なぜそれをやりたいのかを明確にする
そもそも「やりたくないけど、やらなきゃいけない」というのは裏を返せば「やりたい」でもある、というところから入りたいと思います。
やらなきゃいけない…とは言うものの、本当にやりたくないならやらなきゃいいわけです。
学校の課題、仕事、なんかの練習などなど。
別にやらなかったところで、多くの場合では、地球が爆発したり、宇宙が消し飛んだりはしません。
「でも、やらないわけにはいかん」と考えているのは、他でもない自分であるということを認識するべきです。
たとえば学校の課題をやらなかったとしても、デメリットは「周りを見て負い目を感じる」「成績が下がる」「あとあとだるい」くらいなものです。
それが嫌で、「課題をやる」という選択を率先して取ろうとしているのは自分だから、「やりたい」ということになるわけです。
まあゲームやりたいとかバーベキューやりたいの「やりたい」とは感覚が違いますが。
そんな感じで、それではこの項の内容に入っていきたいと思います。
僕の場合はたとえば「ブログ書かなきゃ!」=「ブログ書きたい」という思いがあるのですが、まず、なぜそれをしなきゃいけない&したいのかを明確にします。
そもそもの動機をはっきりさせておかないと、あいまいな気持ちのままでは相応のことしかできないからです。
別にサツマイモを食べたくないという人は、サツマイモを食べるために努力しません。
自分は本当にサツマイモを食べたいのか、なんで食べたいのかを明確にしておくことで1つ芯ができます。
僕の場合は、「ブログで得たお金を生活費の足しにしたい」という動機です。
もっと掘って、なぜバイトとかではなくブログなのかというと「執筆が苦ではないから」「記事が溜まっていって、自分が実働していない間も働いてくれると思うから」みたいな感じになります。
こうして考えていくと自分がブログを書かなきゃいけない理由、動機がいまいちど明確になり、自分の背中を押してくれます。
ちなみにこういう考え事をするときは、メモに書き出すのがおすすめです。
頭の中だけで考えているより思考が整理されますし、あとになって見直すこともできるようになります。
僕もよくめんどうで書き出さないことがあるのですが、軽い思考でない限り、基本的には書き出した方が自分のためになります。
「頭の中でぐるぐる考えるのは考えてないのと一緒」というくらいの気持ちでもいいと思うくらいです。
あんまり書き出して考えたことがないという方はぜひやってみてください。
スマホのメモ機能でも十分です。
頭の中だけでは至らなかった考えがボロボロ出てきますよ!
やりきったら何が得られるのかを明確にする
上の項目とほとんどまったく同じ話ですが、「見返りを明確に想像しよう」ということです。
よく言われることですが、たとえば「時間制限なしで何日かかってもいいから、とにかく100km走り切ったら2億円もらえる」という状況になったら、きっとどんなに走るのが嫌いな人でもやりますよね。
逆に「もしよければ100km走っていただけませんか?報酬は爪切り40個です。」と頼まれても、多くの人はやらないと思います。
他には「とりあえず100km走ってください。報酬は今は教えません。」とか言われても、まあ多分やらないですよね。
というように、自分のすることに対する見返りが十分あると思えていないと、人はなかなか動かないものです。
なのでそこを明確に想像しようという話です。
たとえば学校の課題をやらなきゃいけないということであれば、やり終わったときの自分の状況を想像します。
課題というしがらみから解放され、心おきなく好きなことをできる…そんな状況です。
ただし注意で、不確定なものを想像するとリスクがあります。
どういうことか、たとえば僕で言うと「イラストのコンペ」に投稿する作品を作らなきゃ!という状況にあるとします。
もちろん、受賞したら輝かしい見返りがあります。
