居ならび、海を進んでいる場面からもう今までになかった映像です。アメリカ軍の上陸後の戦闘はまさに地獄絵。戦闘場面は、映画全体の、1/3とか1/4ぐらいしかないと思いますが、もし全編が戦闘の映画だったら、たぶん見ているこっちの神経がやられてしまうと思うぐらいのすさまじさです。
現在、過去、過去でもいくつかの筋が代わる代わる入ってくる構成になっているし、登場人物が多いため、顔と名まえが覚えられないと、たぶんよくわからない、全体の話はわかっても、こまかい場面場面がよくわからなくなってしまう可能性が高いです。見る前にパンフレットを読んでおくのがいいかもしれません。
クリント・イーストウッドは、物事に裏表があるがわかっている世代の映画監督ですよね。善と悪で描いていてもしょうがないのをよく知っている。昔だったら、きれいな表舞台に隠された裏側を暴きたてればよかったのですが、今のひとたちは、そんなことはもうとっくにわかっているから、かえって、しらけてしまう。裏側の悪に怒りは感じるけれども、あきらめてもいる。けれど、それでも、そんな中にも、なにかをする自分がいて、情熱を注ぐことを望んで、生きている。そんな人々をイーストウッドは映画にしているんだと思います。
日本編もたのしみです。



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