春しお

ほんのりとしていて、油で揚げたポテトの甘みが感じられる。
きつさがどこにもない。
うます。
む、ハルシオンってなんだっけ?
2010年3月 8日

ほんのりとしていて、油で揚げたポテトの甘みが感じられる。
きつさがどこにもない。
うます。
む、ハルシオンってなんだっけ?
2010年3月 5日
引退して10年、ブルース・ウェインは、トラウマにつきうごかされ、バットマンとしてよみがえる――。国家はしかし、かつてのようなスーパーヒーローの存在を望んではおらず、多くのヒーローたちは引退するかもしくは捕まって監禁されていた。もっとも有名なヒーローであるスーパーマンは政府と契約を交わし、その配下となることでヒーローとして生きながらえていた。……
バットマンのコミックです。『バットマン:ダークナイト・リターンズ』と続編の『バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン』が収録されています。『ダークナイト』というバットマンの映画がありますが、直接的な関係はありません。このコミックが発表されたのはティム・バートンの『バットマン』の前で、映画シリーズはこのコミックが人気を博したことによります。
『バットマン:ダークナイト・リターンズ』は、反社会的とみなされながらも揺らぐことなく正義を遂行するバットマンと、政府の意向にそって行動するスーパーマンの決戦を描きます。
社会の底辺に押しやられ犯罪集団となっていたミュータントたちに力を示し束ね自分の部下としていくバットマンは、部族の族長のようで頼もしく、腐敗した王朝に反旗を翻す古代中国の英雄のようでもあります。タフであり、幾多の妨害を受けながらも粘り強く正義の火をともし続けるすがたは、もはやすっかり諦めきられてしまったこの世界のヒーローにふさわしい。
後半の『バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン』は、15年後に作られた『バットマン:ダークナイト・リターンズ』の正式な続編です。作品の出来は良くありません。
絵柄はポップで、それ自体はよいのですが、コマが大きくなるほど単純化され、さらに構図もまずくなっていくので、かなり残念な絵になります(一部、彩色に救われているが)。
ストーリーは、DCコミックのたくさんのヒーローたちが説明なしで入れ代わり立ち代わり登場してくるため戸惑わされます。知識があればまた評価が違ってくると思いますが、知らないとわけがわからなくなっていきます。推測もこれほど短期にたくさんでてくると追いつきません。窮地の打開策が伏線なしに新兵器・新たなヒーローの登場となる場合が多く、ほとんどその場での処理となり、
展開が非常に直線的です。内容も、『ダークナイト・リターンズ』にみられる社会との軋轢から正義が悪とみなされてしまう複雑さとそれとの戦いだったものが、今回は、政府を裏で支配している「悪者を倒す」という、一周まわってもとにもどってきてしまったもののとなっており、さらに作者がもそのことを自覚してないようにも思えるので、いささか退化してしまった印象をうけます。
できれば『ストライクス・アゲイン』を読まずに本を閉じてしまうことをおすすめします
*1
。
2010年3月 3日
MTで、三点リーダー(…、てんてんてん、点点点)が三つのコンマに変換されてしまったり、下付きに表示されてしまったりする問題についての備忘録です。
これについては、「オンライン小説なオリジナル小説サイト うにたな」さんがくわしい。
→三点リーダーとMovable Type 4(問題解決) - オンライン小説なオリジナル小説サイト うにたな
[ブログ記事設定]内で[Word特有の文字を置き換える]という項目がある。デフォルトでは[Smart Replace]において[対応するASCII文字]にチェックがはいっていると思う。[置き換えない]に変更してほしい。
バージョンが4.1よりも古い場合(コメント欄も参照)→ MovableType4で三点リーダーを表示する方法 - オンライン小説なオリジナル小説サイト うにたな
これは下の画像にあるように、文字列の中央に点点点がほしいのに、コンマがならんでいるように下に配置されてしまう現象です。

これはフォント指定に問題があります。欧文フォントが和文フォントより先に指定されていたり、欧文フォントだけしか指定されていなかった場合に、欧文フォントの配置が適用されてしまうことでこのように下付になってしまいます。
ですから、和文フォントを指定してやれば、この問題は解決します。
「ブログ」と「MTの入力画面(ブログの入力画面)」とで変更箇所が異なります。
ブログ本体のフォント指定は、テンプレートのスタイルシートを変更してやります。
このブログのテンプレートだと、フォント指定は以下のようになっていました。
* {
margin: 0;
padding: 0;
font-family: Verdana, Arial, sans-serif;
}
body {
font-size: 100%;
}
font-familyでフォントを指定しているので、並びの先頭に和文フォント名を記入しましょう。Windowsだとメイリオや"MS Pゴシック"がいいでしょう。
* {
margin: 0;
padding: 0;
