2010年9月23日

ミディアム ~霊能捜査官アリソン・デュボア~

ミディアム ~霊能捜査官アリソン・デュボア~シーズン1DVD-BOX  【4枚組】  夢で啓示をうけたり、写真や犯行現場から事件の真相がみえてしまう"能力"を持った女性を主人公にしたテレビドラマシリーズです。
 霊能捜査官となってはいますが、FBIやら捜査機関に属しているわけではなく、主人公の能力が「つかえるかも」と思った地方検事がアドバイザーとして雇っているが、外部他の人には霊能力者というのは内緒、な立場になっております。

 とにかく、お話がおもしろくて、時間を忘れてどんどん続きを見ていってしまいます。
 霊能力に関しては、スパイダーマンとか超人的な能力を持ったヒーローの"能力"と同じ扱いで、日本のオカルト番組のような押しつけがましさがないので、気楽にみていけます。
 ミステリー作品の御都合主義(お約束)の部分――推理上ちょっと強引な展開のところを、霊能力で見えてしまう部分としてやってしまえるので、ストーリー展開がふつうのミステリーよりもスムーズになっているのがみそです。本来、無茶な部分を前面に押しだしていけるんですから、これほど便利なことはありません。
 霊能力で見えただけでは証拠にならないので、そのせめぎ合いも楽しいところです。

 というものの第1話のオープニングはちょっとおもしろくなく、あまりうまい主人公登場シーンではないので、ここで見るのをやめてしまう危険性が、とりあえず第2話まで見てほしいです。第2話は裁判の陪審員を選ぶお話で、直接的な犯罪捜査だけではなく、こんなお話も作っていくんだと感心できるところ。かつ、霊能者も間違いを犯したりするのか? というサブテーマも持っています。

 また、ホラー性はなく、怖くはありません。主人公には旦那もいて子どももふたりいて、ファミリードラマのほのぼのとした雰囲気が強いです。

"ミディアム ~霊能捜査官アリソン・デュボア~ シーズン1DVD-BOX "
出演: パトリシア・アークエット ほか
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2010年9月14日

狂乱家族日記 拾弐さつめ

狂乱家族日記 拾弐さつめ (ファミ通文庫) 世界最大の財力と権力をもつ不解宮(わからずのみや)によって、世界は平和になることを誓わされた。それに反旗を翻した黄桜乱命は正夢町を帝国から独立させた。……

 一番力を持ったものが悪い国や人に平和を誓わせる――、って話をはじめたときには、日日日さん焼きが回っちゃったかなと思いました。どうしたって、臭いお話じゃないですか。そんな夢を見ている人はたしかに現実でもいるんだけど。みんながそう思えば簡単なこと、なんでしょう? みんながそう思えば。こわい。こわすぎるよ。
 力任せに平和をもたらすというのは、ジェイムズ・P・ホーガンの小説にありまして、戦争をしようとしたら世界を滅ぼしちゃうよっていう機械をつくりあげるお話。(昔は核戦争による滅亡の恐怖というのが強くあって、それをうまく裏返して平和の話にしてしまうところはうまいんだ)。ほかにはマンガで、宇宙から攻めてくる敵を用意して、地球を一致団結させて平和をもたらす、というものもあります。
 強要する以外に平和はもたらせないかどうかという問題もありますが、そういう強要した平和はいいものなのかという疑問も生じます。ヒートアップしちゃった感情を冷ますために「一時的」にならいいのかもしれないと思いますが、恒久的にやろうというのなら、それは「やばい」気がします。
 そういうのに日日日さん気がつかないのかな、と思っていたら、最初からわかっていたようで、反発する力を設定してきました。
 恋愛も絡め、コメディ展開もいたしますが、それが狂乱の味。おいしいですワ。

"狂乱家族日記 拾弐さつめ"
日日日
ファミ通文庫
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2010年9月12日

はじめての宗教論 右巻~見えない世界の逆襲

はじめての宗教論 右巻~見えない世界の逆襲 (生活人新書) (生活人新書 308) 宗教は一般に思われているような"心の支え"になるだけではなく、知的な道具として現実に対して役に立つことをのべた本です。
 この本はまた、キリスト教の入門書としてもすぐれています。

