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2008年10月 4日
ブレイブ ワン
夜の公園で集団暴行を受け恋人を殺された女性が、偶然巻き込まれたコンビニ強盗で犯人を射殺し逃亡。そのときから、犯罪者に鉄槌を下す処刑者になってゆく、というストーリー。
感情の爆発を押さえ込んで、低く低く緊迫感を途切れさせない描写に見応えを感じます。アクションは無駄なくクール、暴力の現実をしっかりと見せつけてくれます。
アマゾンのレビューだと「娯楽作品としてどうなのか」というのと「倫理的な問題」の点で、低い評価を受けていますが、「娯楽作品としてどうなのか」というのはちょっと無茶なつっこみで、もうちょっと論点をくわしくのべてもらわないと、映画はぜんぶ娯楽にしてくれよ、まじめなのは嫌だよっていってるみたいだから、それはひとそれぞれということにしてここでは触れないでおきます。「倫理的な問題」というのは、主人公の女性の行為に気がついた刑事が最終的に彼女を許してしまうのが有りか無しかということです。刑事は気づいた時点で彼女にたとえ話をして警告をします。もし親友が犯罪を犯したら自分は見逃さずに逮捕するだろうと。そんなことをいっておいたくせにラストで彼女の行為を許してしまう刑事に、レビュアーさんは疑問を感じているわけです。自分の考えだと、彼女にわざわざ警告する行為というのは、そのことに自信のない表れではないのかと思うんですよね。親しくなってきている彼女のためを思っての警告という面もたしかにあるけれど、自信のなさがあえて正義を口にさせたのではないかと自分は思います。キャラが、完璧な人間として造形されていれば、「警告」でしかないのでしょうが、刑事さんは、警察の無力さ、法の限界を痛感している人間ですから、やはり自信のなさの表れではないでしょうか。
この「倫理的な問題」には、じつはもうひとつ視点がありまして、それはキリスト教の観点です。人間の法よりも、神の法を優先するという考えです。人間の法はしょせん不完全だから、神の法に照らし合わせた正義を行うべきではないか、ということなんですが、これってこの映画のストーリーとぴったり合うんですよね。じつは、キリスト教的には「倫理的な問題」はここにはないんです。
とはいうものの、主人公の女性を許してしまうラストは、自分もなんだかなーと思っていたりします。
メロドラマなんですよねー。
ここだけ空気が変わって、甘~いんだ。
あーあ、と思いましたよ。
でも、こんなハッピーエンドのほうが、いまは受けるのかなぁ。
2008年9月21日
叫
河口付近の埋め立て地で女の顔を水たまりにつけて溺死させるシーンから始まります。犯人は役所広司が演じています。つぎの場面で、役所広司は刑事になっています。自分が殺したはずの事件の現場に来ています。自分が殺したなんてまったく知らず、女にも見覚えがないようです。女の死体から少し離れたところの水たまりにボタンが落ちていて、それには何かひっかかります。拾いあげて、ドキッとします。......これはもしかすると、自分の持っている上着のボタンなのかもしれない。――
黒沢清映画としてはストーリーもちゃんとあって、わかりやすい作品になっています。そのぶん、ちょっとまとまりすぎていてものたりない気分にもなります。
恐がりのひとはこれでも驚くでしょうが、怖い映画ではありません。幽霊を見た話など怖い話のあの不思議さを味わう映画です。(その点からいうと、DVDのジャケットは怖すぎます)。
主人公を追う形でお話は語られていきますが、映画の構造は「幽霊側の論理」でつくられているため、不思議ぃ~なのです。
幽霊役には葉月里緒奈。まあ、葉月里緒奈だったらこんなことやりかねないよな、と、つい思ってしまいます(が、もちろんそれはマスコミがつくりあげたイメージ)。
2008年9月20日
リベリオン -反逆者-
舞台は第三次世界大戦後の世界。生きのこった人々は、「感情」が争いを生むのではないかと考え、感情の管理を始めていた。薬物によって感情をつかさどる脳のはたらきを抑制し、人の心をうごかす芸術などはすべて破棄していった。そうしてついに平和な世界が訪れたように見えたが、この世界でも反逆者は存在した。主人公ジョン・プレストンは反逆者を撲滅する捜査官クラリック(Cleric)である。――
物語のテーマは「管理社会への反逆」。そこに新しい視点があったり、刺激あることをやっているわけではないので、ざんねんながらストーリーのつまらない映画の部類に入ります。強いてあげれば、主人公が選ばなければいけない選択肢が、"戦争はなくなるけど管理社会"と"戦争はあるけど自由な世界"のどちらかいうところに若干の刺激があって、いいかなと思います。
とはいうものの、この映画には大きな見どころがあるんです。それはガン=カタよばれるアクションで、銃を構えた大勢の敵をたったひとりで瞬く間に倒す驚異の戦闘シーンが見られます。
至近距離の敵にはカンフーのように腕をつきだして相手の銃をそらし、自分の銃をつきつけて撃ちます。ある程度離れた敵には舞うようにうごいて華麗に銃弾を撃ち込んでいきます。
