2007年3月18日

デジャヴ

 フェリーの爆破テロを調査することになったATF(アルコールたばこ火器取締局)の捜査官ダグ(デイゼル・ワシントン)は、川岸に打ち上げられた死体のうち、事件の2時間前に殺されていた女性がいることを知ります。クレアというこの女性(ポーラ・パットン)が事件を解くの鍵となることを直感したダグは調べ初めてすぐに、それ以上のなにか不思議な因縁を彼女に感じます。FBIを中心とする事件の同捜査本部に呼ばれたダグは、政府の秘密機関の装置にアクセスすることが許されます。それは過去の映像を映しだす装置でした。そこに映しだされるクレア。ダグは死んでしまったクレアを助けることができるのでしょうか。

 この過去の映像をうつしだす装置が、ストーリーをうごかしていきます。映像はちょうど4日と6時間前のもの。どんなアングルも可能。家の中まで入っていけます。ただし、巻き戻しは効かず、一回だけしか見られません。見られる範囲は決まっていて、それ以上は、別の装置をそこまで持っていかなければいけません。
 この映像は、複数の人工衛星からの各種データをコンピュータで再構成したものだということ。再構成に4日と6時間かかり、巻き戻しがきかないのは、映像をぜんぶ保存しておくだけの記録媒体がないからだそうです。いま見ている分だけは別途、録画することができます。
 ちょっと無理矢理な設定ですが、この装置はじつは、というもうひとつの設定があります。装置の本当の正体がわかってから、本格的にストーリーが回りはじめるのです。

 設定を二段置くというのはストーリーテリングの技術です。本当の設定を受け入れてもらうために、ニセの設定をあらかじめ用意しておきます。推理小説で、真相があきらかになる前に、いくつもべつの推理が語られるのとおなじです。ちょっと無理だなーと思うところを納得させる別の説明をだして、本当に納得させたい説明をスムーズに受け入れてもらえるようにするんですね。

 さて、この映画の監督のトニー・スコットは、オシャレ映像が特徴なのですが、もうひとつ重要な特徴があって、それは映画全体の緊迫感です。張りつめた糸を途切れさせません。この映画でも、その緊迫感が生かされています。単純なストーリーだとその緊迫感が勇み足になってずっこけた印象をあたえることもあるんですが、今回はやや複雑な筋立てとちょいと屈折したラストによってバランスがとれています。

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