日本怪談大全 第4巻 犯罪の館
ここまでの3巻にくらべるとだいぶ怪談らしくない作品が収められています。犯罪実話的なものが多くあります。それを補うように超常的超心理的な要素の作品がならんだ「超常現象の館」とペアになっています。
田中貢太郎は、怪談のおもしろみを、異様な状況に置かれて、ふだんにまして色濃くにじむ、人間の心理のありように見ていたということなので、犯罪実話が入ってきてもふしぎではないんでしょうね。
幽霊というのは、現実にいるいないにかかわらず、創作物の中では、人間心理のある部分を実体化させたようなシンボルとしてあらわれますから、人間に強く興味を抱いているひとはけっこう怪談を好みます。異常犯罪に興味をもつひとも、そのひとが異常行為に興味があるのでないかぎり、やはり人間への興味からそういうものへの嗜好がでてくるようです。
この巻にもけっこう強力なモダンホラー的な作品が収められています。
ストーカー犯罪の走りのような「鎌」。
サイコホラー「あかんぼの首」「白いシャツの群れ」「海異志」。
ロマンス的な怪異譚「船の上」。
要チェックです。
また、谷崎潤一郎の異色の短篇「人面疽」の直接の粉本(元ネタ)という"怪霊雑記"の一話を現代語に書き下した「人面瘡物語」も収められています。



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