夜よ、こんにちは
学生らが共産主義運動をさかんにおこなっていた1970年代に、イタリアで"赤い旅団"を名のるグループが、キリスト教民主党の党首で元首相であるアルド・モーロを誘拐しのちに殺害した事件を題材にしています。
→ Wikipedia:アルド・モーロ
→ Wikipedia:赤い旅団
ただし、この映画で事件の背景や当時の左翼運動がどうであったかを知ることはできません。すでに知っているひとが当時のことを見つけだすのは可能ですが。
主人公は、実行犯グループのなかのただひとりの女性。主義主張に関しては強い信念を持っているようですが、モーロを処刑することには抵抗を感じています。この部分、テロに対してのとまどいが、テーマとして描かれていきます。
理屈ではなく、直感的・生理的な描き方で、いわゆる《問題提起》のようなはっきりとしたわかりやすい主張はされず、あくまでも主人公といっしょになって(あるいは隣にいて)感じることでしかわからない方法がとられています。そのため、ストーリー自体は単純でわかりやすいのに、全体としてとらえどころがなく、なにがいいたいのかわからない、という印象をあたえる作品になっています。
通常の場面は、テレビドラマのような感じのあまり洗練されていない映像、画面内で映るテレビには当時のニュース映像がそのままつかわれています。後半、ときどき、主人公が見る、おそらく幼少時の風景と思われる映像のフラッシュバックが幻想的で、観ているこちらも脳が麻痺するような強烈さがあります。そのあたりはとても現代的です。



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