font-family: "MS Pゴシック", Verdana, Arial, sans-serif;
}
body {
font-size: 100%;
}
ただフォント指定の継承を考えると下記の方が各部のフォント指定がしやすいので使い勝手がいいかな、と思います。
* {
margin: 0;
padding: 0;
}
body {
font-size: 100%;
font-family: "MS Pゴシック", Verdana, Arial, sans-serif;
}
これでブログの表示はなおります。(ブラウザのキャッシュに古いファイルが保存されている場合があるのでページを再読み込みしてやりましょう)。
他のテンプレートでも同様にフォントの指定箇所をさがして変更していってください。
ブログ全体に和文フォントを指定すると、装飾につかっている英語の文字のフォントまで変わってしまう場合があるので、「三点リーダーの表示が必要な箇所だけ和文フォントを指定する」か、「全体に和文フォントを指定し、装飾部分には個別に欧文フォントを指定する」かのどちらかの方針でフォントを指定していきましょう
MTの入力画面のフォントを変更する場合は、MTのシステムのスタイルシートmain.cssを変更する必要があります(バージョン4.34-jaの場合)。main.css は、MTのインストールディレクトリから mt-static → css とディレクトリをたどっていくとみつかります。
/* Movable Type (r) (C) 2001-2010 Six Apart, Ltd. All Rights Reserved
* This file is combined from multiple sources. Consult the source files for their
* respective licenses and copyrights.
*/:link,:visited{text-decoration:none;}html,body,div,
ul,ol,li,dl,dt,dd,
form,fieldset,input,textarea,
h1,h2,h3,h4,h5,h6,pre,code,p,blockquote,hr,
th,td{margin:0;padding:0;}h1,h2,h3,h4,h5,h6{font-size:100%;font-weight:normal;}table{border-spacing:0;}fieldset,img,abbr,acronym{border:0;}address,caption,cite,code,dfn,em,strong,b,u,s,i,th,var{font-style:normal;font-weight:normal;}ol,ul{list-style:none;}caption,th{text-align:left;}q:before,q:after{content:'';}a{text-decoration:underline;outline:none;}hr{border:0;height:1px;background-color:#000;color:#000;}a img,:link img,:visited img{border:none;}address{font-style:normal;}body{font-size:12px;line-height:1.3;color:#000;font-family:"Helvetica Neue", Helvetica, Arial, sans-serif;}a:link,
a:visited{color:#33789c;}a:hover,
a:active{color:#a2ad00;}.system a:link,
.system a:visited{color:#7f8833;}.system a:hover,
.system a:active{color:#33789c;}strong{font-weight:bold;}em{font-style:italic;}h1, h2, h3, h4, h5, h6{font-weight:bold;margin:1em 0 .25em;}h1{}h2{font-size:16px;}h3{font-size:14px;}p, ul{margin:0 0 .75em;}dt{font-weight:bold;}textarea{font-size:12px;}select,
input,
textarea{font-family:Arial,Helvetica,clean,HiraKakuPro-W3,Osaka,sans-serif;font-size:14px;}input,
textarea{padding:2px 0;vertical-align:middle;}select,
/* Movable Type (r) (C) 2001-2010 Six Apart, Ltd. All Rights Reserved
* This file is combined from multiple sources. Consult the source files for their
* respective licenses and copyrights.
