2008年4月28日

アンダカの怪造学VI 飛べない蝶々の鳥かご迷路

Amazon.co.jp: アンダカの怪造学 6 (6): 本: 日日日 今回は、新入生の女の子が波瀾を巻き起こします。制服はすっかり改造されてコスプレ風。しゃべりは誇張されたギャルのよう。見た目からして変わり者、不思議ちゃんな彼女は、入学式の新入生代表の挨拶で、生徒会長の座をかけたイベントの開催を勝手に宣言。好奇心をくすぐるみごとな演説で生徒たちをやる気にさせます。先生の方も、もともと校長がおもしろいことが大好きなやっかいなひとだったので自動的に了承。"魔王杯"と名付けられた正体不明のイベントがスタートすることになります。

 この女の子、友達は"利用する"が信念。"利用する"というと聞こえが悪いですが、言い換えれば、そのひとの才能を生かし育てる、いっしょになにか大きなことをやる、というリーダー的な資質です。
 主人公の空井伊依(すかいい・いより)は、これまで、魔物は友達という"お友達理論"を進めてきました。"友達を利用"ときいて、イラッときますが、さて、自分はそうではなかったのか、利用してこなかったか、と、新入生の女の子との"違い"をめぐって思い悩みます。

 くわえて今回は、伊依の親友、魅神香美の過去があきらかになります。初回から何度も伊依のピンチを救ってきた彼女ですが、描写はいつもあっさりとしていて、どういう人物なのかを知ることはできませんでした。ようやく、その人となりをうかがえるエピソードが語られました。

"アンダカの怪造学VI 飛べない蝶々の鳥かご迷路"
日日日
角川スニーカー文庫
700円
Amazonアソシエイト
オンライン書店ビーケーワン

2008年4月20日

読ませる技術

Amazon.co.jp: 読ませる技術 (ちくま文庫): 山口 文憲: 本
 序盤は、書くことについての姿勢、考え方について書かれています。
 この部分は、なんか漠然としていて、正直、おもしろくありません。
 けれどその後から、具体的な、実用性の高いテクニックが紹介され、ぐんとおもしろみが増してきます。

 たとえば、ひとつひとつの文のつながりを確認するのに"けれども""またなどといった"接続詞をいれてみるといった方法(ただし"しかし"は使わない)。さらにはそこから、文がちゃんとつながっていれば接続詞はどんどん省けてしまう。文章のテンポアップにつながるといったお話。さらに応用して文と文とのつながりにあえて隙間をつくってジャンプさせるというテクニックにまでつながります。

 ところで、まえから思っていたんですが、教本・ハウツー本って、初心者か玄人(くろうと)さんか、両端のひとにしか役立たない気がします。
 ある程度かじったひとは、たいがい、ぜんぶもう知ってることだとバカにしてまともに読みやしないし、うだうだテキストにむかってる暇があったら、実際にやったほうがなんぼか得るものが大きいってものです。
 玄人さんにとってのこういうテキストは自分の中の整理に役立ちます。これまでやってきた中でつかみ取ったノウハウ、感じきたこと、そういうものの蓄積がきれいに整理されて、心機一転、さらなる精進につながるんですね。

 というものの、ふだん自分は、こういう本は、技術書としてでなく、エッセイとして読んでいます。ずっと打ち込んできたことについて書いた作品です。おもしろくなきゃ、ウソってもんでしょう。作家の実力をはかるのに最適なのではないかと思うんです。

"読ませる技術  書きたいことを書く前に"
山口文憲
ちくま文庫
600円
Amazonアソシエイト
オンライン書店ビーケーワン