2007年8月25日

怪談

 先週の末に「怪談」を観ました。

 監督は「リング」でおなじみの中田秀夫。
 原作は三遊亭円朝の「真景累ヶ淵」。こちらは青空文庫に入っているのでネットで読むことができます(→こちら)。

 自分は「真景累ヶ淵」はまだ読んでいませんが(あとで読みます)、「累ヶ淵」自体は、以前に紹介した「日本古典文学幻想コレクション3 怪談」、須永朝彦さんの翻訳で読んでいます。
 「累ヶ淵」は、何度か妻を迎えるがみな早くに亡くなってしまう男がいて、坊さんに調べてもらうとそれは以前ころした女の霊が祟っていたためだったっていうもので、その女を供養して、これで"おしまい"になるはずが、じつは......という展開のお話です。絡み合う因縁が恐ろしい物語になっています。
 もともと怪談は、仏教の教えを実生活にもとづいてわかりやすく説明し、そして身に染みてわかってもらうためのものが多く(仏教説話とよばれます)、現代のホラーでも批判色・教訓が強いものがありますよね。あんな感じのものでした。なぜ悪いことをしてはいけないのか、ばれなければだいじょうぶと思ってるひともいるようだけどそうじゃないんだよ、そういうことを教えるものです。ただ怖がるだけのものとは違うんですよね。

 「真景累ヶ淵」は、その「累ヶ淵」をベースにした円朝オリジナルのストーリーのようです。映画では、そのストーリーをしぼって、愛の恐ろしさ悲しさに焦点をあてた物語にしています。

 全体として怖がらせる映画ではないのですが、いわゆるホラー映画っぽい"怖がらせ"のシーンがいくつか挿入されています。自分はでも、これは無かった方が良いように思いました。物事の展開していく方向の規則性を見るだけでも充分おもしろみがありますし、作品をより品良くみせるんじゃないかなと思います。

 映画にでてくる赤ちゃんが、雑誌の写真でよくみる中田秀夫監督に似ていました。実際にくらべると違うのかもしれませんが、映画だけみているかぎりでは中田監督のイメージです。泣かない赤ん坊で、じーっと主人公の男をみつめて怖がらせる役なんですよ。監督は意識していたのかなー。

2007年8月18日

オーシャンズ13

 ラスベガスに新しいカジノホテルが誕生した。
 しかし、オーシャンたちにとっては、そのホテルを無事にオープンさせるわけにはいかなかった。
 建設の際に、仲間のひとりがホテルのオーナーに手ひどい騙しをくらっていたのだ。
 オーシャンたちは復讐を計画する。


 前作は盗みのギミックも、ストーリー上のトリックも、しっかり仕掛けられていましたが、今作はほとんど
そういうものがありません。ストーリー展開が"いきなり"にならないようにだけ、説明の役割として、伏線がはられているぐらい。ミステリー的なアクロバティックな急展開はなく、ストーリーの流れにまかせて観てゆくタイプになっています。

 仕掛けは少なく、展開もユルユルなんですが、でも今回の方がだんぜんおもしろいできあがりになっています。

 登場人物が多い場合は、ユルいストーリーのほうがいいのかもしれませんね。おなじできごとにたいして個々にリアクション起こすから厚みみたいなものがでてくるんでしょう。みため複雑でなくても意外と要素が多くて食べづらくなっていくんじゃないかと思います。


2007年8月 3日

レミーのおいしいレストラン

 味覚、嗅覚、料理の才能を持って生れたネズミちゃんが、料理ベタの見習い君といっしょにシェフをめざすストーリー。
 ネタバレするので詳しく書きませんが、ストーリーは教科書になりそうなくらい王道、細部の描写でで笑いをとっていきます。まことにピクサーらしいアニメです。

 CGアニメは空間に独特の空虚さがあって、悪い意味でとても人工的で、観ていて寂しさを感じてしまうのですが、この作品は、背景にたくさんひとが動いているせいか、空間がほどよく詰まっていて、それにちゃんと生きている街が描かれている感じがありました。