*/:link,:visited{text-decoration:none;}html,body,div,
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form,fieldset,input,textarea,
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a:visited{color:#33789c;}a:hover,
a:active{color:#a2ad00;}.system a:link,
.system a:visited{color:#7f8833;}.system a:hover,
.system a:active{color:#33789c;}strong{font-weight:bold;}em{font-style:italic;}h1, h2, h3, h4, h5, h6{font-weight:bold;margin:1em 0 .25em;}h1{}h2{font-size:16px;}h3{font-size:14px;}p, ul{margin:0 0 .75em;}dt{font-weight:bold;}textarea{font-size:12px;}select,
input,
textarea{font-family:"MS Pゴシック",Arial,Helvetica,clean,HiraKakuPro-W3,Osaka,sans-serif;font-size:14px;}input,
textarea{padding:2px 0;vertical-align:middle;}select,
2010年2月22日
MTで脚注機能が使えるようになるFootnote Plugin。Wikiみたくかんたんに脚注がつくれるようになります。
脚注部分はタグで囲うんですがさらにそれを<fn>(こんなふうにカッコして書いておくと)</fn>
*1
、表示部分ではそのカッコをはずしてくれるという細かいところにまで気が配られているすぐれたプラグインです。
でも、このカッコの処理、半角でしかしてくれないので、全角でも処理してくれるように、ちょっと手をくわえてみました。
いじくるファイルは footnote.pl です。
気をつけてほしいのは、自分のブログで使っている文字コードでファイルを変更し保存しなければいけないことです。
変更には文字コードを扱えるエディタを利用してください。
変更箇所は、footnote.pl の138行目です *2 。
sub FootnoteString {
my ( $ctx, $args ) = @_;
my $fc = $ctx->stash('footnote_count');
my $tfc = $ctx->stash('footnote_total_count');
my $footnote = $ctx->stash('footnote_strings');
my $val = $args->{value_compiled}
|| ( $args->{value} ? _tag_compile($ctx,$args->{value}) : undef );
if ( defined $val ) {
$fc++; $tfc++;
$val =~ s/\s+(\w)/ $1/g;
$val =~ s/(\w)\s+/$1 /g;
$val =~ tr/\r\n//d;
$val =~ s|^\s*\((.*?)\)\s*$|$1|g;
my ( $fn ) = grep { $_->[0] eq $val } @$footnote;
if ( $fn ) {
push( @$fn, [ $fc, $tfc ] );
以下の文字列に書き換えます。
$val =~ s/^\s*(\(|()(.*?)(\)|))\s*$/$2/g;
$val =~ s/^\s*(\(|()(.*?)(\)|))\s*$/$2/g; の赤い部分が全角のカッコです。
ブログで使用している文字コードにによって、このカッコの文字コードも違ってきます。そのため、ブログで使用している文字コードを確かめて、その文字コードでファイルを変更、保存する必要が生じます。
変更したら、ファイルをサーバーにアップロードすれば完了です。
2010年2月18日

夏の夜にパソコンをするとき、虫が集まってくるのが嫌なので部屋のあかりを消してしまいます。そうするとディスプレイが光っているとはいえ、キーボードの文字はみえなくなります。ブラインドタッチになってそれはそれでいいのかもしれませんが、たまに押したいボタンが押せず、もうひとつ右か、いや、もうひとつか、と順繰りに押さなければならいことがあって不便を感じることがあります。そういうときに、こういうキーの文字が光るキーボードが役に立ちます。
使用感ですが、まずキーボード全体の薄さに少しおどろきました。キー入力の仕組みが「メンブレン」というフィルム状の圧力パッドなので、薄い、薄い。キータッチの感覚は、わりとカチカチと押さなければいけない感じです。端っこのキー(シフトやコントロール、エスケープ、漢字キー)やテンキーの0キーでわりと押しそこないがありました。これまでキーボードにこだわりをもってきたひとは不満を覚えるかもしれません。いいキーボードは軽いタッチでも確実に感知してくれるので、キーボードに合わせて押さなければならないとなると、贅沢をしてきた身には、けっこうつらいことです。
