2006年2月23日

自殺の丘

suicide-hill.jpgロス市警の刑事ロイド・ホプキンズは、警察上層部に煙たがられ、捜査の第一線からはずされる。穏便に段階的に排除することがもくろまれ、まずはFBIとの合同捜査にまわされた。そこで銀行員を脅迫してむりやり共犯にしたてあげて銀行から金を奪う事件を調べることになった。事件の犯人はこれまでひとを傷つけずに犯行をおこなってきていたが、ついに警官をふくむ四人を殺害して大金を強奪する事件をおこす。ころされた警官はロイドを排除しようとしていた警察幹部のひとり息子だった。その警察幹部は、ロイドが過去に起こした殺人を告発しないかわりに、犯人をつかまえずに処刑することを要求した。

ロイド・ホプキンズ・シリーズの3。最終巻です。
いままでとおなじく犯人がわからみたストーリーも並行して進んでいきます。ちがっているのは、これまでの"トラウマ"の話がまるでなかったかのように物語られていること。ちょっとひょうしぬけします。しかし、警察幹部に犯人の処刑を要求される後半からはまた別種の毒気が表面にあらわれてきて盛りあがっていきます。

この警察幹部は、警察組織内に、特殊な教義に基づいたキリスト教原理主義のグループをつくりあげ、独自の暴力的な犯罪捜査部隊をもっています。このような警察内部の悪を描くことは、すぐあとの”暗黒のLA四部作"の特徴となります。

"自殺の丘"
ジェイムズ・エルロイ
扶桑社ミステリー
632円
Amazonアソシエイト
(古い版は複数個の誤植とミスがみられます)。

2006年2月 7日

スタイビング教授の超古代文明謎解き講座

stibing-cyokodaibunmei.jpg超常現象本を批判しながら、超古代文明がいったいどうであったかを検証しています。トンデモない解釈を笑いとばすのが目的だとちょっとくわしくやりすぎて退屈かもしれません。細かな部分までの検証、あるいは歴史学にもとづく検証に興味があるなら、なかなか楽しめます。ピラミッド、ノアの箱舟、アトランティスに大きく章がわりふられています。

"スタイビング教授の超古代文明謎解き講座"
ウィリアム・H・スタイビングJr.
太田出版
2100円
Amazonアソシエイト

2006年2月 6日

ホプキンズの夜

because-the-night.jpgロス市警の刑事ロイド・ホプキンズは、失踪した潜入捜査の達人ハーゾク巡査の捜索と、酒場でおこった残虐な強盗殺人事件をうけもっていたが、やがてこのふたつが、ひとりの殺人鬼によってひきおこされたことを知る。殺人鬼に関する情報をもつ精神分析医に接触するが、その男は、自分の興味のために患者をつかって機密情報を盗み、ひとを殺していたこの事件の黒幕であった。ホプキンズはそれに気づかず、男のゲームのコマにされていく。
ロイド・ホプキンズ・シリーズの2。

主要な登場人物は父親の存在をトラウマとしてもっています。トラウマの苦悩から逃れるためにモンスターになるのか、それともそれはのりこえられるのか。ホプキンズは今回は翻弄され波にもまれるだけです。いままで通りにやっていくのはもう無理だとはっきりする話です。

"ホプキンズの夜"
ジェイムズ・エルロイ
扶桑社ミステリー
612円
Amazonアソシエイト