蜘蛛の瞳
「蛇の道」にでていた哀川翔演じる新島が本編の主人公です。新島は娘を殺した犯人捜しをまだつづけていましたが、めぼしい人物はすべてあたりつくし、行き場がなくなっていました。惰性でむなしく生きているだけになりつつある新島に、昔の友人、岩松が声をかけてきました。貿易会社を経営していて、いい人材をさがしていたのだと、新島を仕事に誘います。新島はそれにのりますが仕事は退屈ですぐにやめることにします。岩松は、新島が必要なのだとまた誘いにきます。そして、自分の仕事の本当の部分を新島に明かします。それは、殺しのビジネスでした。
岩松に仕事を持ち込んでいるマフィア的な政治結社の幹部に大杉漣。そして結社のトップには菅田俊。大杉漣は右翼っぽい神懸かり的なところがちょっとあるクールなキャラ。菅田俊は化石掘りが趣味で素朴な田舎オヤジっぽさをみせますが要所要所の口調が完全な命令形で恐ろしさを感じさせるキャラを演じています。ひじょうによいです。
印象的な映像がいくつかあらわれ、なにやら、ふつうじゃないです。娘の幻影のような、その後の黒沢作品の幽霊ものにつながるような映像もでてきます。
戦場のノイローゼというのがこんな感じなのか、殺しの現場では機械的でありながらも生きているんだけど、それが終わると落ち込んでいく、闇がつづいていくようすが描かれていきます。
仮に、娘を殺した犯人が確定して殺せたとしても、すべてが元通りになるわけでもないから、無駄なんだよね。だからといって、許すのもばかばかしい、この悲惨な現状がさらに暗闇に変わるだけ。どうにもなりません。



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