ガン=カタの理屈は、人間の動きにはパターンがあり(骨と筋肉によって限定される)、それを学べば、相手の動きはすべて読めるようになり、自分の動きには無駄がなくなり、しまいには、相手の攻撃をすべてよけて、こちらの攻撃を当てられるようになる、というものです。
マンガなどでも真似されているそうなので、このアクションをガン=カタと知らずに知っているひとがいるかもしれません。
同監督が後に作る『ウルトラヴァイオレット』にガン=カタが再登場しますが、ある程度距離を置いて敵に囲まれるシチュエーションばかりで変化に乏しいのが残念でした。『リベリオン』ではシチュエーションや動きにもいろいろな変化をつけたパターンが試されていて楽しかったので、ガン=カタをさらに発展させていったガン=カタ中心の作品を期待しているのですが、監督さんとしてはそれはあんまり楽しいことじゃないんだろうなという気がしています。"情緒"とか"情感"が好きなんだろうなと思います。
2008年8月11日
カポーティ
田舎町で一家を皆殺しにする残酷な強盗殺人事件が起こり、小説家のトルーマン・カポーティはそれを題材に小説を書こうと取材をはじめます。その過程を描いた映画です。
カポーティはこの本で、ノンフィクション小説というスタイルをこの世に産み出すことになります。
本の題名について刑事がカポーティにたずねる場面があります。どんなタイトルをつけるのかと聞くと、カポーティは『冷血(In Cold Blood)』と答えます。刑事は「その冷血というのは、この残酷な事件そのものについてのことなのか、それとも、この事件をのぞきこんでいるあなたのことをいっているのか?」と聞きかえします。
印象的な場面で、映画のテーマもほぼこの一点に絞られています。
カポーティは、犯人(のひとり)に友情を見せ、好意を持って接していますが、同時に犯人の死刑を望んでいたりします。本の題名も教えませんし、内容についても「まだ書いていない」といって秘密にしています。
利己と利他、この二面性は、誰にでもあるといってもいいほどけっこうふつうな"愛情の二面性"なのかもしれません。カポーティは、『冷血』の後、きちんと完成した本を出すことはありませんでした。映画では、この映画で描かれた出来事が原因であるという印象でそのことを語っています。耐えきれず壊れてしまったという感じがあります。
でも、現実のカポーティには『冷血』のあと、社交界の有名人の個々のスキャンダルを描いた小説『叶えられた祈り』を計画、上流階級の人々に反発をくらい没落したというエピソードがあります。才能はあったが同時に詮索好きで利己的な人間だった、というだけのことなのかもしれません。それとも、体の中に冷たい血が流れている者同士ということか。(未完ながら『叶えられた祈り』は翻訳もでております)。
2008年7月 6日
スケルトン・キー
アメリカ南部の湿地帯にかこまれた古い屋敷で、脳梗塞でうごけなくなった老主人の看護をすることになったキャロライン(ケイト・ハドソン)は、この老主人の身に起こった不幸が、病気などではなく、この土地に伝わる古い魔術の力であることを知る。彼が倒れたという屋根裏には隠された部屋があり、中には奇怪な道具があふれ、呪文を録音したレコードと、この屋敷にかつて住んでいた人たちの写真があった。キャロラインは老主人を救おうと調査を開始する。
そんな感じに始まります。
ホラーというよりもサスペンスに近い作品です。古典的な怪奇小説、
ゴシック・ホラーは探偵小説の雰囲気がありますが、そのテイストですね。
ラストですべてがわかります。それだけじゃなく、これもそうだったんだな......というか、そうするとあれもじゃないか、あれもそうだったのか、と、ばらばらだった出来事がパズルのピースだったことがわかってきます。
映像もかなり綺麗です。思わせぶりなことをやりすぎた場面もありますが、全体としては満足できるできばえになっています。
おすすめの映画です。
タイトルのスケルトン・キーというのは辞書を引くと、合い鍵、マスターキーとあります。主人公のキャロラインは映画全般にわたって屋敷に来たときにもらったマスターキーで屋敷のドアをかちゃかちゃと開けていくんですが、タイトルにするほど重要かな? とも思いました。暗示あるいは物語の象徴であるといえば、うっすらとはあるんでしょうが、これをタイトルにしたほうがいいかはけっこうむずかしいところです。
2008年6月21日
平野貞夫の黙っちゃおれん! 第4回
平野貞夫さんをメインにすえたネットラジオ「平野貞夫の黙っちゃおれん!」第4回めの放送が公開されました。→こちら
現在の政治状況が話題となっています。
自民党としては任期満了まで福田でひっぱっていきたいらしいです。次期総裁に担ぎだそうとしているひとに、わーやめてくれよー、な名前がでてきました。こまったひとたちです。
そのほか、いろんなことをわかりやく解説してくれていて、おもしろいですよ。
たとえば消費税についてですが、以前の重工業が主体の時代は消費税以外の税で福祉などをすることが富の再配分になっていたけれど、グローバル化の時代になると企業が外国へいってしまうから流通に税をかけなければいけなくなる。金を使えば使うほど税を払う形にして最低限の富の再配分を行う方向へ移行するのはしかたがない、とかね。
