2006年8月23日

狂乱家族日記 六さつめ

Amazon.co.jp: 狂乱家族日記 六さつめ: 本: 日日日,x6suke 5巻と上下になっていた下巻。褐色皇帝とよばれる特殊なライオン一族の生きのこり、乱崎家の一員でもある"帝架"と"マダラ"の確執に決着がつきます。乱崎家の母親・ネコ耳少女の"凶華"がこれまでのように身勝手な大騒ぎを起こすのです。

 このシリーズ。いくつかの人物の複数のストーリーで、あるていど一本の大きなストーリーを描くようになってきました。自分はそういうのは好きなので、"いい"と思うのですが、、出し惜しみしているのか、計算違いでやりすぎたのを軌道修正しているのか、人物の印象がいきつもどりつしているところがあるのが、ちょっとざんねんです。この人物がどういうひとなのか、味方なのか敵なのか、なにをしようとしているのかというのが重要な局面なので隔靴掻痒、話を進めてくれー、という感じなのです。

 さて、今回の終わりには、"来るべき災厄"と呼ばれてきたものがついに登場。しかし、このまま進まれると安っぽいSFマンガなみに尻つぼみになってしまうような登場のしかた。
 でも、巻末のキャラたちの対談(わー、おたく)では、凶華さんが最大の馬鹿騒ぎにしてやる宣言をしているので期待できそうです。

"狂乱家族日記 六さつめ"
日日日
エンターブレイン(ファミ通文庫)
588円
Amazonアソシエイト

2006年8月20日

ロッキード事件「葬られた真実」

Amazon.co.jp: ロッキード事件「葬られた真実」: 本: 平野 貞夫 事件解明に努めたはずの国会および検察によって隠されてしまったこと。当時、国会職員で衆議院議長の秘書だった著者による"舞台裏"で起こっていたできごとと、現在になってようやくわかってきた事実によるロッキード事件の総括。

 ロッキード事件の真相解明につとめたといわれる当時の首相、三木武夫も、事件の真相よりも、関わった政治家の名まえを表に出すことを求めていた、つまり、事件の追及は権力闘争のカードであったようです。それをめぐって検察との"正義の味方"にどちらがなるかの競争がおこなわれ、検察も法を犯して田中角栄の首を狙いにいきます。野党の動きも真相究明からはほど遠く、へたな自己アピールにしかなりませんでした。

 田中角栄の収賄は、この事件のほんの一部でしかなく、政界の黒幕、フィクサーと称された児玉誉士夫ルートは解明されることなく終わりました。田中角栄の収賄は5億、全日空への旅客機の売り込み30億円分が解明されましたが、疑惑の民間航空機導入の総額は800億円、児玉誉士夫へのロッキード社からの金銭授受21億円、まったく解明されなかった自衛隊へのロッキード社の対潜哨戒機P3Cの導入3000億円は闇に葬られることになりました。
 田中角栄だけに焦点をしぼりこませ、逮捕で一件落着、幕を引いてしまいました。
 助かった政治家が何人もいるでしょう。
 また児玉誉士夫はCIAのエージェントであったことも知られています。米国の工作が行われていたわけです。
 スケープゴートにされた田中角栄はこれを恨みに政治を裏から操る「闇将軍」となっていきます。

 このロッキード事件の真相解明の顛末が、政治家が罪を逃れ、検察の捜査が政治権力によって左右される悪い前例となって、いまに至っていると、著者の平野貞夫さんは指摘しています。リクルート事件、ライブドア事件、村上ファンド事件などがそうです。政治家や上級官僚はのうのうとしています。

平野貞夫さんのブログ記事
第22回『ロッキード事件 葬られた真実』の刊行について
第24回「ロッキード事件の総括をすべきだ」

"ロッキード事件「葬られた真実」"
平野貞夫
講談社
1680円
Amazonアソシエイト

2006年8月15日

仕手現場の仕掛け人 真実の告白

Amazon.co.jp: 仕手現場の仕掛け人 真実の告白: 本: 松本 弘樹 仕手というのは、株価操作をして儲ける手口のことで、語源は「能や狂言の主役」のことを仕手といっており、大儲けをたくらむ相場師の大仕掛けを舞台に見立てて言った言葉なのでしょう。
 この本は、仕手を歴史的に追いながら、株で儲けるしくみをわかりやすく説明し、最後にはネットトレーダーを含めた現代の仕手、"堀江"や"村上"の事件にまで言及しています。

 堀江、村上の事件のカラクリがよくわかります。なるほど相場師ってこういうことをしていたのかと興味深く読みました。企業の資金調達という面はまったく忘れられて、ただギャンブルになっているんですね。
 仕手のマニュアル本ではないので、それを求めるとがっかりするかもしれません。
 内容のむずかしさは、ちょっと株のことを知っているぐらいで楽に読んでいくことができます。専門用語は使った後に説明が入ってきますが、途中でなんだったっけと忘れたり、株をやっているひとならたぶんみんな知っている用語がポロッとでてきたりするので、そこでちょっと引っかかるていどです。(ポロッとでてくる例をあげると、自分は"タネ玉"ってなんだかわりませんでした。ネットを検索してみても、みんな説明なしに使っています。玉はタマでなくギョクらしいです)。

