アイ,ロボット
アイ,ロボットを観てきました。
おもしろかったです。
ストーリーは、ロボットが家電製品としてふつうに存在する社会、ロボット工学の神さま的存在の博士が投身自殺をする。ダイイングメッセージとして残されたホログラムに呼びだされたスプーナー刑事(ウィル・スミス)は、博士の研究室にかくれていたロボットを発見、犯人だと疑う。しかし、そのロボットは企業の圧力によって回収、事件も闇に葬られる。あきらめきれないスプーナーは独自に捜査を開始、そのときからロボットに命を狙われはじめる。ロボットは、ロボット三原則の一「ロボットは人間に危害を加えてはならない」を守っており、殺人などできないはずだったのだが。
人間とロボットの違い、心とか、哲学的でむずかしくなりがちですが、てきとうなところでそれをうまくスルーして、なかなかのエンタテイメント作品にしあげています。
旧約聖書や哲学書を引用してむずかしいようなことをいってなにか匂わせるだけで終わらしてしまう今の哲学的な映画の手法は私は好きになれません。着飾っているだけ、虎の威を借る狐です。
原作者のアジモフ博士は、ロボット三原則というロボットの行動をきめる基礎となるルールをまずつくりだし、ルールにそって行動しながらなぜかそのルールを破ったような行動をするロボットがあらわれ、それはなぜなのかを推理するロボットものの短篇小説を何本も書きました。パズル的なおもしろさ、知的ロボットが陥るジレンマに興味をひかれ、十代のころ、私も読んでいました。
それは、哲学的というより、人間への洞察の鋭さが、魅力でした。ロボットが陥るジレンマは人間が陥るジレンマそのものだからです。単純な目的のために、単純な規則をつくりあげ、それで完璧にうまくいくはずなのに、現実ではさまざまな矛盾があらわれる。宗教しかり、共産主義しかり。なかなかたいへんなのです。





