REC/レック
消防署員への取材をしていた女性リポーターが、同行した緊急出動先のアパートで、太った中年女性が血まみれで半狂乱になっている状況に遭遇。落ち着かせようと近づいた警官と消防署員のひとりが噛みつかれてしまう。病院へ搬送しようとするが、なぜかアパートの出入り口は警察によって外から封鎖され、出ることができなくなっていた。……
ゾンビ映画です。
すべての映像は、リポーターに同行しているカメラマンがとったものという体(てい)になっており、いわゆるフェイクドキュメントと称されるスタイルの作品ですが、これはあまり成功しているとは思えません。リポーターの女性が、ドラマっぽい芝居をするし、カメラは手持ちカメラなんですが、これもなにか不自然な感じがあって、ドキュメンタリーを見ているような気分になりません。ただしカメラの人が上手なのでブレが少なく、アングルも良く、とても見やすい、迫力のある映像になっています。
アパートは、海外の映画でよくみる、5階建てぐらいで、真ん中に回り階段があるタイプの集合住宅です。
わりあい狭い上に、階段を通してしか上下に移動できません。
ゾンビは最近の「走るゾンビ」です。力もあります。ゾンビというより、最高に狂った人間といったほうがイメージがつかみやすいかもしれません。
当然のように映画では、鍵は上の階にあり、脱出は地下の扉を開けて、といったぐあいに、行ったり来たりしなけらばならなくなります。
たまらないスリルが味わえます。
ラストでは、このゾンビ事件の原因がわかります。これは自分は好きでした。
理由そのものおもしろいと思いましたし、映画の最後の方でまたドラマ性がでてきたことも評価できます。
ゾンビ映画というのは、物語性がどんどん崩壊していって、最後は追っかけっこで、登場人物は助かったとしても、ゾンビ被害としてはぜんぜん助かっていなかったというオチがつくのが定番です。
物語性が崩壊するのは、登場人物側の信頼関係がゾンビ化によって無残にもぶち切られてしまうからです。どんな固い絆も一瞬で完全におしまい。家族も、友情も、高潔さも、なにもかもが失われ
*1
、ドラマが枯渇するのです。
この映画は、視点をこの場から全体を俯瞰する位置にちょっとずらすことで物語性を維持します。
おもしろい映画でした。



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