 聖書の選び方として、著者は「旧約続編付きの新共同訳聖書の引照付きもの」をすすめています。
 「引照付き」がなぜよいのかというと、この「引照」というのは聖書の言葉がほかのどこと関係しているのか示した注のことなのですが、これは聖書の文章の解釈に必要不可欠になってきます。
 「人はパンのみに生くるにあらず(人はパンのみにて生くるにあらず)」というフレーズが例としてとりあげられています。
 この言葉の意味を、あんまり考えないでいうと、"パン以外にも肉とか魚とか野菜とかも必要"ということになるでしょうか。あんまり考えないでいうと、というより、おちょくっているような答えですね。
 もっと、ふつうにいえば"人は物質的なものだけで生きるのではなく、精神的なもの・宗教的なものも必要"ということになるでしょう。これは、ネットで検索したときにでてくる意味です。一般的にはこう考えられているようです。
 ところが、この「パンのみに」のフレーズは、モーセがエジプトで捕虜になっていたユダヤ人たちをつれてシナイ半島を移動しているときに食べ物がなくなった、すると天からマナが降ってきてそれを食べて生命をつないだという故事を念頭に置いてイエスがいった言葉なんですね。
 したがってその意味は、パンがなくても神様がマナのような最低限生きていけるだけの食べ物はあたえてくれる、となります。解釈はいろいろあるでしょう、たとえば、最低限、食っていくだけならけっこうなんとかなるとか、しかしこの言葉はけっして「精神的なものの話ではない」のです。一般的に信じられている意味は誤った解釈だといえます。
 古い文章というのは、どういうものでもけっこうそうなのですが、故事にもとづいて物を言う場合が多いので、なにをバックボーンにして物を言っているかを知るのは重要です。引照付きになると本が厚くなってしまうので個々人が持つのはちょっと大変ですが、一家に一冊、もしくはグループに一冊は必要でしょう。
 聖書の訳はいくつかあるけれど「新共同訳」がなぜよいかのかというと、著者は、カトリックとプロテスタントという立場の違う人たちがなんとか共同の日本語訳聖書を作ろうと議論を重ねてきたものであること、をその理由にあげています。個人または考え方が近いひとたちだけで作っていくと、どうしても思い込みがでてくる、ということです。他の訳についても、少しずつですが成り立ちや傾向についての記述があり、参考になると思います。

 その他、それぞれの教派について、歴史の流れや考え方の違いからの説明があります。
 また、神学的な立場からのキリスト教についての説明があり、それは論理的で、すっきりとした説明であり、キリスト教というものの"骨組み・構造"がよくわかるようになっています。

 宗教自体に興味がなくても役に立つ知識がけっこう得られます。

 唯物論と宗教的なものは相反するものではないとか。これは、何かの存在の意義とかそういうことを考えるのはは神学を学んでいる人ではないと許されなかったそうです。ほかの学問の人はだから目に見えたまま、あるがままをあるがままに見ることしかできなかった。やっていいことの範囲がきっちりわけられていただけで、おなじ土台にたっていたわけです。
 目に見える者しか信じてなかった学者さんが急に超常現象とか新興宗教にどっぷりつかってしまうのも別段ふしぎなことではないわけです。
 見えないものっていうのは見えるものの潜在的前提となっている場合がけっこう多いんです。有限と無限の関係なんかもそうです。無限について関与しない場合でも、無限が有限の前提になっています。「宇宙の果て」なんかを考えるとわかりやすいと思います。宇宙の果てのその向こうにはなにがあるのかって小学生のころによく考えたりしたものです。宇宙の果てのその向こう、その向こうって、はてしなく考えることができます。
 おそらく、「考えること」というのはそののなかに「見えないもの」が必ずでてきてしまう構造になっているんだと思います。いつの時代になってもたぶん消えない。「見えない」部分を無視していると、そこに変な宗教やらインチキ科学やらが入り込んでしまい、害を及ぼすと、そういうことなんでしょうね。

