2006年4月27日

古賀亮一「新ゲノム」

Amazon.co.jp:新ゲノム 1 メガストアコミックス: 本復刻 PACKMAN 昔はやった貯金箱にそっくりなロボット"パクマン"の止まらないマシンガントークがたのしいギャグマンガ。エルフの女の子"エルエル"とのやりとりがまた絶妙です。パクマンの強引な行動にあきれたり、あるいは積極的にたのしんでのっていったり。基本、まきこまれ+いじめられキャラで、こまった顔がかわいらしいのです。子どものころの、好きな女の子をからかう感覚が、甘酸っぱいのです。

 「ゲノム」1〜4巻を出していた出版社ビブロスが倒産して、いま現在アマゾンではは3巻が入手可能です(ときどき2巻の在庫が復活しています)。わたしはオークションで全巻そろえてしまいました(こまかいことをいえば新と旧の3はだぶって持っている)。たぶん、いまの「新ゲノム」をだしている出版社からでるのではないかと思うので無理をして買う必要はないと思います。復刊時にはおまけマンガもつくでしょうし。途中から読んでも、ぜんぜん問題ありません。というより、1話目から主要メンバーが説明なしにいきなり登場しているので、初めから読んでもわからない部分はわかりません。1巻目のエルエルさんは、いまのむちむちな体型ではなく、エルフっぽく細身です。パクマンもまだメインをとれていなません。いまとおなじようなエルエルの体型、マンガのノリになるのは2巻の途中からです。まだ手に入る3巻は「ゲノム」じゃないマンガが半分ぐらい入っているのでちょっとさみしいです。そのマンガも読むとおもしろいのですが、食べたい料理が品切れで、べつのをたのまなくちゃならなくなった感じです。べつのもおいしかったんだけど、あれ食べたかったなーって。

"「ゲノム」シリーズ"
古賀亮一
ビブロス、コアマガジン
各840〜940円
Amazonアソシエイト

2006年4月26日

論理で人をだます方法

Amazon.co.jp:論理で人をだます法: 本 頭のいい人が新興宗教にはまったとき(たとえばオーム信者だ)、その話をきくとたしかにその通りなんだけど、やっぱりその考えは正しくないんだよなー(言いかえして説得できないけど)と思うことがあります。あいての理屈のどこが正しくないんだろう? じつは論理的に正しそうだけど、ほんとうは正しくないことがよくあるんだそうです。それはただ感情に訴えているだけであったりすることのほうが多いんです。
 この本は、意図的なごまかし、もしくは意図的でなくこんがらがっちゃう話のような、話し方のパターンをたくさんそろえて解説した本です。

 いんちき商法にだまされないために読むのもいいだろうし、掲示板の議論でやられないために(それまちがってるていうために)読むのもいいんでしょうが、わたしはこれは下手な文章作法本よりも、文章を磨くのにいい本だと思います。いろんな文章の効果が分類されてのっているんですよ。こんなふうに文章の実際の効果を解説したものはいままでなかったと思います。
 あとは物を考えるときにいいんじゃないかな。結論ついていると思っていることや袋小路にはまっちゃてた考えが、もっと広がりをみせるかもしれない。思考のための道具です。

