サラ、いつわりの祈り
はじまりは痛々しい。まだ小さな子どもジェレマイアはやさしい養父母のところから本当の母親サラの手にわたる。どうみても子どもを育てられる人間ではない。ジェレマイアを自分の物とは思っているが、気分にまかせてつらくあたる。
定職に就かず、男を換え、車で放浪生活。やがて、ジェレマイアに性的倒錯と自虐願望が芽生える。サラは覚醒剤が影響しているのか精神をおかしくしていく。すべて作者の分身でもあるジェレマイアの視点で語られています。
痛々しくはあるけれども、ある意味ふつーなドメスティックバイオレンスの小説が、ジェレマイアとサラがおかしくなっていくあたりから奇妙な美しさを感じさせるものになっていきます。そうなってからがおもしろいです。
連作短篇集ということではじめのほうは各エピソードが時間経過的につながっていますが終盤はとびとびになっています。