 それから、聖書には手紙の形式で書かれた文章がありますが、これは当時、いちばんレベルが高いとされていた文学形式が「書簡」だったからだそうです。
 また、現在では「著者」という考え方もしないのだそうです。ヨハネによる福音書だったら、ヨハネという著者がいる、というふうになるはずですが、宗教の文章はおなじ考えの人が集まって、そして「これ」と書いた・まとめた文章であるから、集団の文章と考えるのだそうです。聖書全体も議論してまとめられたものですからね、そう考えるのが最適なのかもしれません。
 著者そのものがいて、その文章に対する著者の考えもあったんでしょうが、教団のものとして使われると、教団の意図が文章の意図にイコールしてしまいます。著者の意図をその文章の意図にしてしまうのは、宗教の文章を考える上では間違い(に近いもの)になってしまいます。編集・加筆されているのが確実な聖書においては自体は複雑で、著者を追い求めるのは聖書を考える上で、ほぼ意味がないのでしょう。

"はじめての宗教論 右巻~見えない世界の逆襲 "
佐藤優
日本放送出版協会
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2010年9月 9日

狂乱家族日記 番外そのなな

狂乱家族日記 番外そのなな (ファミ通文庫) 帝都最大の歓楽街、正夢町は、犯罪者や日陰者が多く住み、その内部には軍や警察の力はおよばない。十二星座の名を持つ実力者たちによって独自に統治されている町である。
 番外編7巻は、そんな正夢町を物語の舞台にした短篇5つからなる作品集です。
 新キャラ、屍体処理屋のつぶらさんが登場する2篇、つぶらさんは無表情無感情系のキャラなのかな? ただしクールではなく、ぽわんぽわんした感じです。
 それから、銀夏がつとめているバーのマスターの過去話。ダーク・ファンタジーの設定でコメディ。
 そして、優歌の担任、灰谷羊子先生を主人公にした物語。弱気でドジっこでとてもたよりない羊子先生ががんばります。
 最後は、本編で正夢町が舞台になるとよくでてきた、猫耳天然少女ミルカトミと桂林道くんの恋模様を描いた一品。本編でどっかにいっちゃってた人物も登場します。

 本編12巻から変容する正夢町を、ちょこっとだけ匂わす部分もありますが、伏線として読むのではなく、変わる前がどうなのかを知るのにちょうどいいと思います。この番外7巻と、千花の友達を描いた番外6巻は12巻直前に読むのがいいでしょう。

"狂乱家族日記 番外そのなな"
日日日
ファミ通文庫
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2010年9月 5日

狂乱家族日記 番外そのろく

狂乱家族日記 番外そのろく (ファミ通文庫) 千花ちゃんの同級生たちをフィーチャーした短篇集です。ドタバタ学園物っぽくなっていますが、それぞれ味わいのあるいい作品にしあがっています。日日日さんは、シリアス部分の配分、見せ方がやはりじょうずです。

"狂乱家族日記 番外そのろく"
日日日
ファミ通文庫
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狂乱家族日記 番外そのに

狂乱家族日記 番外そのに (ファミ通文庫) 狂乱家族、乱崎家にさいごに加わった千花のサイドストーリー。千花は、冷酷
、非情で近親者にも容赦はしない、"鬼"と称される一族、姫宮の娘で、おなじく姫宮の娘であった優歌の実姉です。

 シリアス2本とコミカル2本。シリアス1本は、本編終盤にかかわってくるキャラクターについて描かれているので、読んでおいて損はありません。できばえもかなりいいです。暗号をつかって謎かけ的に要所要所をぼやかした脅迫文が届きます。誰々を殺すという物騒な手紙です。ぱっと解いて犯人をわりだす登場人物のひとり、でもその暗号の解き方は幼稚だなーと思えるのですが、とりあえず話は進みます。暗号の他の箇所が解かれ、ついには暗号ではないと思われていた部分もじつは暗号であることがわかり、ストーリー自体も暗号が解かれるように、どんでん返し、となります。最初に幼稚だなと思っていた部分も最後でその理由がわかる作りになっています。

"狂乱家族日記 番外そのに"
日日日
ファミ通文庫
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