ですが、これって頑張って投稿したところで受賞するかどうかなんてのは分かりません。
むしろ落ちる可能性の方が高いと言えるでしょう。
そんな状況で「よし、投稿するために頑張るぜ。受賞したら30万円だ。ウオー!」ってはりきっていても、いざ受賞しなかったときの精神的ダメージが大きいわけです。
「もし受賞したら…」とドキドキするのは、行動する上でいい刺激にはなりますが、常にそれを気に留めていると後々スカった時しんどくなります。僕は経験済みです…。
そういう時はもっと確実なものを想像するのがおすすめです。
この場合で言えば、見返りは「受賞」ではなく、「スキルアップ」と考えるのが良いと思います。
賞やコンペに投稿しても受賞するかどうかは分かりませんが、ひとつ作品を仕上げて提出したということでスキルアップは確実だからです。
他には「自信」という見返りを想像するのもいいかもしれません。
自分は賞に作品を出したんだという自信が得られるということです。
これもその後につながるいい見返りだと思います。
そんな感じで、上の項目の動機を明確にするのと併せて見返りを明確に想像するのをおすすめします。
どっちもメモに書き出すと良いです。
次はもうちょい具体的な、行動する上での仕組みづくりの話です。
やらないとまずい状況を作る
なにもしなくて済む状況というのは、行動する上では大きな弊害です。
やらなきゃいけないことが一向にできないという時、実は「なんだかんだやらなくても済んでる」パターンがよくあります。
それを無くそうという話です。
僕は先日、初めての漫画制作をしました。
毎月開催される新人賞に応募してみたくて頑張っていたのですが、投稿するのは9月の賞か10月の賞か、もしくは諦めてしまうか、という選択肢がありました。
9月に出すとするとかなり急ピッチで作業する必要がありました。
結局9月中になんとか仕上げて投稿したのですが、その間頑張れたのは、頑張れるような状況を自分で作ったからです。
9月中になんとかいけるかもしれないな、という段階で、出版社に持ち込みの予約をしたのです。
持ち込みというのは、自分が描いた漫画を持っていって編集者さんに見てもらうことです。
希望することでそのまま賞にも投稿してもらうことができます。
僕はそこに完成させた漫画を持っていって、賞に投稿しようと考えました。
9月の末に予約を入れさせていただいたのですが、「まさかそこに間に合わないわけにはいかないな」と奮闘するわけですね。
予約を入れてしまったおかげで、「もっとゆっくり仕上げて10月の賞に出そうかな…」とか、「やっぱもうやめちまおうか…」などとクヨクヨ考えずに作業に集中できました。
とは言いつつ実は、割りとクヨクヨ考えました。マジで間に合わなさそうだったので、予約キャンセルしようかと思いました。でも必死に作業して、持ち込みまでに完成…しませんでした。(オイ!)
でもラスト1日でまた必死に作業してなんとか9月の賞に出せました。結果オーライです。
こんな感じに、「やらないとまずい状況を作る」のが有効です。
もし予約もせずに作業を進めていたら、まず9月中の投稿はできなかったと思います。
夏休みの宿題を後回しにする人、結局は夏休み終盤に頑張って取り組みますが、それができるのは「今日やらないとまずい」からです。
逆に夏休みの終盤にならないとやらないのは「今日やらなくても大丈夫」だからです。
「今やらなくても大丈夫」をつぶして、「今やらないとまずい」という状況を自分で作ってしまおうという感じですね。
持ち込みの予約を先にしてしまうとか、そういうちょうどいいことができるパターンというのも多くないと思うので、他に簡単な方法を2つまとめました。
1.人に宣言する
僕のさっきの話の持ち込み予約はこれに近いですね。
親しい誰かに「ワイ、いついつまでに〇〇やるぜ、よろしく」と宣言してしまうのです。
親しくないとあんまり意味なくて、できなかった時にツッコんでくれる人がいいです。