光の強さは抑えめでかなりいい感じです。標準のキーは光るのですが、最上部にあるショートカットキーなどが光らないのはちょっと残念。それから、パソコンの電源を落としたときにもキーが光っているのも残念です。ただし、光のON/OFFボタンがあるので、消しておくことは可能です。パソコンの種類によってはマザーボードにあるUSBのジャンパーを切り替えれば光らなくなるようになるらしいですが、最近のマザーボードは電源を落としてもUSBが通電したままで切り替えスイッチもないものが多いそうなので、もしかすると無理かもしれません。自分のパソコンも切り替えのジャンパースイッチはありませんでした。ちなみにUSB→PS/2変換アダプタをつかってもキーは光ったままでした。
→ メーカーさんのページ
→ ShopUさんのページ。写真がたくさんあります。
三千円あれば買える(おつりがくる)キーボードとしては、いいほうかなとは思います。(他社の光るキーボードは九千円台。もっと高い物もあります)。
最後におまけとして、マルティメディアキーの電卓のキーで起動するソフトの切り替え方法を書いておきます。ブラウザやメールソフトはWindowsの規定のプログラムを切り替えればそれが立ちあがるんですが電卓を切り替える項目がみつからないのでレジストリをいじって手動で切り替えます。
レジストリエディタをひらいて、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\AppKey\18のキーへ移動、ShellExecuteに起動したいソフトをフルパスで記入します(元はCalcになっていると思います。これがWindows標準の電卓ソフトです)。これで完了です。
自分はいつもつかっている「めも電卓」にしました。
2010年2月17日
著者の宮城谷昌光は、師匠の立原正秋に「必然性のない漢字を使ってはならない」といわれたそうです。ただ使いたいからというだけでむずかしい漢字の言葉を書いていたりしたのでしょうか。著者の略歴をみると、英文科卒で、作家としては恋愛小説から始め、歴史に興味が移り、歴史小説を書くようになったということなので、著者がその言葉を言われた時期に、中国の古い書物にどれだけ接していたかわからないのですが、中国の言葉が漢字だけでできていることをかんがえると無駄に漢字を使うということは、極端な話、無駄な文章を書いているのに等しい。その言葉が好きで敬意を表しているのなら、してはいけないことの第一となるのは必然でしょう。
中国の古典を学んでいるものでなくとも、漢字が多くなる文章を書くきっかけはあるもので、よく男子は中島敦にあこがれて古いスタイルの文章を書いたりします
*1
。『山月記』が国語の教科書にのっているので、そこから単行本を読みふけるようになり、文章をまねるというのが、文学少年の鉄板のパターンです。そうでなければ福田恆存でしょうか。「現代かなづかい」を批判し「歴史的仮名遣」がどれだけ優れているかを説いた人物です。こちらは多分にマニアックに本を読んでいった男子のパターン。評論とか理屈が好きな男子ですね。
そんなことがきっかけで、古いスタイルの文章を書くと、その評判はたいがいにおいて「難しい漢字を使っている」となります。「かっこいい」でもなく「漢字の使い方がうまい」「漢字がわかっている」でもなく「難しい」。
どういうことかというと、つまるところ読まれていないんです、全然。表面でひっかかってしまって、まったく中に踏み込まれていない。そんなさんざんな目に遭って(いることには当時は気がつかず)古い文章というマイブームは終わるわけです。
こんないわゆる中二病みたいな古い文章ブームは現代っ子だけにあるわけではなくて、江戸時代にもあったようです。古典文学の現代語訳をしている歌人の須永朝彦さんは『江戸の伝奇小説3 飛騨匠物語・絵本玉藻譚』の巻末で『飛騨匠物語』と作者・石川雅望(いしかわまさもち)についての解説として以下のように書いています。
ただ原文は、他の読本の作『近江県物語』『天羽衣』共々雅文というか擬古文なので、あまり読み易いものではない。国学を修めると擬古文の物語を書いてみたくなるものなのか、本居宣長の『手枕』、建部綾足の『西山物語』、村田春海の『つくし船(竺志船物語)』、四方歌垣の『月宵雛物語』など、この手のものは幾つも想起されるものの、どれも上々の作とは申し難い。本作の文体も、聊か徹底に欠けるところが目につき、作者の蘊蓄の傾け方、即ち隅田川についての講釈を挿入した箇所など、その手際は京伝・馬琴のそれに及ばない。
さて、宮城谷昌光さんの『三国志』の文章は、というと、難しい漢字の単語がありはするものの、さくさくと読んでいけます。まず、ふりがながふってあるというのと、字面で意味がとりやすいことが読みやすさの第一で、それから、文章の運びが読みやすさを生んでいます。
たとえば、「凋弊」という言葉がでてきます。これがいきなりでてきたら、読めないし、意味をとることも困難です。これに「ちょうへい」というふりがながふってあっても事態はほとんど変わりないでしょう。『三国志』の中では「前漢のはじめに匈奴の猛威にさらされてみるかげもないほど凋弊した」となっています。「猛威にさらされて」と「みるかげもないほど」が「凋弊」にかかっているので、その言葉を知らなくても、なんとなく意味がわかるようなつくりになっているというわけです。ただし、難しい言葉をわかりやすくするためにそうしているんではなくて、もともとそういう文章なんですね。言葉がたがいに意味をじゃましあわない。相互にうまく関係し合っている。音楽的な意味で調和がとれています。
