犬神家の一族
きのう、「犬神家の一族」を観ました。
かつて映画化された横溝正史原作の推理小説をそのときと同じ市川崑監督がふたたび映画化した作品です。
横溝正史の熱心なファンである弟がすでにこの映画を観ていたので感想を聞いてみると、前の作品の方がよかったとのことでした。作りは前作とほぼ同じ、キャスティングが豪華にしたためにそのひとりひとりにある程度のスポットをあてなければいけないために散漫になっているというのが第一で、石坂浩二が年をとりすぎていて原作の年齢と違いすぎるというファンならではの意見もありました。
自分も小中学生のころに横溝正史の主だった長篇は読んでいました。前の「犬神家」の映画もテレビで何度も観ているはずなのですが、すっかり内容を憶えていません。幸か不幸か(不幸は自分の頭の馬鹿さ加減ですが)、余計な比較なしに映画を観ることができました。
物語の時代設定は、戦後まもなくです。登場人物の一人、白いマスクをかぶった青年は戦争で顔に傷を負っています。犬神家は大東亜・太平洋戦争以前の日清戦争、日露戦争のころから戦争のたびに財をなしていった製薬会社の一族です。会社の創始者であり一族の長である犬神佐兵衛が死に、その家督、財産をねらって殺人事件が起こります。私立探偵の金田一耕助は、事件以前になにかが起こりそうだと察知した若い弁護士に呼ばれましたが、事件を未然に防ぐことはかなわず、すぐ目の前で進行していく連続殺人に翻弄されながらも、解決へと努力していきます。……たぶん努力しています。事件の読み手、解説者のようにも見えますが、努力してるんです。
さてこの映画、問題があるとすれば、大事なところで演技者が大袈裟になってしまうところでしょう。これが舞台であれば大袈裟な芝居も盛りあげに一役買うところなんですが、ここでは観ていてちょっと引いてしまい、しらけた気分がただよってしまいます。急にそこだけが舞台になって空気が変わってしまうのは、もしかしたらミステリーのしかけなのでしょうか?(それは深読みすぎか)。
キャスティングはまず悪くないと思います。深田恭子が役柄にすごくはまっていました。どうせだから、人物が多いことだし、上映時間を長くしても個々をもっとフォローしていってもよかったような気がしましたが、現状135分だから、やっぱり無理なんでしょうね。おしいところです。



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