多くの人は「言ったことはちゃんと守りたい、筋を通したいと思う気持ち」があるので、それを利用します。
そんな誠実な気持ちナイヨ!という方は、もっと具体的に、「できなかったらラーメンおごるよ」とかそんな風に言っちゃうのも良いと思います。
そんな感じで、「人に見られてる状況」というのがなかなか強い刺激みたいです。
作業中にまじまじと見られているということではなく、つど進捗を尋ねられるような状況ですね。
次の方法もその状況を意図的に作るのが目的です。
2.人と一緒にやる
ちょうどいい人さえ見つかればかなり優れた方法です。
僕は基本家で作業しているので、外に行く必要があるのはスーパーへの買い出しくらいなのですが、なんとここ2ヵ月ほど、毎日午前中に散歩に行くことに成功しています。
前から毎日散歩は習慣にしたいと思っていたんですが、なかなか定着しませんでした。
今も別に無意識に体が動いたりはしませんし、こないだ完全に忘れてて午後になってしまったりもしましたが、まあ定着したと言っていいでしょう。
定着にいちばん寄与したのは、友達との取り決めです。
毎日、午前中に散歩先の写真を送り合うということを3人でしています。
距離なんかも決めず、ただ送り合うだけなんですが、他人と同じ目標で、他人が遂行してるのに自分だけむげにできません。
毎日写真を見るのもちょっと楽しいし、良い感じにみんな定着してます。
自分のやりたいこと、やらなきゃいけないことが同じもしくは近いという人がいればぜひ、検討してみてください。
なかなかそんな人いないかもしれませんが…。
以上が「やらないとまずい状況を作る」でした。
次です。
誘惑をシャットアウトする
これは物理的な方法です。
簡単に言うと、誘惑をシャットアウトすることで「それしかすることがない状況」を作ります。
僕にはとても効果的でした。
たとえば、ブログを書かなきゃ!という時であれば、ゲームがインストールされていないノートパソコンを使います。
いつも使ってるパソコンには「モンスターをハントする世界」とか「グランドセフトをオートする世界」が入っています。
そんなのそっちやりたいに決まってしまっています。
無類のアイス好きの前に、冷凍したゴーヤとくそうまアイスを並べて、よかったらどちらかどうぞと言ったら絶対アイスを取りますよね。
アイス好きに冷凍ゴーヤを食わせるなら、冷凍ゴーヤしか置いちゃいけないわけです。
それと同じで、やらなきゃいけないことをする時は、誘惑をどかしましょう。
僕の例を他に挙げると、漫画制作に集中してた時、ゲームパソコンを片付けたりしていました。
もちろんセッティングしなおせばいつでもできますが、意外とそこまでしてやらないものです。
ちなみにその時、いつも一緒にゲームしていた友達に「しばらくやらないかも」と宣言しました。
前述の方法との合わせ技です!
そんな感じで、ゲームをしてしまうのであれば片付けたり、スマホをいじっちゃうのであれば電源を切ったり、一旦誰かに預けたりするのもいいかもしれないですね。
図書館や地区センター、カフェなんかに、必要なものだけ持って行くとこれが簡単にできます。
だいぶ集中できます。おすすめ。
スマホさえ持たずに行くといいかもしれません。
学校は、「やらないとまずい状況を作る」と「誘惑をシャットアウトする」のフルコンボですね。
クラスのみんなと一緒にやるし、勉強道具しか持っていけないから周りに誘惑がないし。
なにより家族、友達、先生から見られまくってます。
学校はもはや”そういうもん”レベルなのでアレですが、仕組み次第でやりたくないことでもやれるということの格好の例だと思います。
ハードルを下げに下げる
僕の身近な例ばかりになってしまいますが、たとえばイラスト制作。
文字通り真っ白な状態から、ひとつ作品を仕上げるのは結構大変です。
描かなきゃなあ…と思って真っ白なキャンバスを想像したら、ウゲェってなることもあります。
そんな時は、ハードルを下げに下げる、に尽きます。