"論理で人をだます方法"
ロバート・J・グーラ
朝日新聞社
1470円
Amazonアソシエイト

2006年4月20日

日本の偽書

 一部の軍人・政治家たちにもてはやされた「竹内文献([wikipedia:竹内文書])」、その種本のひとつ「[wikipedia:上記](うえつふみ)」、戦前の二大偽書からはじまります。日本中心の歴史を創作したところが、ちょうど時代の波にのってもてはやされたようです。  「竹内文献」は、青森にあるキリストの墓の伝説をつくりあげた元凶です。しかし、伝説はひとりあるきしてもともと青森にあった伝説のように語られてしまうようになりました。著者は、東北に幻想を求める風潮が日本にあることを指摘し、東北の偽書「[wikipedia:東日流外三郡誌](つがるそとさんぐんし)」とそれが下火になってからもてはやされるようになった「[wikipedia:秀真伝](ほつまつたえ)」をとりあげます。  最後には「[wikipedia:先代旧事本紀](せんだいくじほんぎ)」「[wikipedia:先代旧事本紀大成経](せんだいくじほんぎたいせいきょう)」をとりあげます。これらは、聖徳太子が蘇我馬子とともに編纂した歴史書で、現存する日本で最も古い公式の歴史書「[wikipedia:日本書紀]」の元ネタなのだといわれました。前者が登場したのは平安(936年)、疑われだしたのが江戸時代(1731年)とかなりの長命。当時特有の注釈の行為がこの偽書を生みだしたようです。注釈というと現在は補足説明ですが、平安では説明をつけくわえるというよりは"つくる"に等しく、ここに書かれていることはじつは偽りで、この裏に本当にあったのはなになにだ、というぐらいつくっていたそうです。さて後者「先代旧事本紀大成経」はこっちが本物だと前者をもとにして江戸時代(1679年)に作られました。当時は儒教が勢力を拡大しており、押されぎみだった仏教を擁護する内容が広く支持を集めました。  この「先代旧事本紀大成経」が後年の偽の歴史書の著述に多大な影響をあたえており、偽史の原典である「先代旧事本紀」ともにルーツになっているそうです。  新書サイズにしてはかなりくわしく充実しています。創作に利用するのにはアカデミックすぎるかな。ポイントは、偽書の内容をうけいれる状況ができていること。これは偽書をつくったひとの理由とちがっていてかまわない。本物っぽくみせかけるリアリティよりも、いかにこの偽書をうけいれてくれるひとが望んでいるものを表しているかが重要で、だから内容がばかっぽくてもかまわないわけです。オウムがうけいれられたのとおなじですね。 [ASIN:4166603795:detail]

2006年4月18日

偽史冒険世界 - カルト本の百年

 「源義経は死なずに日本を逃げだしてジンギスカンになった」だの「日本はムー大陸の一部だった」だの「日本人はユダヤ人だった」だの、戦前戦後の近代日本にあわられたとんでもない架空の歴史書の数々がどうしてあらわれ、どうして大衆にそれなりの支持をえていったかをさぐる一冊です。  柳田國男が提唱した「海上の道」——黒潮にのって南太平洋から沖縄をたどって日本人の祖先や文化が流れてきた——そんな日本人のルーツをたどる物語でさえ、南方のすべての島々人々はひとつのおなじ民族ではないかと、それを日本人がひとつにまとめなおすのだという理由になる危険性を孕んでいました。そのような意識にささえられて南海の冒険小説が流行しムー大陸の伝説なども浸透していったようです。  義経がジンギスカンになった話も、悲運の英雄が生きのびていたというロマンだけではなく、大陸に日本人の祖先がいたという、大陸進出を正当化する理由としてはばかばかしいものであったにせよ、潜在意識として裏側をささえるのには充分、役だっていたようです。こういうことは日本だけではなく、隣国の中国や韓国にもあります。(日本神話の舞台である高天原が韓国にあるという話が『写真で読む 僕の見た「大日本帝国」』にありました)。わたしたちはあなたがたの祖先であるという優越感です。差別意識から抜けだすことは誰にもできないようです。  日本の戦争への道は、国や軍のせいにされがちですが、日露戦争のときには、大学教授が世界制覇をとなえ、その演説に民衆が喝采をあげていたそうです(立花隆「天皇と東大」)。国や軍は戦争の継続が無理だとしてやめたがっていました。戦争の終結を求めたときにも反対がおこり、講和が結ばれた際には、日本が得た物がすくなぎるとして東京で暴動がおこり無政府状態に陥りました。  ものごとは、上からの押しつけや、ひとりの教祖によって起きるものではなく、それを受け入れるだけの土壌ができていなければいけません。そういった歴史的な背景がよくわかる本でした。 [ASIN:448003658X:detail]

2006年4月12日

聖殺人者 イグナシオ

4041898056.09._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg 天使のみめかたちをもつ美しい少年イグナシオは、うつろな心のまま、機械のように殺人者の道をつきすすむ。

