2009年8月24日

もっと大きく広い視点でみる近代史

 雑誌『Will』の9月号(2009年)で、現代史をもっと俯瞰的、広範囲に見る試みがなされていました。西尾幹二、福井雄三、福地惇、柏原竜一による対談です。

 日露戦争というのがありますよね。日本とロシアとの戦争です。露は今のロシアではなくソ連の前の皇帝がいた頃のロシアです。満州を支配下に置き、さらに南下して朝鮮そして中国(清)を狙いにかかっていました。そこで、日本と衝突します。

 日本とロシアの戦争といっても、ほんとうに日本とロシアだけの戦争ではなく、日本にはイギリスが関わっています。日本国内ではロシアと戦おうという世論が高まっていましたが、政府としては列強と戦うだけの力はないだろうという考えが大勢を占めていました。戦争を避けるために日本はロシアに交渉を持ちかけますが、ことごとく無視されます。ロシアにとっては日本などべつに相手にもならない小国だっったのです。
 そこにイギリスとの同盟話が持ち上がります。願ったり叶ったり、これでロシアとの対決が望めます。
 イギリスにとってロシアは自国の利権を脅かす恐ろしい存在でした。利害調整の交渉の場にも立ってくれません。そこで、義和団事件で活躍した日本をロシアにあたらせようとしたのです。だから、日露戦争は、イギリスの代理戦争の側面も持っていたといえます。

 ロシアは当時フランスと同盟を結んでいたので、この戦争は、「日英同盟」対「露仏同盟」の戦いでもありました。
 しかし、開戦2カ月後にはイギリスとフランスは英仏協商とよばれる植民地政策における協定を結びます。植民地での両国の戦争を避けるためのものです(イギリスとフランスはモロッコとエジプトで対立していた)。同時にヨーロッパでのイギリスとフランスの直接対決を防ぐ役割も持っていました。日露戦争においては、フランスの動きはこの協定によって完全に封じられました。

 日露戦争は、日本の勝利に終わります。日露戦争終結後は、強気一辺倒だったロシアが方針転換したため、英露関係は改善し、英露協商が結ばれました。これによって、英仏協商と露仏同盟と合わさってイギリス・フランス・ロシア、三国が協力する体制になっていきます。

 イギリスは、日露戦争によって、非常に有利な立場を得ました。中国の利権も守れたし、長年対立していたフランスと和解でき、戦争前にはヨーロッパでどの国とも協力関係がなく孤立していたのに今は強力な同盟関係ができあがりました。

 日露戦争は、ロシアの南への野望を止め、ヨーロッパ(バルカン半島)へと矛先をむけさせることとなったので第一次大戦の引き金にもなっています。また、ロシア国内の乱れはロシア革命を引き起こすことにもなります。また「イギリス・フランス・ロシア」の協力体制は、そのまま第一次世界大戦の図式となっています。この三国が「ドイツ・オーストリア・イタリア」とヨーロッパを二分して対決するわけです。

 いやー、ダイナミズムですよ。日本の動きは、世界に影響を与えたわけです。単純に近隣だけの問題ではありません。世界に影響をあたえ、また世界も日本へと打ち寄せてきました。

 こうしたことが前述した対談で述べられています。
 近代史というと、もう、日本の侵略だ、いや侵略ではないとか、南京大虐殺がどうだとか、それだけをいつまでもいつまでもいつまでもやっていることが多かったし、そうでないものというと個人史・体験談になってしまいます。個人史・体験談には良いものがくさんありますが、それだけだと、大きな流れが見えてきません。気温が高い、暑い、暑い、いってるだけだと、地球温暖化とか大きな構造が見えてこないようなものです。解決策があるかもしれないのに。

 ウヨクでもサヨクでも日本を好きでも嫌いでも、どんな立場の人とっても、こういう見方は得るものが大きいと思います。どんどんやっていってほしいです。

参議院なんかいらない

参議院なんかいらない (幻冬舎新書) (新書)  元参議院議員で論客としてならしたベテラン3人による対談です。理屈よりもまず実際にあったできごとが語られ、いまだから話せる裏話やスキャンダルもちりばめられ、とてもおもしろく読んでいけます。たのしみながら、一般的な報道では見えてこない政治の実情を知ることができる読み物になっています。

 小泉純一郎によって殺された参議院。郵政民営化法案が参議院で可決されなかったら衆議院を解散する、という、議会軽視、手続き無視によって、選挙を行い衆議院で3分の2以上の議席を確保し強大な力を得ました。
 手続き無視ってことは、民主主義を無視ってことなんだよ?
 なんでこんな人がまだ人気者なんでしょう? 完全に独裁者ルートですよね。しかも、大企業のための政策ばかりですよ。むち打たれてひーひー言わされてキャーキャー歓声あげてるなんて、ホント、どんだけだよと思う。

 だめになったとはいえ、そんな参議院を、どうにかしようという提言も後半になされています。
 小泉政治のような、わーっと流されていってしまう民主主義の欠点を補う役割、政治のプロとしての役割(子供の無駄遣いなどをたしなめる親のような存在。みんな楽しい方がいい、難しいより簡単な方がいい、好きなことだけしたいからね。でもそれだけじゃあダメになっちゃう、それをいわなければいけないひとが必要なのだ)をどうしたら担うことができるのか。
 理屈は考えて言ったりできるけど、具体的にいまの参議院をどうしていったらいいかを言うのは難しい。そのためのよい参考資料になると思います。

"参議院なんかいらない"
村上正邦、平野貞夫、筆坂秀世
幻冬舎新書
756円
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オンライン書店ビーケーワン

2009年8月23日

ひだまりスケッチ、アニメ復活

 1クールといわず、1年ぐらいやってほしいなー。

 あの人気ラジオも復活。
 おお。

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2009年8月 3日

片腕マシンガール

片腕マシンガール [DVD] いじめをうけて殺された弟の復讐に立ち上がった姉の物語です。左手を斬りおとされ、そこにマシンガンをそなえた鋼鉄製の腕を取り付けて戦います。敵は、服部半蔵の血を引くやくざ。手裏剣飛び交い、奇っ怪な武器で少女を待ち受けます。

 特撮アクション映画です。お人形を駆使した伝統的な特撮で血しぶきや破壊される肉体を描写。リアルさよりも見たおもしろさを追求しています。CG合成もあり、飛び交う手裏剣などにかなりセンス良くつかわれています。

 おバカあり、つっこみどころも満載に作られているんですが、わざとつっこみどころを作っているんじゃないかなーと思われるところがあり、そこはマイナスです。
 えらいことかっこいいシーンがいくつもあり、思ったよりも数段たのしめます。
 情熱がそそぎこまれていて、いい映画だなーと思います。

 この映画はどうやらアメリカ向けにつくられた作品のようです。それを逆輸入したという感じなのでしょうか。

"片腕マシンガール"
監督: 井口昇
出演: 八代みなせ、亜紗美 ほか

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