新聞やニュース番組の解説なんかでは、消費税なんて取りやすいところからとって庶民を苦しめるだけだ、とかばっかりしかいわないけど、そんなふうな別の面が見えるとまた考え方が違ってきますよね。
2008年6月20日
あーっ

だいぶ前にネットのニュースでチラ見した故障だったので、電源を入れていきなり光られたときには、くちぽかーんです。
参考記事→ Xbox360の実際の故障率が判明、なんと33%!? - GIGAZINE
サポートに電話すると10日前後で修理完了ということでした。
本体だけ(コードはいらない、ハードディスクは抜く)を「代引きで送る」か「引き取りを頼む」かで修理に出します。
自分は引き取りを頼みました(もともとの箱は捨てちゃっていたのもあったので)。火曜日に来てくれるそうです。
無償とのこと。
◆土曜日(7/28)に、修理を終えて戻ってきました。
・アルゴンボード交換
・マザーボード交換
となっていました。
アルゴンボードというのは検索すると、PC Watch の Xbox 360ハードウェアレポート【本体編】で「電源スイッチ部サブボード」とよばれている(ページの一番下)ところのようです。
ボードといえるところはマザーボードとこのアルゴンボードだけなので、ほとんど、丸っと交換したわけですね。
それと、Xbox LIVE ゴールド メンバーシップが1ヵ月ついてきました。これはネットでマルチプレイするときに払うものです。
2008年6月17日
インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国
先週末、先行上映を観てきました。
ハリソン・フォードが登場するシーンでは、あごの下や頬のたるみがみえて、年取ったなーという印象を受けますが、アクションシーンに行くと、おやっと思うほど、どんどん、どんどん、生き生きしてきてインディだーって気分になります。時代設定がだいぶ進んでるんで、べつに若く見えなくてもいんですけどね。ナチはいなくなって、悪役はKGBです。
ワンパターンな骸骨(ミイラ)がボコボコは健在だけど、墓泥棒(考古学者)だからしょうがないといえばしょうがないんだけど、もうひとつのワンパターン、蛇は、一匹だけ、冗談のようなあつかいだったので、おなじようにアレンジして使ってほしかったですね。
満足度はそこそこ。ある一定レベルは超えているけど、今までのシリーズの出来から飛びぬけていることはありません。もうひと味を望んでしまうのできびしめです。
2008年6月11日
アフタースクール
週末、『アフタースクール』を観てきました。
中学のころからの親友と連絡がとれなくなり、翌日には、探偵らしき男が親友を探しに来る。探偵らしき男と親友の行方を追っていくと、意外な事実が......といった感じで始まります。過去と現在と、僕らは変わってしまっていて裏切られてしまうのか? この事件の結末はどうなるのか? はらはらどきどきさせられました。
物語の骨組みはハードボイルドっぽいシリアスな要素でできているんだけど、たっぷりとユーモアがもりこまれて語り口は軽快です。緊迫感はとぎれることなく、見ている場面の印象が二転三転する形でどんでん返しがあり、ラストまで存分に楽しませてくれます。
後味もよく、仮にちょっとひねちゃってる「探偵みたいな男」に共感してしまったとしても、毒気を抜かれ、すっきりした気分になれます。
DVDがでたら、絶対買って、手元に置いておこうと思います。満足でした。
ストーリーテリングの技術としては、結末を「ずらす」テクニックがうまくつかわれていました。謎解きの手がかりから結末へと導くとき、手がかりが少なかったりして謎解きが不充分に思われる状態になるときがありますよね。そのとき、ふたつめの結末を用意しておき、いやいやそっちじゃなくてほんとはこっちなんだよと二段階で落とす方法です。ひとつめの結末では、そうなのか、それって甘くないと思っているところへ、もうひとつもっとしっくりくる結末をバーンとしめされると、おお、そうだったのかと納得してしまうんですね。それが本当にきっちりかっきり論理的に作り上げられてなくても。
2008年6月 5日
狂乱家族日記 七さつめ
アニメ化されてたんですねー。小説の刊行スピードにも遅れてるし、もちょっとがんばらねば。ま、でも、遅れたら、遅れただけのおもしろみもあるんですけどね。アニメはDVDがでたら借りて観ようかな。
さて、七巻目の内容は、これがこれまでなんども語られてきた「来るべき災厄」なのか、宇宙から隕石となって降りそそいできた恐ろしい生命体から逃げのび、地下へ避難した乱﨑家一行。天から落ちてきたものとはまた違う別種の生命体の驚異に直面します。超生命体同士の恋あり(といっても人間にしたら単純なラブコメ程度なのですが、SFにおいての恋はみーんなそんなもの。だけど重要で絶対なのだ。よくわかんないけどSFのひとはすげえロマンチストなのだ)。そして、あのクラゲちゃん、乱﨑月香の正体がはっきりとわかります。
シリーズ全体の物語の折返し点になりそうです。