 聖なる物と、それにひねくれたように讃えられる悪の華。神の御許へいたる表の階段と裏側にかけられる梯子。どちらも物語になる崇高なテーマです。基本的にキリスト教的な小説はわたしはイエスの教えがわかっているのよという自己顕示がすけてみえてうさんくさくなるので慎み深い書き手は悪の方を描きます。
 著者は、キリスト教系の学校に通っていたためでしょうか、キリスト教徒たち(とくに日本の)に嫌悪をいだいていますが、同時に救いも描き、ふくざつな心境をありのままにつづります。この小説ではその救いは、神が存在する、とイグナシオが確信するときです。

 イグナシオと関係する女たちが魅力的です。男を救う聖なる部分と、生々しい欲望と、ずるさと、弱さと、強さとが入り交じり、女の人をよく見てきたんだなというのがわかります。男なりの視点にすぎないのでしょうが、うまく描いていると思います(といってるわたしも男なので女から見ると笑っちゃうのかもしれませんが)。好みはやっぱり、シスターの藤沢文子さん(エッチだ)。

 また著者のアフォリズム(箴言)も鋭く、魅力を感じました。

"イグナシオ"
花村萬月
角川文庫
580円
Amazonアソシエイト

2006年4月11日

サイキック・マフィア

 初対面の相手の過去を言い当てることは? "できますよ"
 封をされたカードの透視は? "かんたんです"
 なにもない空間から物を生みだす、物質化現象は? "できます"
 空中に物を浮かべるのは? "かんたん、かんたん"
 霊を呼びだすのは? "エクトプラズムが霊のかたちをはっきりとうかびあがらせます"

4872335678.09._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg すぐれた霊能力で無数の奇跡を起こし、人々を魅了してきた男。——しかし、すべてがインチキだった。
 スター級の元霊能者が心霊業界の裏側を暴く内部告発書です。

 内容がどれぐらい充実しているのかわからなくて購入をこれまで見送っていたのですが(図書館にもなかったし)、思いきって買ってみました。けっこうな内容でした。霊能者がどれだけいかさまを意識しているかについては、本気で霊能力があると思っているひとというのもいて、このひとたちは業界のイメージアップにつながるので業界の周辺にうろつくのをゆるされているそうで、わかっているひとのなかにも、いかさまをしているけれどこれは霊の手助けなんだと自分を納得させているタイプと、完全にわかってやっているタイプの2種類があるそうです。心霊業界を形成するは完全にわかってやっているタイプです。

 ちょっとまえに、相手の情報をそれとわからせずに聞きだす話術、コールド・リーディングを紹介しましたが、心霊業界のひとはそういうのは、ほんとうに困ったときにしかつかわないようです。交霊会に訪れるひとたちの情報をファイルしていて霊能者たちのあいだで交換している。これをつかって言い当てています。全米と外国の一部にひろがるスパイ網ができてるわけです。

 日本の宗教法人もやばいですが、アメリカもかなりやばいようです。教会組織をつくるのに弁護士がひとりいればよく、あとはいうことをききそうな信者をあつめて理事会をつくればオーケー。好き勝手にどんな権限でも権威でも肩書きをつけてもいいそうです(学位だっていい)。信教の自由で守られ、国の調査はまず入らない。犯罪者天国です。

 著者は、超能力や心霊に興味をもつのはいいけれど(本人も信じている)、霊能者にかかわるのは絶対にやめたほうがいいと忠告しています。

"サイキック・マフィア"
M・ラマー・キーン
太田出版
1680円
Amazonアソシエイト

2006年4月 9日

コールド・リーディング

 パソコンのデスクトップでつかうアイコンをさがしているときにみつけたSHIN-ICHIさんのSurviveplus.net。みごとなできばえのアイコンがそろっていました。それからもときおり通うようになっていて、ブログもひんぱんにチェックするようになりました。

 SHIN-ICHIさんは、コミュニケーション関係の本をたくさん読んでいてブログでも紹介してくれているのですが、先日は、石井裕之さんが書いたコールド・リーディングをつかったコミュニケーション術の本をとりあげていました。コールド・リーディングというのは、ニセ占い師やニセ超能力者が相手のことをいい当てるのにつかっているテクニックです。SHIN-ICHIさんが「つかえる」と太鼓判をおしているし、コールド・リーディングという技法にも興味があります。買って読んでみることにしました。
 ただし、わたしの場合は、仕事に生かそうというのではなくて、趣味の小説書きにつかえないかという思わくがあります。