そのほかの特徴としては、この『三国志』は俯瞰で描かれてします。筆者は、登場人物にならずに、登場人物を観察する立場ですべてを書いていきます。
これは一般的には「説明」といわれる文章です。小説家志望のひとたちのあいだでは説明の文章はダメといわれます。つまらないから。でも、おもしろいんですよね、この小説は。
ようは、説明の文章も、おもしろく書けば、ぜんぜんだいじょうぶなわけです。たいていの場合、説明は、たんたんと一本調子で書かれているんでおもしろくないんですよね。ほかのところだと、緩急をつけたり、オチをつけてみたり、言葉遊びをしたり、リズムをつけたり、自然にいろいろと工夫を凝らしているのに、説明というところだけはなんにもしないんですから、おもしろいはずがありません。
と文章のことばかり書いてしまいました。内容については次巻のところで書いていきたいと思います。
2010年2月 3日
でないな、でないな、と思っていた雪だるま型カール。
でていても知らないで食べてしまっていた可能性はある。
2010年1月21日
真夜中の道路を急に横切ってきた女性を車でひいて逃げてしまった日から、怪現象がつぎつぎと起こり始める、というホラー映画。話が進むと、ぼろぼろと隠されていた事実が見えてきて、じつはこのひき逃げが怪現象の起点ではないことがわかります。
ホラー的な表現は清水崇監督の『呪怨』をしっかり勉強したようです。単に映像だけではなく、「怖がらせる」ことにも成功しており、かなり怖い部類のホラー映画になっています。しかも、『呪怨』とちがってストーリーがきちんとあります。
ところが、こうストーリーがちゃんとあって、ぴしっと終えられてしまうと、見終わったときに物足りなさを感じてしまいますね。
怪談とか怪奇現象というのは、割り切れない部分がたくさん残っているものです。それと理不尽さ。そういうのがなくなって消化がよくなってしまうと、"作り話"感が強くなって、ちょいと物足りなくなってしまうのです。
まったく贅沢な話ですが。
しかしながら、娯楽というのは本来、贅沢なものですからね。そしてすっかり堕落して、グルメ気取りなことを偉そうにつぶやいたりしてしまうのです。
2010年1月19日
湖畔の別荘にやってきた家族が、にやにやしながら安っぽいゲームのように人を殺すふたりの若者にもてあそばれる映画です。『時計仕掛けのオレンジ』と同じ分野に入るのでしょうか。ふたりの若者はやさしそうな外見、どなったりもしません。こんなやつら実際にいるよ、と「現実が」怖くなりなす。進行はあくまでもクール。直接的な暴力映像はなく、他の人の表情を映していたり、あるいは別の部屋から音だけが聞こえてきたり、もしくはすべてすんだ後――顔が腫れあがっていたり、とすべては想像におまかせにしてあります。映像的にはおもしろい作品です。ふたりの若者が逃げだしたとき、その場に残された母親が"ぼーっ"としているところを長回しにした場面はすばらしいできです。
後味は、悪いというより、物足りない。
終盤、若者たちに都合の悪いできごとがおこります。すると、ビデオのリモコンをさがして巻き戻し、みている画面が巻き戻って、さっきのは無しになります。そういう"実験的"もしくは"前衛的"といわれる演出が一回だけでてきます。いちおう、いきなりそういうことをやった、というわけではなく、映画のかなり早い段間で、登場人物が画面に向かってウィンクするなど、これは映画であり僕はそれをわかっているよという(メタ構造の)指摘はしているのですが、印象としては唐突感が強いように私は思います。
また、若者の間で、いきなり、虚構と現実についての会話が交わされます。
犯人の若者たちは、映画の中の他の登場人物だけではなくて、観客をも愚弄している、と解釈することはができますが、自分には、この終盤の煙に巻くような展開には問を感じます。
一般の観客には「なんだこりゃ?」ととまどわせるだけでしょうし、あるていど映画にくわしいマニアにはまったくものたりないものになっています。
映画では「前衛」とよばれる、実験的な映画をつくりまくっていた時代が過去にあります。
だから、ただ、ちょっと変わったことをやって「すげえだろ」「おれ天才」と、どや顔をされても、変わったことをするだけだったら過去に死ぬほどそんな映画があるんだよ、ということになるわけです。
過去にどういうふうな映像的な実験がなされてきたかを体系的にまとめた本が、映像を付録にして、一般に流通されればいいのにと思います。作る方は大変ですが。実験的な映画はたいてい観るには退屈ですから。そういうものができればこれを下敷きにして、現実に縛られない変わった表現方法を生かしたおもしろい作品がもっとでてくるはずです。
たいていの場合、実験的な表現がすでにあると知らないから、てきとうに実験的なことをやって、しかも、やっただけで価値があると勘違いして、てきとうに垂れ流してしまうことが多いように感じます。
監督が、若手だったら、そういう垂れ流しを調子に乗って最後にやってしまった、ということがあるかもしれませんが、この監督はそうではありません。1942年生まれ、現在67歳。大学で演劇の勉強をしているので前衛・実験的というのには触れているはず、です。だから、ちょっと調子に乗っちゃったということではないはずです。
じゃあどういう意味があるのかなと想像すると、他の映画制作者にたいしての皮肉、疑問なしに映画を観て、評価している観客への皮肉、ですよね。賛成されなくてもいいから、ゆさぶりをかけたい、停滞はいやだ、という意欲の表れなのでしょう。