2004年9月30日

フロスト日和

4488291023.09.MZZZZZZZ.jpgフロスト警部はちょっとさえないおじさん。あたらしい部下にも、(ちぇっなんでおれがこんなやつの下にぃ)、と思われているくらい。書類なんてめんどくさくって、ついつい後まわしで、それで上司に怒られるのもたびたび。いざ事件発生となれば冴えわたる……かと思いきや、調査はおざなり、勘と運がたよりで、ちょっとまちがえたら人がいいだけのぼんくら刑事になっちまう。

めでたく退職となる刑事の送別パーティの夜、フロストは夜勤だったが、パーティに忍びこむつもりでいた。しかし、たてつづけに事件が起こる。まずは公衆便所でころされた浮浪者、つぎにはひき逃げ、行方不明の娘、連続犯による婦女暴行。パーティどころのさわぎではなかった。

たてつづけに複数の事件がおこって、それを警察が追ってゆくタイプの小説を、モジュール型警察小説とよぶのだそうです。まえに、モジュール型、というのはきいたことがあって、なんのことなんだろうとずっと思っていましたが、やっとわかりました。

こういうフロストのストーリーですが、読者側はしっかりと推理を堪能できる作りになっています。
読んでみるとわかりますが、フロスト警部も、そんなダメ刑事ではないし、芯がしっかりしているものあって好感がもて、活躍を読んでいくのがまず楽しい。ホームズがいなくて、ワトスンが活躍している感じ。

"フロスト日和"
R・D・ウィングフィールド
創元推理文庫
1134円
Amazonアソシエイト

2004年9月21日

UFO伝説の成り立ち:「人類はなぜUFOと遭遇するのか」

4167651254.09.MZZZZZZZ.jpg子どものころ、UFO番組が好きで、ドキドキしながら、いつも観ていました。
でも大きくなるにつれて、話の奇妙さに気がつきだします。
ありえないなと感じはじめたのは高校生になってからでした。

この本は、UFO伝説がどのようにできあがっていったかが書かれています。
興味深かったのは、一般人のUFOの認識と、軍のUFOの認識が、ほぼおなじ状態、おなじ進度にあったことです。一般人がUFOのことをよく知らないとき、軍もよく知ってはいなかったし、一般人のあいだでUFOを信じるひとと信じないひとで意見が分かれているときは、軍のほうでも意見が分かれて対立していました。軍関係者も一般人とおなじでマスメディアを通してUFOのことを知ったのでした。軍が先行してUFOのことを知っていたわけではなかったのです。それなら、情報の混乱はあたりまえだし、その混乱から軍(やCIA)がUFOのことを隠していると疑われたのもしかたないでしょう。

それから、この本、厚みがあり、そのうえ著述が淡々としているので、ほかの本読みにいってそのまま、になりがちです。読むなら借りた方がいいでしょう。

"人類はなぜUFOと遭遇するのか"
カーティス・ピーブルズ
文春文庫
1000円
Amazonアソシエイト

2004年9月 7日

Milk

4087803937.09.MZZZZZZZ.jpg蜷川実花さん撮影の写真集。
被写体が男なのでどうしようかと思ったけれど、けっこういいできのものでした。
実花さんが好きなのだろう、南国のマリア像、カラフルにして清らかな墓地と、みなれた風景もみられます。
独特の色彩で知られる実花さん、もとは白黒写真からはじめられたそうです。表紙をふくめ、いくつも挿入されているモノクロの写真は印象にのこるすばらしいもので、才能が感じられます。

さて、成宮寛貴さんですが、写真と8ページある100の質問でも、感じられる、ちょっと思いあがったようなところと、きざな部分が、とても青年期の男らしく、いいかんじです。あとでちょっと後悔するような、こういう高飛車なところがないとだめですよね。

"Milk - 成宮寛貴写真集"
撮影: 蜷川実花
集英社
1800円
Amazonアソシエイト