 じつをいえばわたしは、自己啓発本もそうですがこういうHow-to本は好みじゃありません。内容が薄すぎるんですよね。こういう本をつくるひとは、昔あった学研の子ども向けの入門書を見習ってほしいと思います。あれは興味をもたせることも書いてあるし、実用的なテクニックもたくさん書いてありました。

 さて、今回は石井裕之さんの「相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディング」と「一瞬で信じこませる話術コールドリーディング」の2冊を購入。

4534040393.09._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg 一冊目は「相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディング」。
 まず役にたちそうなのは、ものの言い方を、人間のタイプをMeタイプとWeタイプのふたつにわけて、つかいわける方法です。Meタイプは志向が自分に向いていてる。Weタイプは逆に周りに意識がむいていて一体感や他人の役に立てることに満足をみいだします。Meタイプは簡潔に用件だけの簡潔な表現を好み、Weタイプは雑談をまじえて感情をこめた会話をたのしむような表現を好みます。Meは、きみならできる・きみにしかできない、という方向でなにかを頼むとよく、Weは、きみにもできるよ、わたしたちも協力するよという言い方のほうがいい。など、話し方をどうするか選ぶのにべんりです。これは登場人物の作成に役に立つのではないかと思います。脇役の性格づけにすぐにつかえそうです。
 それから、話しているときの「But」の使い方。「しかし」とか「でも」の接続詞のButです。たとえばビジネスで資料をおくってもらえたんだけどちょっと不備があって改善してもらいたい場合、「資料ありがとうございました。非常に充実した内容で…」とほめてから「ですが、できましたら前半の検証部分のデータにもう少し細かい数値をいれていただけるとたいへん助かります。…」とするよりも、「資料ありがとうございました。恐縮ですが、できましたら前半の検証部分のデータにもう少し細かい数値をいれていただけないでしょうか」とやってから「その点おねがいいしますが、いただいた資料は非常に充実した内容で…」とあとでほめたほうが、相手にあたえる印象はよくなります。Butでつないだ後半部分が相手の印象にのこるので、ほめるほうをかならず後にした方がいい、ということです。

4894511967.01._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg さて二冊目の「一瞬で信じこませる話術コールドリーディング」は、コールド・リーディングそのものにせまった内容です。一冊目は、これはどこがコールド・リーディングなんだろうと思ったのですが、こちらを読むとなるほどコールド・リーディングの技術が生かされてたんだなというのがわかります。うーん、しかし、テレビにでている占い師や超能力犯罪捜査官ってコールド・リーディングつかってるね。
 目立った技術としては「ストックスピール」。だれもが当てはまるようなフレーズをつかって、相手の情報をひきだします。はずれていれば意味の範囲を広げ(ズーム・アウト)、当たってそうであれば範囲を絞り具体的な内容にせまります(ズーム・イン)。
 それから「アンビバレンス」。これはひとの二面性を利用した方法。
 そして「サトルネガティブ(Subtle-Negatives)」。否定疑問文といわれるもので、具体的には「あなたは気が短くありませんよね?」といって、相手が「そうです。よくわかりましたね」とほんとうに気が短くてもよく、「いいえ、気が長い方です」と答えても、「ああ、そうだと思った」とどちらにも展開できる話法。こういうふうにベタにつかった場合は、はずれるとちょっといいわけがましい展開になりますが、相手の情報を引きだせるので、うまみがあります。本には応用例もあって、それだとより自然に展開していけます。
 「サトルクエスチョン」。あてずっぽうな疑問をあげて相手に答えてもらって情報を引きだします。じつは質問しているだけというのをわからせないようにする方法です。たとえば「なにか過去に怖いことがありましたね?」というだけだと質問なのですが、「動物がみえます。子どものあなたはそれをとても怖がっています。それになにか心当たりがありますか?」と「動物」と具体的にいえばこちらは質問ではな、くいわれるまえに「動物」がみえたんだよといってることになります。(もし、相手がそんなことはない動物は大好きだったといえば、「いや怖がっているんじゃない。悲しんでいるみたいです」とでも展開させればまず大丈夫でしょう)。
 そして「サトルプリディクション」。未来を予言して、それが当たったかのように思わせるテクニックです。占い師がさいごに「水に気をつけなさい」とかいってるあれですね。いまの占いが疑心暗鬼でも、最後のこのフレーズに思い当たる出来事がおこれば、ぜーんぶ信じてくれるようになるわけです。
 うーん、直接、小説を書くのに役に立つかなー。文章のながれを考えるにはいいかも。