「絵描くぞ!」じゃなくて、「まずはラフ描くぞ!」にします。
もっと下げられます。
「とりあえず準備しよう」でもいいし、「いやとりあえず机に向かおう」でもいいです。
とにかく心理的ハードルを下げることが大事。
途中で行き詰っても、「3本だけ線を引こう」というように、ちょっぴりの仕事を課す感じです。
ただし、「そのちょっぴりの仕事を取っ掛かりにたくさん作業してしまおう」と考えてはいけません。
それは実際はハードルが下がってないので。
「3本だけ線を引く」なら本当に3本線を引くだけでいいんです。
「とりあえず準備する」なら準備するだけならでいいんです。
それで気が乗らなければおしまい。
もし万が一気が乗るようなことがあれば、その時はじめて続きを考えてみればいいわけです。
洗い物なんかもそうで、お箸とスプーンだけ洗うか~、という気持ちで向かうとすっごく楽だったりします。
まあ洗い物に関しては、そこで止めたら逆にめんどうなのでどうせやりますけど。
本当に3本だけ描いてやめても、思い立った時に、ことあるごとに繰り返せば確実に進みます。
おすすめの方法です。
脳を知っておく
最後です。
これはどちらかと言うと、新しい行動をしていくための知識です。
常日頃、新たな挑戦をしていきたいものですが…。
今までと違う行動をとるのは、脳にとって大きな負担だそうです。
たしかにそんな感じはしますよね。
「現状の行動で生きていけてるんだから、わざわざ変なことしないでくれ」というのが脳の気持ちらしいです。(実際はそういうことでもないと思うんですが、一旦分かりやすく表現しています。)
脳の部位のうち、将来のための行動、長期的に見て見返りのある行動を理解できるのが「前頭前野」で、
パターン的な、繰り返しの習慣しか認識できないのが「大脳基底核」と言うそう。
新しいことを始めようとする時や、将来のためになにかをする時に働くのが「前頭前野」なんですが、こいつはすぐエネルギーを使い果たしてしまうらしいです。
すると「大脳基底核」が代わって働きだすんですが、こいつは先ほども書いた通り今までのルーティン的な行動しか認識できないので、長期的な目標を持った行動には耐えられず、楽な習慣に移行してしまう、というような流れがある。とのことです。(参考にした書籍は最後に紹介します。)
たしかに、ある日思い立って「こんなことしてみたい」と新しい行動にチャレンジするも、数十分、数時間後には萎えてる、という体験は何度もしたことがあります。
つまり、思い立った序盤は前頭前野で色々考えて進められる。
でもだんだん前頭前野が疲れてくる。
すると習慣大好き大脳基底核が代わりに働きだす。
大脳基底核は習慣的な認識で物事を進めようとするため、
新しい行動をドロップアウトしてしまうということです。
という感じで、新しいことを始めようとするときの抵抗、ためらいは、脳のはたらきによるものなんですね。
その人が怠惰でまぬけでしょうもない人だからではありません。
脳がそうしたいのです。脳のそういう性質なんです。
だから新しいことをしている最中に「あー、いつもの習慣に戻りたい」と思い始めたら、それは前頭前野が疲れてきている証拠なので一度休むのが良いでしょう。
大脳基底核はその新しい挑戦の価値が分からないのです。
そもそも新しい行動・挑戦はうまくいくのか分かりません。
そんな状態で大脳基底核に「無理じゃね?いつもの習慣で行かね?」とささやかれたら、そりゃ「それな?」ってなります。
というように、脳の性質を知っておくことで、新しい行動を進めていくのがスムーズになるのではないでしょうか。
まとめ
以上、やらなきゃいけないことをやる方法でした。
ちょっとでも参考になったり、助けになったりしてたら幸いです。
今回の話のうち、ハードルを下げに下げるという手法と、脳を知っておくでの説明は以下の本の内容をもとに書きました。
この本でより詳しく説明されているので、興味があればぜひ読んでみてください。