 ライブドアショックが起こるかなりまえから、右よりの情報源(ネット、雑誌)では堀江がただの乗っ取り屋でライブドアは虚業であることが指摘されていましたが、ライブドアの株を買って損をしたひとのブログでは「堀江さんを信用していたのに」という言葉が多く聞かれました。しかし、いったいなにを信用していたんでしょう? 調べれば簡単に"彼は信用できない"とわかる状況だったのに。もしかすると、これまでの株の値動きしか見ていなかったんじゃないでしょうか。仕手をするひとは、どういう企業かまったく見ないで株を買います。値動きしか興味がないわけです。そうすろと、したほう(堀江)も、ひっかかったほうも、おなじ虚に生きるタイプだったということなのでしょう。(堀江は売りぬけて、つまり、儲けて、これを終わらせてます)。

"仕手現場の仕掛け人 真実の告白"
松本弘樹
ダイヤモンド社
1680円
Amazonアソシエイト

2006年8月13日

キッチン・コンフィデンシャル

Amazon.co.jp: キッチン・コンフィデンシャル: 本: アンソニー ボーデイン,Anthony Bourdain,野中 邦子 コック。キッチンのならず者たち。雄のフェロモンむんむん。口が悪く、下ネタを飛ばし、ドラッグを常用し、セックスにおぼれる。多かれ少なかれ非社会的な性格の持ち主だが、料理の腕は抜群。料理を心から愛している。そんな愛すべき者たちが住む、われわれには見えない裏側の世界が描かるコラム集。

 序盤は、著者の生いたちから始まり、このへんはこの本のおもしろさからいえばまだまだで、だんだんとこの世界が見えてきて、さまざまな人物が描かれるようになってくると、強烈にたのしくなってきてやめられなくなります。

 暴露話として強烈なのは、前置きをちょっとしたあとに"月曜日には魚料理を注文しない"といって始める、いわゆる"食べてはいけない"話。こういうのは料理の裏側を話すとかならずついてまわりますよね。ほかの章にあるんですが、ランチメニューは前日の残り物からこしらえるんだそうです。おもしろおかしく、ほとんどフォローしないので話としてはすごくおもしろいんだけど、外食できなくなっちゃいますよね。でも、家庭よりはまし? ほんとうに?

 この直後に、シェフがつかう道具の話があって、包丁(ナイフ)は何本もそろえるんじゃなくて、手になじむ上等のシェフナイフ一本だけでいいんだそうです。おすすめはグローバル(日本の吉田金属工業のブランド)のシェフナイフがいいって描いてあるんですが、グローバルのサイトを見てもシェフナイフと書かれたものはありません。どれのことをいっているんだろうと調べてみたら、こちらのブログでわかりました。G-2:牛刀として売られているものがそうです。ちょうど自分用の包丁がほしいと思っていたところだったんで買っちゃいました。日本の包丁を使いなれていると数センチ長く感じます。これから買うというひとがは、いま自分が使っている包丁が長くなったら使いづらいなと思われるなら、グローバルのサイトのオンラインショップに短めの牛刀がありますし、文化や三徳といった日本独自のスタイルの包丁もあるので、そちらを選ばれるのもいいかもしれません。

"キッチン・コンフィデンシャル"
アンソニー ボーデイン
新潮社
820円
Amazonアソシエイト

2006年8月 2日

狂乱家族日記 伍さつめ

Amazon.co.jp: 狂乱家族日記 伍さつめ: 本: 日日日,x6suke おや今回はおかしいぞ。のこり4分の1をのこして思いました。物語が展開しない。4巻の後日談という感じ。

 狂乱家族の作戦を支えている超常現象対策局の局長に突如就任した死神2番こと平塚雷蝶によって局内は粛正され状況は一変。雷蝶自身も変な女の子キャラで狂気爆発ですごかったんですが、5巻になると、いきなり変なりにもかわいい女の子キャラになってしまい、あらもしや狂乱家族の味方なのかというぐらいに落ちついてしまいがっかり。でもこれは後への布石なのかもしれません。狂乱家族"乱崎(みだれざき)家"の良心、優歌も最初は怖がっていたけど、雷蝶が自分とおなじくお菓子好きということをしって、怖いと思ったけどちがっていたと、4巻からこの5巻を読んできた読者とおなじ体験をしています。伏線を張ったら、あいまいにごまかさずにかならず使うのが、この作者、日日日さんです。

 しかもどうやら、これは6巻と上下になるストーリーだそうで、なるほど、これから展開するのかと、ひと安心。

 むむ、6巻は先月末にでたのか。
 買いに行かなくては。

"狂乱家族日記 伍さつめ"
日日日
エンターブレイン(ファミ通文庫)
588円
Amazonアソシエイト