 どっちも半日かからずに読むことができるので興味があるひとはお気軽にどうぞ。

"相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディング"
石井 裕之
日本実業出版社
1365円
Amazonアソシエイト

"一瞬で信じこませる話術コールドリーディング"
石井 裕之
フォレスト出版
1365円
Amazonアソシエイト

2006年4月 7日

誰も教えてくれない聖書の読み方

4794964730.09._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg 聖書の言葉をそのままうけとって、おいおい、そりゃやばくないの!とつっこみをいれて、おもしろおかしく楽しみながら聖書が学べるガイドブック。
 アメリカではこの本のおかげで聖書の売り上げがのびたそうです。ほんとにそんなこと書いてあるのという興味からだそうですが、わざわざ買うってことは意外にもふつうのアメリカ人は聖書を読んでないんですね。

 作者はたぶん、聖書を文字通り一字一句すべてそのまま正しいと信じているキリスト教原理主義者が嫌いなんでしょう。一字一句が真実だって? そうするとこんなにやばいことになるんだぜ、支離滅裂、一貫性もないよ、爆笑もんだよ、と示したわけです。


 最近、キリスト教原理主義のひとは「世界は神さまがお創りになった」っていうのを進化論のかわりに学校で教えることにしたくって、なんだかそれを「インテリジェント・デザイン」(ID)って呼んでいるらしい。なにもないところから進化してひとりでに人間ができあがってきたなんてちょっとむちゃな説明じゃない? だってこんなに複雑なんだぜ人間は。調べれば調べるほど驚異的だよ。やっぱり、なんか知性のあるもの(インテリジェント)が人間をつくたんじゃない? ってことなんだけど、説明は遠回りなんだけど、ほんとうにいいたいのは「世界は神さまがお創りになった」なんですよね。言葉をかえて、宗教じゃないよ科学なんだよとみせかけようとしているだけ。
 このインテリジェント・デザインを皮肉って「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」というのがあります。インテリジェント・デザインを唱えるひとたちは、インテリジェント(なんらかの知性)がなんなのかはいいません(ばれちゃうからね)。そこで、それは「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」だ。空飛ぶスパゲッティ・モンスターが創りだしたのだ、と主張してからかっているわけです。

(まあ、ガチガチに宗教やってるひとも根はいいやつだっていうのはわかるんだよね。世の中のことに無関心じゃないし、まじめで、熱心。美徳をもっているのはたしかなんだ)。

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Church of the Flying Spaghetti Monster

"誰も教えてくれない聖書の読み方"
ケン・スミス
晶文社
1890円
Amazonアソシエイト

聖書の常識

4163647503.09._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg この本は、歴史的事実から聖書の成り立ちを解説した「聖書の常識」と、聖書の誕生の地パレスチナを訪れ,
聖書の中に登場する場所へ行く「聖書の旅」からなっています。

 聖書を読むといっても、現在ならばふつう、新約聖書の中のお話を、いまの感覚で昔のことを推測しつつ自分で解釈するか、あるいはだれかクリスチャンに、わたしはこれはこう思いますと彼・彼女の信仰を語ってもらうことはあっても、どういう感覚で聖書がつくられ当時のひとがそれをどうあつかってきたかを知ることはできませんでした。したがってなおのこと、イエスが当時のユダヤ人としてどういう日常感覚を持ち、どういう衝動につきうごかされ行動したのかを知ることもありませんでした(クリスチャンが自分の思いを託してイメージした人物像は知ることはあっても)。しかし、やっとそういうことを教えてくれる本に出会えました。 

 聖書の原初からイエス・キリストにいたるまでの歴史と、当時のひとびとの信仰の感覚がつかめるのでとても勉強になります。「聖書の旅」のほうも、旅行記のおもしろさだけではなく、その場所に該当する聖書の物語をくわしく話してくれているのでいいガイドさんにあたった修学旅行のようにたのしめます。

"聖書の常識"
山本七平
文藝春秋
2200円
Amazonアソシエイト