環境危機をあおってはいけない
環境保護団体や個人は、自分のいうことに注目してもらいたいためなのか、やたら大げさに騒ぎたてる傾向があるし、一部をのぞいては根拠を示さずに物を言っているところもあります。だから、本当のところ、環境はどうなっているかはわからないし、当然、彼らの問題解決能力にも大きな疑問を感じます。
そこでなにかいい本がないかとさがしてみつけたのがこの本です。値段が高いので、ちょっと迷いましたが、答えがみつかるならばと思いきって購入しました。
著者は、ある日雑誌で経済学者のジュリアン・サイモンが、(環境保護活動家の考え方は)先入観とダメな統計に基づくものでしかない(つまり正しくない)、といっているのを読んで、なにをーと思って調べていったのだそうです。彼は、大学で統計学を教えていたし、グリンピースを支持するタイプだったからです。実際に調べてみると、たしかにサイモンのいうとおりで、自分が思いこんでいた知識と現実は違っていることを知ります。
さて、それでは、なにが書いてあったか、を大まかに書いてみます。
まずは生活環境。寿命はのびているの? 人口はどれくらい? ひとが増えすぎちゃうっていってるけど将来はどうなるの? 食料はたりるの? 追いつかなくならない?
よくいわれる森林破壊について。森林はいうほどなくなってはいないこと。どれだけ森林があれば地球はだいじょうぶなのか、など。
それから、エネルギー問題。ずーっと、ずーっとまえから、あと何年で石油はなくなっちゃうよ、っていわれつづけてきたけど、そうなってないのはなぜか、について。また、そのほかの地下資源についてもおなじ問題をあつかっています。
そして、公害について。大気汚染、酸性雨、水質汚染、ゴミの捨て場(なくなっちゃわないの?)。その現実もまた、われわれが思っていることとはちがうのがわかります。
それから、農薬によるガンの危険性(タバコやアルコールにくらべたらないもおなじだって!)。そして環境ホルモンについての本当の話。
そして、生物多様性。どれくらいの種が絶滅しているのか。
そして、地球温暖化の実際について大きくページがさかれています。京都議定書を各国が遵守しても2100年での温度上昇を6年遅らせるだけの効果しかない!、というかそれじゃあ効果がないのとおなじなで、削減につかわれる費用を二酸化炭素をださない代替エネルギーの開発・技術革新(こっちのほうが安ければみんなこっちをつかうようになるでしょ)につかったほうがいいみたい。
けっこうたくさんのことが書かれているので、読み終えるまで時間がかかりました。たぶん、興味あるテーマから読み進めていっちゃったほうがいいです。
データの扱い方や問題対処の方法(優先順位の付け方、コストと効果の考え方。いろんなことすべてをいっぺんに解決できないから)などは、これからの環境保護のために有用でしょう。環境活動しているひとに読んでもらいたいけど、でも感情的にうけつけてくれないかも。まちがってるっていわれてるんだから。


